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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は10/26(土)投稿予定です。
結局先ほどの事はハイネからサディアの耳に入る事になり、大変険しいを顔をして振り返るとバキと言われる男が去っていった方角の方を見ていた。
その時のえらい殺気を放っている彼に後ろ姿でもそれが理解したティティルリアは、自分の事ではないと分かっていても彼のそれにおっかないと身を震わせた。
でもまぁ、あんな風に自分の婚約者の人を言い寄るなんてそりゃぁ気分は悪くなるのは当たり前だとティティルリアは一人納得した。
なんなら、今の状況で母にちょっかい出されているところを父が目撃したら、周りは阿鼻叫喚の図間違い無いだろう。その点では彼は大人だ。
お母さんのことに関してはすぐに手を出すかなぁ私のお父さんは。
昔ありしの思い出を思い出していたが、出発前の準備確認を思い出しいつの間にか話し終えていた2人の後へと向かった。何せまぁまぁな大所帯が移動するんだ。自分も念入りに準備しておく方がいい。
ここ数週間で仲が良くなった騎士達にも助けてもらいつつ、予定時間となり出立することになった。
今回の目的地である森には片道3日は少なくともかかるそんな道のりである。
荷物は初歩魔法の一つである収納魔法があるおかげで魔力量や本人の魔法精度にもよるが少なくとも一人分の持ち物は運べる魔法を身に付けられている。ここにいる騎士達持はエリートでもあるので魔法は各々使えるので特に不安はない。
「そういえばティティルリアさんって確か馬は乗れないんですよね?」
ハイネの言葉にティティルリアは頷く。
道が整備しているエリアは騎士達は皆乗馬して移動するが、ティティルリアはそうではない。
一人旅には慣れているので移動手段はあるにはあったが、騎士団側が自分は護衛対象になるのだからそれは控えてほしいとやんわり断られている。
その辺りは聞き分けの良い大人なので、独りよがりな事はしない。
「騎士の皆さんが行動しやすいように、私は馬車の予定です。」
「そっか、それなら私もそうですね「ハイネ」あ!なんですか〜隊長!」
さっきまで他のことをしていたはずのサディアがまたしてもやってきたのでハイネが返事をする。
「お前は馬で移動してくれ、私が彼女と搭乗しよう。」
「いっ!?」
待て待て、なんでそんなことになる?!
突然の交代の申し出にティティルリアは驚愕する。
お前と二人って・・・なんの拷問なんだ?!
思わず断ってほしいとハイネの方を見る。
普通、ここは婚約者として断るよね?断るって言え!!
「いいですねぇ!私それでも構いませんよ!」
なんでそんなに元気に了解するわけ〜?!!
あんたこいつの婚約者だろ!っと悪態をついていたが、ふと視線を感じたのでティティルリアはチラリと振り返る。
見れば先ほど嫌味や下品な目をしていたバキと数名、己の部下とこちらを見てニヤニヤしているのを見ていた。
その視線にはハイネさんがいるのが分かったティティルリアは覚悟を決める。
「それなら、隊長さんもハイネさんと一緒に搭乗してください。」
「え?」
「私はハイネさんとお話ししながら馬車に乗るの楽しみにしていたんです。ですが何か理由があって隊長さんが乗った方が良いなら二人とも馬車でお願いしてもいいですか?」
思ってもみないティティルリアのお願い事に二人は顔を見合わせていた。
一体、何が嬉しくてこいつとのその婚約者と一緒に馬車に乗らないといけないんだよ・・・!
提案したティティルリアは気が重くなるのを感じていた。
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