事件発生?
「やっぱり人選間違えたかしら?」
と、呆れる元女神だが、それはこっちのセリフだ。
なぜこんな最悪な生命体に召喚されてしまったのか……いや、追放系でない分、最悪一歩手前、と言ったところか。
もっとさあ、オレに無条件で惚れてくれるようなオレ好みの女性と出会ったり、最強無敵なチート能力を――
「え……あっ」
「今度は何よ? そんなに全裸の私を引き止めたいの?
言っとくけど、次同じ事したら視力を奪うわよ」
……こええよ……元女神の言うことじゃねぇ……それに、オレにとって巨乳お姉さん系の全裸など何の価値もない。
おっと、ここで勘違いされては困る。
だかと言って決してロリコンというわけではない。
あくまでも詩音らとは正反対な女性が好きなだけだ。
と、そんなことは今はどうでもよくて。
「暗くてはっきりと見えなかったけど、女性……だと思われる人が男に口元を押さえられて、数人がかりで連れ去っているようなのが見えたんだが……
あれって、見間違えじゃなかったら誘拐だよな、と思ってな。
一応、通報したほうがいいよな?」
オレはこの世界での連絡手段をもっていないので、即座に自分の判断で通報することができない。
見間違えならそれでよく、間違えました、と後で謝ればいい。
「助けるわよ」
「え?」
元女神はオレの言葉を聞いて即決し、視線を窓の外に向けたままのオレに即近寄って首根っこを掴むと窓を開け、躊躇なく飛び降りる。
「おわああ!?」
二階。足元から着地すれば死にはしない……だろうけど!
これから来る痛みに恐怖を覚え、しかしどうしようない状況に覚悟を決めた直後、ふわり、と体が少し浮き、なんの衝撃もなく地面に着地する。
「これがこの世界でいうところの『魔法』よ。
地球では体験できないでしょ?」
「ま、まぁ……そう、だな……」
自慢げに語る元女神をよく見てみると、いつもの不意を着用していた。
確かに先ほどまで全裸だったはずだが、これも漫画でいうところの『創造魔法』といったところだろうか?
というか、真偽もわからないのに即断即決で助けに向かおうとするところは、元女神という言葉の信憑性を上げる。
「善行を行えばポイントを稼げるわ。そうすれば法衣服現代も回収できるってもんよ」
「……下心、ダダ漏れしてんぞ……」
前言撤回。
やっぱりこいつは私欲のために動いている。少しでも感心した自分が愚かだったと思わざるを得ない。




