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皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は1/12(日)投稿予定です。
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ティティルリアの心情などお構いなしに森の探索は続いた。
ティティルリアもあんなことがあったとはいえ、プロとしてのプライドがある。
サディアとは以前と変わらず極力関わることをやめ、必要事項ができた時だけ話しかけることに徹した。
それでも自分に対して冷たい目でこちらをみる女性の騎士の視線は感じたが、ティティルリアは気にせず仕事だけに集中した。そのおかげもあってなのか森に入って2日、順調な予定で森の中の探索ではあった。
「うえー・・・もうお風呂入りたい。」
「本当よねぇ。」
「・・・全く、よく文句言えるわね。数日間風呂入れないことなんてざらにあるってのに。」
ティティルリアの隣を歩くタルネがボソッとティティルリアが聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟く。
当然後ろで未だ話しながら歩く女性騎士達の耳には入っていない。
「もしかして騎士の派遣場所で変わるもの?」
「ん?んーまぁそうだね。女性騎士って後方や事務が多いしそれに加えて王都の騎士って、まぁまぁ優遇されているからね。私みたいに戦闘の女騎士って少ないよ。」
「へぇ・・・。」
「因みにハイネも私と同じ戦闘タイプ。」
「え?・・・そんな風には見えないけど。」
美容液や身だしなみに気を配っているハイネをちらほら見かけているティティルリアは彼女がタルネのようなタイプには見えないので首を傾げる。
「まぁ・・・本来の実力隠しているからねぇ。」
「へぇ・・・!」
ティティルリアが相打ちしていると、ふと前方にいるサディアの後ろ姿に目がいくがすぐに目を逸らした。
結局あれから気持ちが整理がつかず、モヤモヤしている。
キッパリ離れたいと思いきれていない自分の気持ちに思わず小さなため息を吐いた時だった。
ポツリと、自分の頬に冷たいものが当たる。
思わず、ティティルリアはハッとしてその場に立ち止まり見上げた。
「?ティティルリアどうしたの?」
「どうかしたか?」
急に立ち止まった彼女に声をかけたタルネの声に気づいたサディアが部下達に止まるよう合図したあと振り返り2人の元へ駆け寄る。
ティティルリアはサディアに返事せず厳しい目で持っていた地図を確認し、周りの植物の葉を確認する。
「・・・葉が一部巻き込みを始めている。」
ある木の葉が所々くるりと葉を巻いていることに気がつき、ティティルリアは挙手する。
「すみません皆さん!今日はここで野営の準備を始めてください!」
急な事に戸惑う騎士達を他所に、ティティルリアはサディアの方を向く。
「どんな規模か把握できていませんが、森の嵐が来ます。下手すれば巻き込まれます。今ここで野営を準備した方が得策です。」
「嵐って・・・晴れているじゃないですか。」
女性騎士の言葉に誰もが空を見る。確かに空は快晴で嵐が来るとは思えない天気を見せていた。
「隊長、もうすぐで予定した拠点場所に到着します。そこまで行くべきです。」
「いいえ、専門から見て動くべきではありません。それに森の嵐は普通とは違います。命の危険もあるんです。」
頑ななティティルリアの言葉を聞く耳を持ち合わせていないのか、女騎士は呆れたようなため息をした。
「命の危険なんて騎士当たり前ですよ。騎士を軽んじているんですか?」
「そういうことを言ってはいません。」
一刻も早く安全な場所を作るべきなのになんでそんなことを言うんだとティティルリアが思っていたその時だった。
大きな何かを叩く音が響き渡った。
いつも読んでいただきありがとうございます。