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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は12/14(土)投稿予定です。
12/14追記 体調が優れず本日更新予定でしたが12/19(木)へ変更させて頂きます。連絡遅れてしまったこと重ね重ね申し訳ありません。
あぁ・・・疲れる、仕事とはいえ彼と話すのは正直しんどく感じる・・・。
サディアにいつくか質問をされた後、解放されたティティルリアはサディアとは離れた場所で次の指示がかかるのを待っている間、木のそばにしゃがみ込んでいた。
ぼんやりと忙しなく準備をしている騎士達を見て何か手伝うべきだろうかと一瞬頭を過ったが辞める。
自分がここに来ているのは彼らの要請があって、自分から志願したわけでもない。
それに、部外者の私が触れていいものなのかもわからないのだから、変に気を使う方が彼らにとって余計な事だろう。
「・・・・私、何やってるんだろう。」
ポツリとティティルリアは言葉を溢す。
あれだけサディアを避けて過ごしてきたのに今はこうして会話もして一緒に行動もしている。
もう二度と彼には関わらないようにしようって決めていたのに、何でこうなったんだろう・・・。
でも一番驚いているのは彼と一緒にいれば居るほど、離れたいという気持ちがどんどん薄れている事だ。
接点を持つ前はあんなに彼の傍に行くのを拒んでいたのに、彼が目の前に現れてだんだんと接していく内にそれが無くなっている。
昔みたいに戻れるなんて思っていないけど、私は・・・どうしたいんだろう。
彼をまた知人ぐらいに思いたいのか、それとも赤の他人としていたいのか・・・でもーーー。
「ねぇ。」
不意に声をかけられティティルリアは思考の渦から現実に引き戻される。
見上げるとさっきサディアと会話していた時に話しかけてきた女性騎士だった。
私を見下ろしながらこちらを見ている彼女の眼が先ほどの一瞬だけ見せた冷たいものを宿している事に気づく。
「何でしょうか?」
「あまりいい気にならないでくださいね。」
聞き返すや否や彼女はティティルリアに冷たく言い放つ。
「何のことですか?」
「サディア隊長が優しいからって調子乗らないでよね。」
彼の名前が出て、ティティルリアは意味がわからないと彼女を見つめた。
「彼が優しいのは貴女が今必要されているからだから、本部にいる頃から思っていたけど隊長にすり寄るのはやめて。彼は貴女みたいに平民のましてや子供の姿なのに、彼とは釣り合わないから。」
「待ってください、どういう「いい加減彼にすり寄るのは辞めてよね、平民のくせに。」」
言うだけ言ってその場から彼女は離れ、ティティルリアは何も言えずに彼女の背中を見つめる。
「結局、私と彼はそう見えるんだ・・・。」
自分が彼に擦り寄ったという事実は自分が思うに全くないが、彼女の目から見て私と彼が一緒にいる場面は私が彼にすり寄るように見えるらしい。
昔と一緒ということか。
今も昔も彼の傍にいる私は無不相応な人間に見えるのだろう。
「・・・そう思われるのは嫌だな。」
小さく言ったその言葉は誰かに聞かれるわけもなく、ティティルリアの胸の中に染み込んでいった。
いつも読んでいただきありがとうございます。