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いつも読んでいただきありがとうございます。次回は10/12(土)投稿予定です。



「さて、今日から共同生活かぁ・・・憂鬱。」


サディアがあの日の朝やってきてから2週間後経っていた。

また彼が押しかけてくるのではないかと身構えていたティティルリアだったが、その予想は大きく外れあれだけ遭遇していたのが嘘の様に彼とは例の花の採取についての会議で顔合わせる程度に留まっていた。

もしかしたら自分が助言した様に婚約者と共に過ごすことにしたのかもしれない。

正直毎回出会うことに対し億劫になっていたので、ティティルリアはこれ幸いと喜んだ。

時折、彼の婚約者と言った彼女がたまに私と会話したそうにしたが、もう別に彼の知り合いだったからといって必要以上に接触するつもりはないし、婚約者さんと仲良くするつもりもないのでしれっと会話を終了してそそくさとその場を後にした。

後ろで悲鳴が聞こえた事もあったが、まぁ私には関係の無いことだろうと振り返ることはなかった。

こうしてひょんなことから彼らとの最小限の交流だけで済む様になったティティルリアの生活は平穏で何事もなく過ごせるようになったのである。


でも、そんな生活もこの前の会議の結果で脆くもくずれたのである。





ーーーーーーーーーーー


ーーーーーー


ーーー


『では、3日後に採取場所へ出立する。各自準備しておく様に。』

いよいよ、採取候補地も絞り込め天候などを考えた末、花の採取へは3日後出立することになった。

これまで、膨大な資料と睨めっこしていたティティルリアにとってほっと息をつく瞬間だった。

でも、まだ手放しで喜べない。

これから、彼らと森へ行き、花を枯らさない様に採取して帰路へつかなくてはいけない。

大きな仕事にティティルリアは1人気を引き締めていると、副団長である彼、ラオルが手を上げているのが見えた。

『テントの振り分けどうすんだ?今回ティティルリアちゃんもいるだろう?』

『え?テントですか?』

『そうそう、こっちで頼んでる手前、彼女に窮屈な思いをさせない様にしないと。』

『え?いや、私は別に一人で構いません。何時も探索の時は一人でしたし。』

『そういうわけにもいかないよ。森は危険だし、何かあった時にティティルリアちゃんを守らないと。』


直ぐ様副隊長に却下されたティティルリアは黙り込む。


どちちかというとプライベートな空間は一人でいたい派なので寧ろ人と一緒なんてストレスしかない。

でも、我慢するしかないか・・・。


『あ、じゃあ私がティティルリアと一緒にいましょうか、その方が気が楽でしょう?』

早速名乗りを上げてくれたタルネにほっとする。

回避出来ないのならまだ知り合いの方が良いし、タルネなら基本私のことは放っておいてくれる。


『いいえ!私が一緒にいます!』

タルネに頼もうとしたティティルリアだったがそれを遮って手を挙げたハイネに誰もが視線を向ける。

『え?ハイネもか?』

『えぇ!だって私だってティティルリアさんと仲良くなりたいんだもん!いいでしょ先輩?』


え?いちゃもんつけてきたのに仲良くなりたい??


十中八九嘘だなとティティルリアは結論付ける。

大方、前の事で未だ私のことを煩わしいと思っているのだろう。

なんてはた迷惑な・・・・。

そう思いながらちらりとサディアの方を見やる。

できれば彼女の事をどうにかしてほしいという期待を込めてだ。

『ねぇ、隊長良いですよね?』

『・・・あぁ。そこまで言うならお前に任せようと思うが、どうだろうか?エスペーダ嬢。』

・・・ま、婚約者優先になるか、そりゃそうだな。

淡い期待を持ってはいけないなと、この時ティティルリアは諦めながら大人な対応をした。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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