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いつも読んでいただきありがとうございます。すみませんが1週間お休みさせてもらいます、次回予定は11/16(土)投稿予定です。
「・・・分かった。すまないが今日はここで野営をすることになった。」
小休憩を挟みながらの移動はゆっくりで、ハイネの頼まれたもの含め既に調合を終え暇を持て余していたティティルリアがうとうとし始めた頃、サディアの言葉が耳に入りティティルリアは一気に目が覚めた。
「!すいません、少しうたた寝してました。」
「いや、構わない。付き合わせているのはこちらだ。君が謝る必要はない。」
キッパリとサディアにそう言われたティティルリアだったが、報酬をもらう手前咎められても仕方ないのではと疑問を浮かべる。
「では隊長、私は野営の準備をしてきます。」
「あぁ、そうしてくれ。」
ハイネはそれだけ言うとさっさと馬車から降りてしまい、ティティルリアは交互に2人の姿を見やる。
婚約者同士にしては随分・・・なんかこうあっさりしているよね?
上司と部下という立場上大っぴらげに親しく接しられないとはいえ、ここ数時間のやりとりはまさに部下と上司のそれだった。
公私混同しないから2人は誠実なんだろうとは思うけど・・・でも、少しぐらい親しげにしてもバチは当たらないんじゃないだろうか?
それにあんな風な態度だと彼女だって不安になるんじゃないだろうか?
悶々と考えているとサディアがこちらを振り向く。
「どうした?何か心配なことでもあるか?」
顔に手でいたのかサディアに言われティティルリアは別に悪いことを考えていたわけではないのに、ぎくりと変に心臓が速くなったのが分かった。
「いや・・・、ただその。少しはハイネさんを気にかけてはと思っただけです。」
「ハイネを?何故だ?」
サディアは不思議そうにこちらを見るのでティティルリアは本当にわかっていないのかと逆に心配になった。
いくら婚約しているからって、きちんと相手とコミュニケーションは取るべきだろう。
自分の両親の仲睦まじい様子をずっと見てきたティティルリアにとって2人の行動が奇異に感じ、余計に心配になる。
接して見てわかったことだがハイネ自身気配りができ優しい良い人だ。そんな子がこの前私と彼との関係を心配して牽制して来たのだから、これ以上変な溝を作らないようにしてほしい。
「もしかして・・・ハイネが婚約者と言っていたことか?」
不意にサディアに問いかけられて驚いていと、彼は何故かチッと舌打ちをした。
え?いや、舌打ち??なんで??
そして一気に周りに妙な重い空気が漂い寒気を感じ始めたのでティティルリアは首を傾げながら思わず腕をさする。
「さっさと説明をすると言っていたのに・・・あのバカが。」
「え?すいません、何か言いました?」
小さな声でボソボソと何か言ったサディアだったが聞き取れず聞き返すと、サディアがじっとこちらを見つめてきた。
「・・・言っとくが、違うから。」
「え?何がです?」
「俺は・・・ずっと、いや、そもそもハイネは・・・。」
ハイネは?
ティティルリアが彼の次の言葉を待っていると、何やら慌てた様子のノックが聞こえサディアとティティルリアは扉を見た。
「タルネ?」
扉を忙しなく叩くのでサディアが開けると血相を変えたタルネの顔が目に飛び込む。
「どうしたタルネ。」
「隊長すみません、少々トラブルが・・・・。」
その言葉にサディアが眉を顰めたのをティティルリアは見逃さなかった。
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