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いつも読んでいただきありがとうございます。次回はすみませんが3/1(土)投稿予定です。



パチッ・・・パチッ・・・。


近くで何かが弾ける音が聞こえたティティルリアが目を覚ます。

ぼんやりとした景色の中で目の前の炎だけ理解する。


暖炉・・・?

見覚えのある暖炉だと分かると徐々に景色も鮮明になっていく。

「ここは・・・秘密基地。」

「気が付いたか?」


すぐ後ろで声が聞こえティティルリアは意識を浮上させる。

「サッ!サディっえぇ?!」

ティティルリアはサディアの存在に気がつくと今現在の自分の状況に悲鳴と赤面する。


ま、待って!!私今裸なんだけど!!


サディアであろう硬く引き締まった男の腕に胸板に抱かれたまま自分と彼が毛布に包まっていて見えないが自分の素肌が彼の素肌の感触をダイレクトに伝えてきた。


「先に言っておくけど、僕じゃ無いから。」

混乱しているとサディアが少しだけ遠慮がちに話す。

「確かに2人とも濡れていたし凍っている箇所もあったから服は脱ぐ必要はあると思っていたけど、ここに入った途端魔法が発動して抵抗する間も無く問答無用で・・・こうなった。」


そう説明されてはっとティティルリアが我に返る。


「あ、あぁ・・・ごめん、多分それご先祖様が付与した救命措置に関する魔法だと思う。入って来た人のバイタルを確認して異常が見られると反応した時に適切に対処するようにっていう・・・私達が凄く体温が下がってたからきっと魔法で処置をしたんだと思う。」


このアーティファクトは亜空間と繋がりご先祖様が所持していた家がまるまる存在しており、母の代々伝わる家宝の一つだ。初めはただ寛げる家だったのが、徐々に代を重ねる毎により快適に過ごせるようにとご先祖様が魔法や錬金術などを施し、今現在ティティルリアの手に渡ったというわけだ。


「ごめん、魔法って配慮じゃなくて救命第一で発動しちゃうからお構いなしなんだ。」

「いや、そのお陰で助かった。傷の手当てもしてくれたしな。」

「サディアっ!怪我したの?!」

無理やり振り向くとサディアと目が合う、だが彼もまた何も着ていないことにハッとしてティティルリアは目を逸らしたが、その視線の先にサディアは己の腕を見せる。


そこには丁寧に腕に巻かれた包帯でうっすらと血が滲んでいた。

「思ったより傷が深かったみたいで魔法で軽く止血して化膿止めの薬が塗られた・・・適切で何というか人がやるより手際が良かったな。」

「た、多分それは母が施した魔法だと思う。薬師だから書き込んだ一冊を魔導書に変えてきっとマニュアルに・・・。」

「そうか・・・。」


サディアが返すと2人の間に沈黙が降りる。少しだけ湿っていたのか薪がパチパチと弾く音だけが聞こえる。


「・・・・・・・すまなかった。」


暫くてサディアが口を開いたが、出てきた謝罪でティティルリアは顔を上げる。


「彼女達の行動に気がつけないどころか、君を危険な目に合わせるなんて。」


自分が彼女のたちの行動で命の危険を晒されたことにティティルリアは今更ながら思い出す。

「あぁ・・・まぁ、うん。正直危なかった、けどこうして助かったから「それ、本気で言ってる?」・・・え?」


サディアの声色が今までで低く怒気を孕んだものに気付き、ティティルリアがもう一度振り返ると悲痛な顔の彼と目が合った。





いつも読んでいただきありがとうございます。

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