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備えて憂いがないようにすることにしました。

『無能の悪童王子は生き残りたい』の第1巻が7月14日に発売です!!

詳しくは、あとがきをご覧くださいませ!!!

 みんな久しぶり、ハロルドです。


 この世界の管理者テミスを打ち倒し、ようやく『エンゲージ・ハザード』の呪縛から解放された僕だけど、前回テミスの残りカスがとんでもないことを言い放ったのを覚えているかな?


 そう……よりによって続編『エンゲージ・ハザード・セカンド』なるものが存在するらしい。


 少なくとも前世ではリリース後半年で運営が倒産したから、続編なんて当然なかったから、きっと『エンハザ』が大ヒットすることを見越して準備を進めていたんだろう。迷惑千万だ。

 おかげで僕は、続編が開始される一年後に向けて、できる限りの準備を進めているんだけど。


「そういえばハロルドは主人公に断罪されてしまうから、続編には登場しないんじゃないのか?」

「キャラクター『ハロルド』……」

「僕のことはハロルドと呼べって、何度も言ってるよね?」

「ヒイイ!? もも、申し訳ありません! おっしゃるとおり、ハロルド氏は登場しません!」


 ジト目を向けて言い直させると、テミスの残りカス……つまりただのテミスが、土下座スタイルで答えた。

 僕以上に『エンハザ』の世界を知っているテミスの知識は、破滅フラグを回避するために絶対に必要だからね。


「だとすると、僕が健在であることによって、この世界に支障をきたすこともあったりするんだろうか……」


 顎に手を当てて思案するものの、僕が存在しない続編なんだから、少なくとも僕やサンドラへの破滅フラグはないと考えていいだろう。

 それより、僕の『大切なもの』……クリスティアやカルラ、それにリゼ達のほうが巻き込まれる可能性が高い。


「ハア……本当に面倒だなあ……」


 僕は大きく溜息を吐き、肩を落としていると。


「ご心配なさる必要はありません。ハル様に仇なす不届き者は、この私が『バルムンク』の錆にして差し上げます」


 血塗られた真紅の瞳でそう語るのは、僕の婚約者のサンドラ。

 この物語を打ち壊すために、本編開始前に結婚したのだ。こうすれば、婚約破棄なんて意味をなさないからね。


 その代わり、サンドラの愛はますます重くなったけど。


「それでテミス、『エンハザセカンド』の主人公って、一体どんな奴なんだ?」

「はは、はい! ヴァルサ帝国からの留学生で、名前を“ニルス=エーヴェルト=クングニク=ヴァルサ”と言います」

「ニルス、ねえ……」


 ウィルフレッドの例があるから、きっとコイツも無属性のチーレム野郎なんだろうなあ。

 肝心の性格については、頼むからウィルフレッドと違っていてほしい。


「ヒロインは?」

「クリスティア様やカルラ様、リゼット様はもちろんのこと、『ファースト』に登場した多くのヒロインが登場します! ……その、前主人公の婚約者になれなかったということで」


 なるほど……なかなか酷い設定だな。

 つまりウィルフレッドにフラれたヒロインが、続編のヒロインになるってことか。


 あれ? 待てよ?


「ということは、『エンハザ』ではどのヒロインがウィルフレッドの婚約者になったんだ?」

「そ、それは……」


 何故かテミスが言い淀む。

 きっとよからぬ結果になったに違いない。


「早く答えなさい。ハル様はお暇ではないのです」

「ヒイイイイイイイイ!?」


 『バルムンク』の刃をテミスの首元に当て、サンドラがすごむ。

 暇というか、この後サンドラに拘束されるのが目に見えているので、特に予定は入れてない。つまり、別に時間の余裕はあるんだけど。……なんてことは言わない。


「そ、その! “モニカ”様です!」

「へ……?」


 テミスの言葉に、僕は思わず呆けた声を漏らす。

 え? モニカは『エンハザ』に登場していないし、なんでそんなことになるんだ?


「セ、『セカンド』の後日談で語られるのですが、シュヴァリエ公爵家が謀反の罪で取り潰しとなり路頭に迷っていたモニカ様を主人公が見初め、それで……」

「……面白い冗談ですね」

「っ!? ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッッッ!?」


 突然背後から現れたモニカの声を聞き、テミスが今日一番の悲鳴を上げた。

 というか、いつの間にこの部屋にいたんだろうか。


「ハロルド殿下、お嬢様。申し上げておきますが、私は絶対に、未来永劫、どんな天変地異が起こり世界が滅亡したとしても、あの屑と添い遂げることなどあり得ませんので」

「う、うん……」

「わ、分かっているわ……」


 普段とは違い恐ろしいほどの殺気を放つモニカに、僕もサンドラも思わずたじろいでしまう。

 彼女がここまで激怒したのは初めてなんじゃないだろうか。


「ま、まあ、その話は置いておくとして、『セカンド』から登場するヒロインや噛ませ犬について、教えてくれ」

「かかか、かしこまままりりりり……っ」


 モニカへの恐怖でまともに話すことができないテミス。

 僕達は『エンゲージ・ハザード・セカンド』のあらゆる情報を聞き出し、夜が更けるまで対策を練った。

お読みいただき、ありがとうございました!

書籍発売記念として、完結後の続きをこれから毎日投稿しますので、どうぞお楽しみに!


『無能の悪童王子は生き残りたい』の書籍は、GA文庫様から7月14日(日)に発売です!

書店様によっては、それより早く並ぶ場合も!


ハロルドのキャラ設定などを含め、かなり改稿していますので、web版をお読みいただいた皆様もきっと楽しんでいただけると思います!


また、

・アニメイト様、ゲーマーズ様、メロンブックス様、BOOK★WALKER様では特典SS

・メロンブックス様では有償特典としてYuzuki先生描き下ろしB2タペストリー

・ゲーマーズ様では有償特典としてアクリルチャーム

・Amazon様では1巻・2巻連動SS

があります!


さらにさらに! 書籍帯裏には、web版では絶対に読めない特別SSのQRコードが!

『エンゲージ・ハザード』の本来のシナリオでは、サンドラがどんな末路をたどったのか、必見です!


しつこいようですが、『無能の悪童王子は生き残りたい』第1巻は7月14日発売!

下のリンクからAmazon様のページに移動できます!


どうか……どうか、お買い上げくださいませ!!!

何卒よろしくお願いしまああああああす!!!!!

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▼8/19に書籍第1巻が発売します! よろしくお願いします!▼

【余命一年の公爵子息は、旅をしたい】
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