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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/15(土)投稿予定です。
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「はい!えーっと・・・色々ありましたし、無事とはいえ親友が危ない目に遭いましたけれども!なんとか任務も無事終えて親友も怪我も軽傷で済んで本当によかったです!では挨拶はこのくらいにしてかんぱーい!!」
タルネの音頭で互いに各々の飲み物が入ったグラスをかかげ飲み始めると目の前の料理に舌鼓をする。
やっぱり騎士という体力仕事が多い為か豪快に飲み食いし始めた彼らを見てティティルリアは目を丸くさせた。
「ティル呑んでる?あ、早く皿に取らないと他の奴らに取られるよ?」
さっきまで挨拶をしていたタルネが隣へ座り未だ空のままだった私の皿に料理を遠慮なしに乗せていく。
「あぁ、うん。ありがとう・・・でも、騎士の人達のお疲れ様会ってこんな感じなんだね。」
礼を言いながらも戸惑っているティティルリアに対しタルネは面倒そうな顔をした。
「そうそう、まぁまぁ騒がしいよ。まぁ長い野宿だったり危険と隣り合わせだからその反動もあるかもしれないけど。それより宿木さんには後でお礼いっておくよ、急な貸切を快く了承してもらったし。」
「センパーイ呑んでますかぁ?あ、ティティルリアさんも楽しんでますかぁ?」
陽気な声と共にやってきたハイネにタルネは呆れた顔を見せる。
「今始まったところなのにもうそんなにできているの?早すぎない?」
「だってぇ、皆さんがお酒勧めてくるんですよぉ、早く任務から帰れてのは私のおかげだぁとか、私のことを功労者とか言ってぇ〜。」
そう、サディアと私が非難をしていた時拠点では、一体何があったのか当事者である彼女達から話しを聞いた他の騎士達は到底容認できない内容に彼女達を責めていた。
サディアと私がまだ生きているということが分かっているだけマシなだけで、民間人と仲間を危険に晒した行動は騎士の心得を重んじる者としてあり得ない行動だったからだ。
だが、それでも彼女達は自分達の非を認めることはせず言い訳をしていたらしい。
それにいち早く怒りの沸点がきたのは彼女ハイネだった。
ここからは曖昧に濁されたのでよく知らないが、要訳すると彼女は3人の言い分を聞いた後怒りのまま説教をしその拍子にどういう風にしたのかこれも不明だが勢いのまま岩肌に大きな衝撃を加えた、らしい。
するとそこが割れ空洞ができたところに、なんと、自分達が今回採取する予定の植物瑠璃ガラスの破片が自生していたのである。
嵐が止み無事拠点に合流できた私たちはその事に驚いたが、それならとそのまま枯れないように施し持って帰るように手配し、そのまま帰還したというわけである。
本来であれば長く見積もって3週間は少なくともかかる道のりを彼女のお陰でたった数日で済ませてしまえたのだから、この場にいる騎士達が浮かれるのも無理はない。
ちなみにあの3人は今回の事を重く受け止められ、あれだけ頑張って取得した騎士称号を剥奪されここからだいぶ離れた田舎の地で事務員として働くよう左遷をさせられた。
これもサディアがすぐに行動したせいでもあるんだろうけど・・・まぁ、彼女達のあんな態度なら遅かれ早かれ騎士の仕事に限界があったろうし、何より向いていないのだから逆によかったかもしれないな。
「・・・あのさぁ、ティル。そろそろ数日経つしここはもう無礼講だから聞くんだけど・・・なんでずっと隊長貴女を抱き抱えているわけ?」
タルネの遠慮がちに聞いてきたその言葉にティティルリアは梅干しを食べたようなしょっぱい顔をした。
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