表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/159

女神の恋愛

「安心しろ。それだけは絶対にないから。

 というか、女神……いや、元女神は恋愛とかいてもいいのか?」

「……あんたの恋愛観を聞いた上でないと確信をもっていはいるけど、完全拒否されると頭にくるわね……」

 元女神はそんなことを言いつつ、不機嫌な表情を見せる。

 オレにどうしろというんだ? こいつの納得のいく答えなんて絶対にだせないぞ……

「……まぁいいわ。

 女神という立場にあっても恋愛は自由なのよ。それは女神に仕える天使も同じ。

 それが天界の方針、というか三大女神様たちが『女神だろうが魔王だろうが愛の形はそれぞれであるべき。例えそれが世界を滅ぼす選択になろうとも』という考え方なの。

 ただ各世界でそれが問題になた時にどう対処するのかは現地の人たちの判断に委ねられるわけで、それが原因で『勇者召喚』とかが行われたりするのよ。

 漫画とかでもあたりするでしょ?」

「確かに、そういう展開ってたまにあるよな」

 世界を選ぶか、一人の愛を選ぶか。そんなコンセプトの漫画もいくらか読んだことがある。

「それに女神は純潔を失ったからといって、それが原因で神聖力、この世界で言うところの魔力をうしなうことはないわ。

 ただ、例えば人間と結ばれて現地で暮らすようになり、やがて子供を産んだりすると、その世界、もっと狭い範囲で言うと住んでいる土地に愛情を持って、その地を離れることに未練を感じるようになるみたいで、天界へ復帰した女神はほぼほぼいないわね。

 だからごくまれに異常なチート能力を持った人間が産まれる、っていうのは漫画だけの話じゃなくて、実際にあったりするのよ」

 ちょいちょい漫画に例えてくるな。わかりやすけど。

「つまり、オレがお前に手を出すとオレに惚れてしまい、当初の目的である女神昇格試験を放棄することになる、と?」

「は?」

 今度はオレが純度100%の冗談を言ったつもりだが、元女神はそれを不快に思ったのか、眉間にシワを寄せて鋭く睨みつけてくる。

 こいつに嫌われることは何とも思わないが、その視線だけで人が殺せそうな、凡人でも感じ取れる殺気を放つのはやめてほしい。

 ホント、何言っても不機嫌になるな、こいつ……

「出会って間もない、性犯罪者能力を持った男に手を出されたら反射的に首を跳ね飛ばしてしまうかもしれないでしょうね。

 そんなことになったら昇格試験は即中断。再度試験を受けるためには、また五百年下働きをしなきゃいけなくなるのよ。

 借金だってこの世界では払わなくてよくなるだけで、天界戻ったらそれと同等の働きが追加されるのよ。

 いいことなんて一つもないんだから、お願いだから私に手を出してくれるな、って言ってるのよ。

 正直な話。あんたが能力を使用したとき、デコピンで済んだのなんて奇跡中の奇跡よ。ブチ切れた私の拳で首が回転してもおかしくなかったんだから。

 つまり、私はまだ冷静なの。そんな私を怒らせないように」

 ……こっわ……

 微塵も笑みを溢すことなく、淡々と語る口調は恐怖でしかない。

 そういやこいつ、召喚したばかりの魂をぶん殴った、とか言ってたな。

 ……仕方ない。納得できないが逃げられない以上、無理やり心を納得させ、しばらくこいつに従うしかない。

 ……あれ? 元の世界でも同じことをやってたような……

 ……異世界とは……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ