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イベントボスと新ヒロインは幼馴染でした。

『無能の悪童王子は生き残りたい』の発売まで、あと四日!

詳しくは、あとがきをご覧くださいませ!!!

 元々、ルシオとうちは幼馴染同士なのです。


 遊び場所はいつも王宮の中庭。アルバレス家の当主である母様がお仕事をしている間、同じくソル家の前当主に連れられたルシオと一緒に遊んでいたのです。

 ルシオは基本的に泣き虫で、いつもうちの後ろを歩き回って、まるで可愛い弟だったのです。


 だから、本当はソル家の仕事を……敵を呪い殺す仕事をしたくないと、泣きながら言っていたことを覚えているのです。


 でも、後継者であるルシオはそんな運命から逃げることができないのです。

 それは、このうちも。


 それに、アルバレス家は呪術によって政治を含めあらゆることに助言を行い、イスタニア王家と最も近い立場にある一方で、ソル家はイスタニアの闇としてあらゆる汚れ仕事を行ってきたので、ものすごく憎まれているのです。


 だから、最初は仲が良かったうちとルシオも次第に疎遠になって、彼がソル家の当主になってからは明確に敵視されるようになったのです。


 デハウバルズ王国に留学してきたのも、そんなルシオから遠ざかるようにと、母様に勧められたからなのです。


「……って、こんな話を聞きたいわけじゃないですよね。うち、何を話してるんです」


 そう言うと、フロレンシアは自虐的に笑う。

 きっと彼女の中では、イベントボスのルシオも思い出の幼馴染のままなのかもしれない。


 でも、『エンハザセカンド』のフロレンシアルートで明確にイベントボスにされてしまっているため、ルシオとの戦闘は避けられそうにない。事実、彼女は先日もルシオに命を狙われたのだから。


「そういえば不思議に思っていたんだけど、そのルシオはこの国には留学していないんだよね? だったら昨日は、どうやって君を狙ったんだ?」

「呪術に距離は影響しないのです。どれだけ離れていても、対象を呪えば攻撃はできるのです」


 おおう……つまり世界中どこにいようが、いつでも呪い殺せるってわけか。邪属性、メッチャ怖い。


「お待ちください。まるで邪属性の祝福(ギフト)が万能で無条件に優れているように聞こえますが、遠隔から攻撃をするにはかなり厳しい条件が課せられるはずです。そうですよね?」

「……聖女様のおっしゃるとおりなのです。呪い殺すためには、対象の身体の一部が必要なのです」

「それは……」

「髪の毛、爪、皮膚、何でも構わないのです。でも、それらが多ければ多いほど、呪いは強くなるのです」


 かつて幼馴染だったのだから、ルシオがフロレンシアの髪の毛や爪を仲が良かったことから持っていたことが考えられる。


 とはいえ。


「呪術に長けているフロレンシアさんなら、普通に考えたら自分の身体の一部を差し出すことがどれだけ危険か分かっているはず。子供の頃だから渡したのかもしれないけど、それでも、防ぐ手立てがあるからそんなことをしたってことかな?」

「ハロルド殿下にはお見通しだったです。私もアルバレス家の後継者として、呪い返しはできるのです」

「じゃあ……」

「はいなのです。ご心配をおかけしましたけど、ルシオがうちを呪っていることが分かった以上、もう大丈夫なのです」


 フロレンシアはむん、と力こぶを作り、微笑んでみせた。

 ただ、彼女のアメジストの瞳はどこか寂しげだ。


 きっと幼馴染のルシオと争いたくはないのだろう。


「だから、ハロルド殿下もうちのこと気にしなくてもいいのです。ありがとうございましたなのです」


 そう言うと、フロレンシアがぺこり、とお辞儀をした。

 なるほど……彼女はこういうタイプのヒロインか。理解した。


 要は、自分を犠牲にしてでも周りを救おうとする、ある意味正統派ヒロインだということを。


「分かった。引き続きライラに護衛をさせて、僕達は王国の権力を使ってでもルシオの居場所を特定して、君への呪いを阻止するよ」

「うちの話を聞いてないのです!?」


 馬鹿だなあ、そうやって僕達に危害が及ばないように遠ざけようとしても無駄なんだよ。

 前世で死ぬほど『エンハザ』をやり込んだ僕には、ヒロインの考えなんて手に取るように分かるから。


 それに、イベントボスとして登場しバトルするんだから、ルシオがこの国に出張って来ることも間違いない。『エンハザ』の戦闘は直接対峙するんだから当然だよね。


「そういうことだから、僕達から逃げられるとは思わないことだよ」


 僕は『無能の悪童王子』よろしく、ニヒルに口の端を持ち上げてみせた。


「っ……ハロルド殿下は、お節介の馬鹿なのです」

「何を今さら。僕が『無能の悪童王子』と呼ばれていることは知ってるだろう?」

「自分で言うのもどうかと思うのです」


 そんな皮肉を込めつつ、フロレンシアは瞳に涙を湛えてはにかんだ。

お読みいただき、ありがとうございました!

書籍発売記念として、完結後の続きをこれから毎日投稿しますので、どうぞお楽しみに!


『無能の悪童王子は生き残りたい』の書籍は、GA文庫様から7月14日(日)に発売です!

書店様によっては、早ければ金曜日の夜には並ぶ場合も!


ハロルドのキャラ設定などを含め、かなり改稿していますので、web版をお読みいただいた皆様もきっと楽しんでいただけると思います!


また、

・アニメイト様、ゲーマーズ様、メロンブックス様、BOOK★WALKER様では特典SS

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・ゲーマーズ様では有償特典としてアクリルチャーム

・Amazon様では1巻・2巻連動SS

があります!


さらにさらに! 書籍帯裏には、web版では絶対に読めない特別SSのQRコードが!

『エンゲージ・ハザード』の本来のシナリオでは、サンドラがどんな末路をたどったのか、必見です!


しつこいようですが、『無能の悪童王子は生き残りたい』第1巻は7月14日発売!

下のリンクからAmazon様のページに移動できます!


どうか……どうか、お買い上げくださいませ!!!

何卒よろしくお願いしまああああああす!!!!!

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▼8/19に書籍第1巻が発売します! よろしくお願いします!▼

【余命一年の公爵子息は、旅をしたい】
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