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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は1/25(土)投稿予定です。



「本当に嵐なんて来るんですかねぇ?」

仮拠点から近い場所で燃料の薪を調達した帰りに空見えない森の空を見ながらハイネは未だ変化のない様子にポツリと漏らす。

その言葉にタルネははぁと呆れたようにため息を溢す。

「そんなの当たり前よ。ティティの気象予報は外れたことはないんだから。」

「え?!そうなんですか?!」

「まぁ・・・そういうの知っとかないと一人旅はできないからね。」


驚くタルネにティティルリアは謙遜しながら言葉を返す。

量はこのぐらいあれば賄えるだろうと自身の持っているマジックボックスへと収納した。


「うぅ・・・収納魔法が使えなくともそんな高貴な貴族が持っていそうな高価なマジックボックス・・・ティティルリアさんって本当何者なんです?」

「あぁ・・・そこは父ですかね?商人である父は貴族の方にも顔が広いから。」


私が一人前になった時、母からは代々ご先祖様から譲り受けているものを。元々、貴族だった父からは今披露したマジックボックスをお祝いにとして貰った。


「これは父からお祝いでもらったんだ。だから、大切にしているんです。」

「ふーん。本当ティティルリアさんって聞けば聞くほどすごいですよね。良く国がほっといているな。」

「のらりくらりとこの子自身が躱しているからね。国のお偉いさんも諦めたんだよ。・・・それより、いつ頃その嵐が来るのか分かる?」

「ん?うん、多分30分もしない内に・・・でも、正直規模がわからない。」

「そっか、それより、ティティルリアごめんね?」

改めて突然謝ってきたタルネにティティルリアは理解できず彼女をきょとんと見つめる。

「ティティルリアが自然や植物に関して一番熟知しているのにあんな疑うような発言を同業者が言うなんて・・・。」

言われてティティルリアは先ほどのことを思い出し、あぁと相槌する。

「いいよ別に。このナリだとよく下に見られたり揶揄われたりしたし。」

「それでも!騎士精神を学んだ者としてあんなことを言うのは騎士じゃない!」

自分よりもタルネの方が先ほどのやりとりについて気にしていることに、ティティルリアは良くも悪くも真っ直ぐなタルネにしょうがないなと笑う。

「親しい友人が彼女達みたいに思われたら私は泣くけど、そうじゃないなら別に気にしない。」

「ティティ・・・ん?」

感激しているタルネだったが、ふと見たある場所を見て眉を顰める。


「どうしたんですか?先輩?」

「あそこ、何で彼女達あそこにいるのよ?」

見れば、仮拠点から少し離れた場所に彼女達がいた。

しかも、どんどん拠点から離れている。

それを見て、ティティルリアも表情を変えた。


「あの人達・・・もしかして。タルネ、ごめん。すぐにサディアに言ってきて欲しい!」

「えぇ?!」

「あの人達多分、どこかに行くつもりよ。もうすぐ森の嵐が来るのに。」


そう言ってティティルリアは走り出した。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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