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力比べ

「雰囲気的にあなたは力自慢のようだけど、この私の手を取れるかしら?」

 元女神は両手を開いて差し出し、掴みかかってこい、と言わんばかりに挑発する。

 これは手四つの力比べだ。

 これに女性が乗ってくれば元女神の勝ちだろうが、女性が実は技巧派タイプだったらどうするのだろうか?

 オレの魔法を余裕で受けようとする当たり、自信過剰すぎて相手をすぐ見下し、単純なことでピンチに陥るという危機感のなさ。

 それでもオレを力でねじ伏せるあたり、絶対的な力の持ち主なんだろうけど……嫌な予感はぬぐい切れない。

「泣いて謝れば、手ぇ砕く前に勘弁してやる」

 女性はそれに応えるように両手で元女神の手を取り、ガッチリと組み合う。

 居酒屋では、この元女神に勝てるやつはいない、という反応ばかりだった。

 そんな元女神からの勝負を正面から受けたのはよほど自信があるのか、それとも単純にこの元女神のことを知らないだけなのか。

 ともあれ、手を取ったからには勝負ありだ。

 あとは元女神がこの女性を見下し罵って、奪い取った財布を奪い取ってこの場を立ち去るだけ。

 犯罪に犯罪を重ねているが、そこらへんは元女神が何とかするだろう。

 それにオレの命には代えられない。用が済めばとっとと逃げるのみ。

 ポイント稼ぎに関しては、両者集中して止まっているところを狙えば成功するだろうが、どうせ元女神が勝つだろうから、衣服まで破るのは外道すぎて気が引ける。

 あとで元女神に文句を言われるかもしれないが、聞き流そう。

「っほ……ほああああああああっ!」

 …………

 力負けしだし、間抜け声を上げたのは……元女神。

 女性に徐々に押し込まれ、身体が段々と反り返っていく。

「ぐぅ! ぬぬぬぬぬうう!」

 ただ女性の方も余裕というわけではないようで、先ほどまでの余裕の笑みは消え、顔を赤く染めていることからも、全力を出しているのがわかる。

 ……もしかすると女性は人間ではなく、魔族とかそういう類の存在でしたか?

 それで人間に扮して生活するために、相手の油断を誘って財布を盗んでいた?

 ありえない展開ではない……が、素直に納得もしていられない。

 元女神が負けたら今度はオレだ。もちろん結果はぶん殴られて地面とキスをすることになる。

 土下座して見逃してくれるならいくらでもするが、結局『記憶を失え!』とか言われて殴られそう。

 いや記憶を失うくらいならいいが、あんなのに殴られたら命を失いそうだ。

「な……なん……でぇえええ!?」

 元女神も全力を出しているようで、背中を反らせ何とか耐えてはいるものの、今度は徐々に壁際に追い込まれていく。

 このままだと壁をブチ破って外に出かねない。

 まぁ元女神の悪行を考えればいい制裁になるかもしれないが、次はオレ……

「ほぎゃああああ!」

 ……だーめだ。


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