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すみません、投稿していたつもりが出来ておらず本日投稿しています。次回で最終話になります。

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は4/5(土)投稿予定です。



「・・・・あれ?今日非番じゃなかったっけサディア。」

お祭り騒ぎまでいかないが、それなりに騒いだ呑み会の翌朝。

今日も出勤予定だった副隊長のラオルは、今日は非番だったはずの己の上司であるサディアがデスクの椅子で何やら報告書を読んでいる姿を見て驚く。

彼は休み返上で働くタイプではなく仕事はきっちりで休みもきっちりなタイプだ。

ただ、今回は彼女ティティルリアの存在があったから毎日仕事場に顔を見せていただけで事情を知っている部署のメンバーでは暗黙の了解になっていた。


まぁその甲斐もあってようやく、2人は結ばれたのだから彼のスタイルも元に戻るとそう思っていた手前、何故目の前に彼がいるのか不思議だった。


「あぁ・・・ちょっと気になっていた報告書が今日届くって聞いたから来たんだ。」

ラウルは彼の言葉を聞いて彼の読んでいる書類の一枚に目をやり、それを摘み上げる。


「あぁ、彼女達の異動の件が届いたのか。」

ラウルは書かれている文字を目で追う。


ーーー以下、これらは騎士の称号を永遠剥奪し、最果ての塔で掃除婦として任命する。


「やっぱり最果ての塔になったんだね。」


最果ての塔とは言葉の通りこの国の最果てである位置にある人口の数より魔物が多い場所を指す。

そして掃除婦という仕事はそんな過酷な場所で何をするのかというと。

一つは殺した魔物を処理する、そしてもう一つは男達の夜の相手をするという過酷なもの。

本来ならある程度高貴な身分だった罪人達が死刑を逃れるための役職でもあった。

実際は人権など紙屑のような存在として扱われるから、寧ろ死なせてくれと自殺も多いというけど。


「今回の事に踏まえ以前から彼女達の行動は問題視されていただろう。」

「あぁ、男騎士達を唆して気に入らない他の女性騎士をレイプさせてたっていう。」

「それだけじゃ飽き足らず遠征での魔物討伐に仲間を置き去りにして生還したっていうのも事実だったからね、最後の情状酌量として今回同行させたが案の定だ。それに彼が彼女達を赦さないだろう。」


ラウルはそう言われてもう1人の隊長であるバキの存在を思い出しあぁと納得する。

上層部の人間にしか知らないが彼の妻もまた騎士であり、2年前にレイプ未遂の被害者であった。

実行犯の男どもを半殺しし謹慎させたのは有名な話しだ。そして妻の事を思い起こした理由を金銭トラブルで逆上し暴行させたとして公開されている為、騎士の大半では彼は嫌われている。

だが、彼はそれを逆手に取り横暴な振る舞いをし時には女性達に危機感を持たせ事件を未然に防いだり、腐った奴らから声をかけられることも増え摘発を行なったりを担っている。


「まぁまぁ由緒正しい家柄の人間だっただけに摘発が難しかったけど今回一般人を巻き込んだ失態を起こしたから随分スムーズだった。僕もそうだけど僕より彼の方が私怨は強いだろうね、こうなるように一気に畳みかけたらしいよ。」

「まぁそれでもお前の働きも大きいんだろう?」

「当たり前だよ、だって彼女達は僕のティリーを殺しかけたんだから。」


冷たい表情でサディアは目を通していた書類をその場で燃やしあっという間に消し炭になった。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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