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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は12/7(土)投稿予定です。
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「・・・ここが目的地の深闇の森か。」
そして翌朝。
無事目的地である森の入り口に到着した一行はとある1人の騎士の独り言を聞き、目の前の鬱蒼としている森を各々見やる。
「ここを探すのか・・・。」
「骨が折れそうね。」
口々に森の様子を伺っている騎士達を尻目にティティルリアは黙々と準備をしていると、サディアに声をかけられる。
「エスペーダ嬢、ここから目的地はどのくらいか把握できそうか?」
地図を持ってきてやってきたサディアにティティルリアは頷く。
「地図から見て現在地はここです。採取候補を考えるとこの西の方から向かう方が効率はいいと思います。でも、最初の候補地へ向かうにしても少なくとも半日はかかります。」
「なら、森の中の野営は考えるべきか・・・、他の騎士達に野営の準備はするように伝えた方がいいな。」
「あの隊長。」
サディアと話し合っていると、1人の女性騎士が声をかけてきたのでティティルリアもそちらを見る。
あの人確か、初日にバキ隊長と揉めていた女性騎士だ。
この国ではよく見られる茶色の髪の女性騎士はサディアの方を見ていてティティルリアの存在に気がついていないようだった。
「・・・なんだ?」
「先ほど候補地の話しをしてましたよね?でしたら、二手に分かれて候補地に例の植物があるかどうか確認するとというのはどうでしょう?その方が効率が良いかと思いますが。」
あ、違った。この人私には目を向けていないだけでサディアだけ見てるんだ・・・。
何だか感じが悪いなと思いながらティティルリアは聞いていたが、彼女の提案に賛成できないとすぐ様考えを切り替える。
「それを決めるのは私と植物に詳しいエスペーダ嬢の仕事だ。君には関係ない。」
「え?しかし「君は君の担当があるはずだ、その場へ戻りなさい。」・・・はい、申し訳ありませんでした。」
明らかに落ち込んだ彼女にティティルリアは大丈夫かと心配してみていると、一瞬だけだが彼女と目が合う。
・・・・・何でか睨まれた。
ギロっとこっちを見た目にティティルリアは睨まれる筋合いも心当たりもないので困惑していると、バキ隊長も現れる。
「おい、そろそろ動けるのかよ?まだ話し合いか?」
「いや、もう終わる・・・因みにエスペーダ嬢、二手に分かれるというのはどう思う?」
「え?あぁ・・・せっかくの案ですけど得策ではないですね。ここには強い魔物も多いですし、何より触れるだけで危険な植物や湖、急な天候悪化に騎士の皆さんがすぐに察知して対応するのは難しいと思います。」
「ヘェ〜だからここは危険区指定なのか、詳しいな嬢ちゃん。」
感心したようにニヤリと笑って褒めるバキに曖昧な笑みを浮かべたがサディアの咳払いでそちらに目を向ける。
「なら、余計に固まった移動がいいだろう。バキ、それを部下に伝えてくれ。」
「へいへい・・・お前余裕本当に無いよな。」
余裕?何のこと?
「嬢ちゃんは気にしないでくれ。こっちの話しだ。じゃぁしゃーねーけど部下に言ってくるわ。」
そう言ってバキは去り2人だけになったティティルリアはサディアを見る。
何だか心なしか彼が不機嫌そうな気がするけど・・・気のせいか?
「ではエスペーダ嬢。今後についてもう少し質問いいだろうか?」
サディアのいつもの声で気のせいかと思ったティティルリアはサディアの質問に答えていった。