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『いつも通り』午前六時に起きて

 眠りから覚め、次に目を開けたときは見慣れた天井……なんて期待通りにはならず、遮光性の低いカーテンから漏れる光を見て、夜が明けたのだと理解する。 

 時計を見ると針は縦にまっすぐ伸びており、六時だと瞬時に理解できる。

 そういえばこちらの世界に来て時計をちゃんと見ていなかったが、時計に書かれた数字は1〜12までとなっているので、この世界でも一日は24時間なのだと確認できる。

 ちなみに、自然とこの時間に起きたのは、普段ならこれから詩音を起こすという、朝一の重労働が身体に染みついており、どんな時間に寝ても、どれだけ身体に疲労が溜まっていても、午前六時には目が覚めてしまうという悲しい能力を身につけてしまった。

 世界が変わってもその呪いは解けていないようなので、時計と合わせて間違いなく時間の流れは地球と同じなのだと再認識する。

 いつも思うけど、詩音は結婚したら旦那にも同じことを強要するのだろうか?

 働きならが詩音の面倒を見る旦那……というか、詩音の恋愛話とか全く聞いたことがないな。

 もしかすると同性愛者なので、まだ人に言えていないとか?

 それはそれで別に構わないが、どちらにしてもパートナーになる人には同情する。

 まさかとは思うが、オレを召使としてタダ働きさせたりしないだろうな……?

 ……ありそうで怖いんだよな……

 って、ダメダメだ。せっかく異世界に来て詩音と離れられたというのに、常に詩音を思い出してしまう。

 これは決してシスコンなどではなく、オレに深く突き刺さった詩音という呪いがそうさせているのだ。

 とりあえず詩音のことは忘れるように努力するとして、まずは腹ごしらえだ。

 昨日、元女神が居酒屋から食糧を強奪していたので、それをいただくことにする。

 幸い、この宿直室には小さな調理器具のようなものがる。が、どうやって使えばいいんだ?

 魔術、だよな?

 IH調理器具っぽいプレートで、多分火力は五段階。

 地球的に言うと、電源コードはコンセントに挿さっているので、使用はできるのだろうが……

 スイッチどこ? なんてことはもう思わない。

 これが魔術なら、間違いなく魔力を送って稼働させるんだ。

 魔法自体は使えるのだから、オレにも魔力は存在する。それをどうやってこの調理器具に送ればいいのか?

 調理器具に対して『ブレイク!』とかいうわけにもいかないしなぁ。

 触ってみただけでは何も起こらない。

 多分小さな子ども対策として、触っただけで稼働すると危険だから、だと思う。

 ……うーん……

 仕方ない。食事があるだけでもありがたいんだ。冷めたままでいただくとしよう。

 元女神が強奪したお持ち帰り用の箱を空けてみると、おにぎりが二つ、唐揚げ五つ、串から外した焼き鳥が入っている。

 ……本当、日本と変わらないよな……

 今更ながら、やっぱり詩音により盛大なドッキリ説が再浮上してきてしまう。

 それでも食べ物で遊ぶようなマネはしないので、食べられないことはないはずだ。

 手を合わせ、ありがたくいただくとする。

 おいしい。

 おにぎりの具材は鰹節……に、似た生物の可能性はあるが、もう考えても仕方がない。

 ここはそういう世界。それで納得して生きていくしかない。

 唐揚げと焼き鳥も冷めていても美味しい。

 これだけでも、あの居酒屋が繁盛している理由がわかる気がする。

 酒の味はオレにはまだわからないが、いずれあの大人連中のように楽しめる時がくるのだろうか?

 ……それまでこの世界で死ななければいいけど……

 食事を終えても腹は完全には満たされていないが、元女神の分まで食べると後で何を言われるか分からないので、とりあえず残しておく。

 しかし約束を破って昼までにこなければ、残りは昼食としていただくとする。

 オレには金がないのだ。仕方がない。

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