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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は2/8(土)投稿予定です。
「早く引き上げろ!!」
ティティルリアの怒声に他の2人はびくつかせたが、1人がヘラりと笑う。
「だ、大丈夫だよ。あの子泳ぎは得意だし「泳げるとかそんな問題じゃない!!」ひっ!」
尚も大声を上げたティティルリアに驚く。
「森の嵐が来始めている湖なんて濃度の高い魔力の塊の中に浸かるものだ!それがどんなに危険なものかあんたらなら分かるだろう!!」
そこまで言われて2人はさぁっと顔を青白くさせた。
騎士達は定期的に資源集めのためのダンジョン潜りも行う。
その洞窟の濃い魔力に充てられ疾患を患い、最悪命を落とすことがあるという事例を彼女達はよく知っている。
事の重大さに気がついた彼女達だったがどうすればいいのか判断がつかない様子だった。
チッっと舌打ちし、ティティルリアは己に身体能力向上の魔法を思いつく限り付与させる。
乱れた呼吸を整えるためティティルリアは思わず、首から下げている自分のお守りである鍵を握りしめる。
ご先祖様!お父さん!お母さん!私を守って!
「私が水面まで彼女を引き上げる!貴女達は彼女を引き上げろ!!」
そう言ってティティルリアは彼女が落ちた場所へとダイブする。
一瞬、視界が悪くなったがすぐにクリアになる。
その場から下へと潜っていき目を凝らせば、彼女が大きな蔓を持つ水草に巻き込まれて身動きが取れないのが見えた。
既に彼女は意識が朦朧としているのがわかる。
ティティルリアはナイフでは間に合わないと判断し、真空の刃の魔法を放つ。
あっという間に入り刻まれた蔓から解放された彼女の身体を抱きこき、水を蹴って浮上させる。
水面から顔を出すと2人が近くにいた。
彼女達に意識のない溺れた彼女を渡す。
ザバっと引き合えられた拍子に彼女が大きく咳き込んだのを見てティティルリアはホッと安心し、自分も湖から上がろうとした、その時だった。
グルンっと何かが自分の両足に巻き付いたと分かった途端、すごい勢いで湖の中へと引っ張れらたのが分かった。
まずい!!
ザブンと再度水の中へと引き込まれたティティルリアは自分の両足に先ほどの水草が絡まっているのが見えた。
私の魔力に反応して巻き付いて!
どんどん湖の底に落ちていく自分に危機感を覚え、咄嗟に魔法を使おうとするが腕にも蔓が巻きつき魔法を放てない。
みしりと強い締め付けに、ゴポッと酸素が口からこぼれ落ちる。
ダメだ・・・逃げられない。
ティティルリアは己の死期を悟る。
自分が最も得意とするのは氷だ。巻き付いた蔓だけ凍らせれば脱出できるかもしれないが・・・。
駄目だ。水の魔力が濃すぎて上手くコントロールできない。
どんどん暗闇が広がる湖の底へ向かって行くティティルリアは思わず水面へと見上げる。
ぼやけていく視界に、ティティルリアは死の恐怖を感じる。
脳裏に親しい者の顔が浮かび、そして最後に幼いサディアの顔と今のサディアの顔が浮かぶ。
こんな事ならサディアにーーー。
後悔し冷たくなる身体と意識が遠のいていった・・・その時だった。
暖かい、いや、熱い何かが掠ったのをティティルリアは感じ、薄らと目を開けると赤いものが目の前に飛び込んだ。
綺麗な炎だと認識した瞬間、締め付けられていたものがふっと消え、そしてぐいっと今度は上へと引っ張られていくのを感じた。
薄れて行く意識の中で最後に見たのはきらりと光るアイスブルーの髪だった。
サディア?
そう思った瞬間、ティティルリアの意識は失った。
いつも読んでいただきありがとうございます。




