第84話 おわるラジオとはじまるラジオ③
「俺が生まれるずっと前、日本のあるラジオ局で起きたことでな」
そう言いながら、本棚にある番組表の本をもう一度探る。確かこのあたりに……ああ、あったあった。40年前の春号と、その5年後の春号だ。
「たった5年で、これだけ番組が変えさせられた」
「なっ……な、何故全然違うのだ!?」
その局の番組表を2冊並べて開けば、たったの5年でほとんど全部の番組が入れ替わっている。レイアウトも前の番組表はポップな感じのつくりだったのが、後の番組表はただ番組を並べたようなお堅い感じに様変わりしていた。
「それまで俺らみたいな年代向けの番組とかを中心に放送していたはずが、社長が交代したとたんに自分好みの番組で固めようとして、それまでの番組をどんどん終わらせていったんだ」
レンディアールでラジオ局を作るのにあたってこっちのラジオの歴史を調べているとき、たった2ヶ月で終了して、それからしばらく経って別の地方の局で再開した番組を見つけた。どういうことなんだろうって調べたら、とんでもない内幕があって……
「おなじきょくなのに、ないよーがぜんぜんちがうです!」
「外国の音楽を紹介する番組も、KUWAII-3のようなアイドルがやってる番組も、お昼のほのぼのとしたトーク番組も全部打ち切り。社長の好みに合わない音楽は流すことさえ禁止で、あとは社長好みに染められて独裁の完成ってわけさ」
「そんな……そんな馬鹿らしい話が、あってたまるか!」
「やっぱりそう思うよな」
「あったりまえです! ばんぐみはみんなのものなんですよ!」
「ピピナの言うとおり。でも、反対したところで末路は放送現場からの追放だ」
「蛮行以外の何ものでもないではないか」
「本当に蛮行なんだよ……」
怒るピピナと呆れるルティに、ため息をつきながら同意するしかない。
これでもかなりはしょっていて、1年で20本以上の番組を打ち切ったり、何故か社員を自衛隊で研修させたり、反抗したアナウンサーを全く別の仕事へ異動させたりと本当にやりたい放題。さすがに火に油な内容だから言わなかったけど、掘れば掘るほど本当にひどいとしか言い様がなかった。
「結局は社員が大量にいなくなったり聴く人が少なくなったりして、経営も倒産寸前まで行くほどの大失敗。会長になってもやりたい放題だった元社長は追い出されて、ようやくめでたしめでたし……なんてはずもなく、立ち直るまでに長ーい長ーい時間がかかりましたとさ」
「それはそうだろう」
「やりすぎですよ。あまりにもおーぼーです」
当然だ、とばかりに腕を組んでぷんすかと怒るふたり。
これまでは楽しいことや面白いことばかりを教えてきたけど……今が、その機会なのかもしれない。言うのは心苦しいけれども、これもラジオ局のひとつの現実だから。
「こんな風に、放送局はちょっとしたきっかけでもどういう方向にだって転ぶ。今は大きな放送局を例に出したけど、小さなコミュニティFM局でもこういうことは起こるんだ」
「どーゆーことです?」
「東都放送みたいに大きなエリアをカバーする放送局だと、広告の見返りにお金を出してくれるスポンサーはそれなりにいる。でも、市とか町みたいな小さなエリアのコミュニティFMだとスポンサーはぐっと少なくなるから、もしトラブルが起きたりしたら……どうなると思う?」
「……信用を失い、数少ない〈すぽんさー〉は去ってしまう?」
「その通り」
「ほ、ほーそーきょくはどーなっちゃうですか!?」
「収入が減って、資金が足りなくなれば番組を終わらせないといけない。それが続けば、局の経営自体が立ち行かなくなって……最悪、放送局自体が消えて無くなる」
「そんな……」
言葉に詰まりながらなんとか言い切ると、ルティもピピナも表情を曇らせる。
見ていて、心が苦しい。でも、放送局を作るからにはどうしても直面することだから、続けなくちゃいけない。
「実際にあったことだし、今も起きているんだよ。スポンサーさんといい関係を築いていたスタッフがいなくなってこじれたり、よかれと思ってやったことが実は法に触れていたり、放送局がある市とか町の事情が変わって、援助が打ち切られたりして。この10年だけでも、少なくない数の放送局が無くなっているんだ」
「なくなっちゃうって、それまできこえていたおとがぜんぶなくなっちゃうってことですよね……」
「それは……我らが作ろうとしている〈ほうそうきょく〉にも言えるということなのだな」
「ああ」
ただただ困惑しているルティへ、きっぱりとうなずく。
本当なら否定したいけど、「無い」なんて言い切ることが出来ないことだから。
「作り始めの今は興味を持ってもらえてるけど、聴いてくれる人や手伝ってくれる人たちの信頼を傷つけるようなことがあれば、ありえないことじゃない。たとえ放送を続けることはできても、誰も聴いてくれなくなったら……」
「先程の輩のように、ただの独りよがりになってしまうというわけか……」
「もちろん、そんなことがないとは思いたいけどさ」
「ないとおもいたいし、それだけはぜったいにしちゃだめですっ」
ルティとふたりしてため息をついているところに、ピピナが必死に訴えかけてきた。
「なにかがあったら、ちゃんとみんなでいっぱいいーっぱいおはなしするです。こまったことも、まよったことも、ぜんぶ、ぜーんぶ。そうすれば、きっとなんとかできるはずですよっ!」
ガラステーブルの上で身振り手振りをしながら、小さな身体でピピナは俺らへ一生懸命に伝えようとしている。
最初の頃はめちゃくちゃ険悪で、それでもたくさん話し合うことでわかり合えていった。あんなりピリピリしていたリリナさんとの仲も、危うくなりかけていたアヴィエラさんとの仲も、話していくことで乗り越えていって。
「くくっ……あははっ」
「なっ、なんでわらうです!?」
「いやいや、すっげー説得力があるなって思ってさ」
こんなに頼りになる友達が、そばにいる。それがなんだか嬉しくて、すげえなって思って。
「あれだけ仲が悪かった俺らが、今じゃこんな風に話し合えてるんだ。それに、ピピナのおかげでどんなに助かってるか」
「うむ。こうして我らのそばにいてくれて、しっかり言葉で伝えてくれることが本当にありがたい」
「さすけ、ルティさま……えへへっ」
ルティとふたりで言葉にして伝えると、ピピナは照れたように笑ってくれた。
そうだよな。ちゃんと言葉にして、ちゃんと伝え合えればいいんだ。まだまだ始まったばかりなんだし、いっしょにラジオ局を作ってくれる人たちもたくさんいる。壁にぶち当たったら、ちゃんとみんなで話し合って行こう。
「今はまだ、こういうこともあるって覚えておけばいいかな」
「そうだな。我も心にしっかり留めておこう」
「おわることがあるなんてしらなかったから、ピピナもわかってよかったです」
「どうしても耳にすることだからなぁ」
さっきまでの重苦しい雰囲気が、ピピナをきっかけにして一気にほどける。
うん、やっぱりピピナは本当にルティの守護妖精だよ。
「耳にする、といえばひとつ気になったのだが」
「ん? どうした?」
軽く身を乗り出したルティに合わせて、俺もちょいと前のめりになる。
「先ほど、くわいーすりーの〈ばんぐみ〉が終わってから、何やらしゃべって静かになったようだが、あれはなんだったのだ?」
「なんかしゃべってた……ああ、クロージングのことな」
「くろーじんぐ……これも『おしまい』ってことですか?」
「そうそう。でも、これは一旦お休みするだけ。さっきのアナウンスどおり、5時になればまた放送が始まるんだ」
「では、その〈おやすみ〉は何のために行うのだ?」
「まずひとつは、メンテナンス……設備の点検のため。ほら、ここを見てみろ」
もう一度、今度は春側の番組表を開いて関東地方にある東都放送、関東放送、レディオジャパンの番組表をぱらり、ぱらりと時間をおいてめくっていく。
「日本のラジオ局の多くは、こうやって月曜日の朝5時から次の月曜日の朝1時とか2時ぐらいまでずーっと放送するんだ。その分放送用の機械に負担がかかるから、故障しないように点検する時間が必要で、いったん放送を止めるってわけさ」
「そんなに長く稼働させれば、確かに機械へかかる負担は大きかろう」
「壊れたりしたら大騒動だし、実際に壊れて影響が出ることだってあった。あとは、深夜の放送をやらないで毎日5時か6時ぐらいまで放送を休止させるって方針の局もある」
今度はちょっと進んで、別の放送局の番組表が載ってるページを開く。さっきの放送局は24時間分の番組表だったのが、こっちは月曜日から日曜日の全日で、午前6時から午前1時までの19時間分だけになっている。
「へー。それぞれのらじおきょくで、いろいろちがうんですね」
「『深夜放送をやらないといけない』なんて決まりも別にないしな。それで、休止をする前には『今日の放送を終わりますよ』って意味合いでクロージングを流すわけだ」
「そのための〈おやすみ〉宣言なのだな」
「ああ。このクロージングってのも、局それぞれで違って面白くてな。んーと、この時間だったら……ああ、あの局がいいかな」
いろいろ話してたら2時前になってて、ちょうど頃合いの時間。後ろを振り向いた俺は、コンポの電源を入れてからAM波にして『関東放送』の周波数に切り替えた。
『メイプルマートが、2時をお知らせします』
途中から始まったCMがすぐ終わって、ぴ、ぴ、ぴ、ぽーんと時報が鳴る。そのあと、一瞬の静けさがあってからアナログシンセとドラムが鳴って軽快な曲が始まった。
夜の2時な上に、放送終了なのにアップテンポの曲は底抜けに明るくて、時々入る優しい鐘の音のようなシンセの音色も心地いい。
「……歌?」
「そう、歌だ」
イントロが終わって流れ始めたのは、女の人の歌声。とても張りのある元気な歌声で、シンデレラや桃太郎のような童話の主人公や、徳川家康のような歴史上の人物が様々な音を『聴く』シーンを歌い上げていく。
親父が言うには、25年前から変わらない伝統のある局の歌――『ステーションソング』。オケといい歌声といい昔っぽさを感じるのに、軽やかな歌声といろんな人を繋げて『聴いて』ゆく歌詞は、ついつい耳を傾けたくなる。
『間もなく、皆様とのひとときのお別れでございます。今夜も、遅くまでRKS関東放送をお聴きくださりありがとうございました』
1コーラス目が終わったところで、今度は女性アナウンサーがゆっくりとクロージングのあいさつを読みあげていく。
『お聴きのRKS関東放送は、このあとしばらくお休みをいただきまして、朝の放送はいつものように午前5時から開始いたします。それでは、どちら様もごゆっくりお休みなさいませ』
わかばシティFMのものに近い原稿でも、声色はまったく違う。優しく明るいアナウンスは曲調にとてもフィットしていて、聴いているだけでこっちも楽しくなる。
2コーラス目に入ると、今度は『金の斧と銀の斧』のきこりに『鶴の恩返し』の鶴、そして石川啄木が聴いた『音』を歌い継いでいく。
「おとぎ話に出てくる『音』か」
「あっ、たしかにそーですね」
日本語を勉強するために絵本を読んでいたからか、ルティとピピナがその歌詞に反応した。なじみ深い物語のおかげでわかりやすいのも、この曲のらしさかもしれない。
『明日が聴こえる ラジオはアール・ケー・エス♪』
曲は明るいまま終わりを迎えて、歯切れのいいアウトロへ。そのまましばらく無音かと思ったら、今度は同じアナウンサーの声で落ち着いた声が聴こえてくる。
『お聴きの放送局は、周波数954キロヘルツ。出力、100キロワットでお送りしました。アール・ケー・エス、関東放送ラジオです。ジェイ・エー・アール・エックス』
そして、今度こそ音が途絶える。これで、関東放送の今日の放送は終わりを迎えた。
「おお……なんともゆかいな歌だ」
「『おやすみなさい』のはずなのに、なんかたのしくてわくわくしちゃうですねっ」
「俺も、前に聴いてた番組があったときはこれも含めて録音してた。ついつい聴きたくなるんだよ、このクロージング」
「我も同感だ。日々様々な音が物語を紡ぐからこその『聴く』歌なのだな」
「おおっ、なかなかいいこと言うじゃん」
「そ、そうか?」
『音の物語』ってのは、なんともルティらしい呼び方だ。ルティもピピナもお話の世界から飛び出してきたようなものだから、その張本人の言葉には説得力があった。
「さすけ、さすけ。あの、もしかしたらなんですけど」
と、ガラスのテーブルでちょこんと女の子座りをしているピピナが両腕をぶんぶんと振ってみせた。
「いまのが『おやすみなさい』のあいさつっていうことは、あさはやくにきこえてくるのは『おはよーございます』のあいさつってことですか?」
「ああ。ピピナは聴いたことがあるのか?」
「こっちであさはやくにおきると、ときどききこえくるですよ」
「そのとおり。放送休止から明けて朝に流れてくるのは『オープニング』って言って、ここから次の1週間が始まるんだ」
「《らじお》も、終わりと始まりのあいさつが大事ということなのだな」
うんうんと、納得したようにルティがうなずく。そのまま顔を上げて見開かれた目には、強い意志がこもっていて――
「よしっ、我らもその『おーぷにんぐ』と『くろーじんぐ』とやらを作ってみようではないか!」
好奇心たっぷりに、楽しげな提案を出してきた。
「そうするか。オープニングを朝の鐘に繋げて、クロージングは21時の放送終了のときに流せばいいし」
「うむっ。我としても、聴いてくれた皆にはおはようとおやすみのあいさつをしたい。我だけではなく、皆が日替わりでやるというのもいいな」
「いーですねいーですね! ピピナもやってみたいです!」
「おうっ、どんどんやっていこうぜ」
ふたりの楽しそうな申し出に、こっちまでついつい提案したくなる。これくらいなら簡単に付け加えられるし、なによりふたりが言うように街のみんなへの『おはよう』と『おやすみ』のあいさつっていうのがとてもいいと思う。
現実的にひとりひとりへあいさつすることが無理でも、ラジオならきっと聴いてくれた人たちに届くはずだから。
「こうなれば、〈おーぷにんぐ〉も聴いてみたいものだが……さすがに、サスケはそろそろ寝たほうがいいだろう」
「あー。まあ、いいんじゃね? 話してたら眠気なんてすっ飛んじまったし」
「む、そ、そうなのか?」
「おう。真面目に話してたら、すぽーんってな」
ラジオのことをふたりと話していたらだんだん昂ぶってきたし、深夜のせいかテンションがおかしなことになっている。このまま寝たって、すんなり寝付けるわけがない。
「こうなったら、とことん付き合うよ」
「でもさすけ、あしたはがっこーがあるんですよ?」
「いーのいーの。オープニングが終わって1時間ぐらい寝れば――」
「よくありません」
ぱたぱたとふたりに手を振ってると、真横から俺ら以外の声が割り込んでくる。
「まったくもうっ、こんな時間まで」
「り、リリナ、さん?」
たしなめるような声色にゆっくりと顔を上げると、髪を下ろしたパジャマ姿のリリナさんが腰に手をあてて困ったように笑っていた。
「まさか、こんな夜半まで話し込むとは」
「す、すいません。あの、どこから聞いていました……?」
「サスケ殿が〈ばんぐみひょう〉を広げ始めた頃からです。ただごとではないと思い、姿を消して見守っておりましたが――」
うわっ、結構最初のほうじゃねえか。
「結果として大事なお話だったとはいえ、さすがにこの時間となりますと」
「す、すまぬ。我がサスケへねだってしまったのだ。サスケは何も悪くない」
「ピピナもですっ。サスケはなにもわるくないですよっ」
「その点はわかっております」
リリナさんは安心させるようにルティへ笑いかけると、
「ピピナの言葉、私も心に刻んでおこう」
「ふぇっ」
ピピナの頭を、そっと優しくなでた。
「話し合いはとても大切。ピピナの言うとおりだ」
「えへへっ、そうですよね」
そっか。リリナさんも、さっきの言葉を聞いていたんだ。
最初は驚いたピピナも気付いたのか、リリナさんの手のひらへうれしそうにほっぺたを寄せていた。妖精さんの姉妹なだけあって、ふたりとも可愛らしい。
「さて」
しばらくそうしていたリリナさんは、俺へ向き直ると、
「サスケ殿」
「は、はいっ」
「睡眠時間が短すぎるのは、さすがに差し障りが出るかと」
「ですよねー……」
やっぱり、そう言われるよなぁ。
「しかし、皆様方のお気持ちもわかります。ですので、〈おーぷにんぐ〉を聴いてから時間を凍らせ、ヴィエルで8時間ほど眠っていただくというのはいかがでしょうか」
「い、いいんですか?」
「もちろん。大切なお話だったのですから、お礼ぐらいはさせてください」
「リリナさん……」
お小言を言われるんじゃないかと覚悟していたら、リリナさんはふたりへ向けていたのと変わらない笑顔を俺に向けてくれた。
俺の言葉、リリナさんにもちゃんと伝わっていたんだ。
「そうだな。リリナには負担をかけてしまうが、サスケにはしっかり休んでもらいたい」
「ピピナもおてつだいするですよっ。ちほおねーさんのあさごはんまでにもどればいーんですよね?」
「ああ、そのくらいの時間でいいだろう」
せっかくの3人の心遣いを、無駄にはしたくないから、
「それじゃあ、お願いします」
「はいっ、承りました」
リリナさんからの申し出を、ありがたく受けることにした。
それからはオープニングまで、父さんのライブラリからいろんな局のクロージングを持って来て聴き比べたり、番組表をみんなで見ながら話し合ったり。
こうして、みんなでラジオのことで語り明かすのもいいのかなって……そう、思えた。
今回改稿するにあたって、大きく悩んだのが今回の「廃局」のお話になります。
改稿前のバージョンはソフトで行こうと思い言葉を濁していたのですが、書いていてどうしても不自然だったのと、ここ5年間で7局が閉局・廃局し、さらには県域のFM局までもが廃局に陥ったり、設備更新コストの関係から多くのAM局がFM局へと転換する動きが出ていたりと大きな変化があったことから「いくら物語だとしても、ラジオ局・ラジオ番組づくりのことを書く以上はどうしても避けられない」と判断し、ずっと頭を悩ませていました。
聴いていた番組が終了するだけではなく、その局自体が無くなってしまう。ラジオの電源を入れてかつてあった周波数に合わせても、聴こえるのはノイズだけ。いくら事情があるとはいえ「もう二度と聴くことが出来ない」というのは、どうしても寂しいものです。
かといって、高校生である佐助や、ラジオに触れ始めて間もないルティやピピナにそう突っ込んだ話をさせても不自然なわけで。あれこれと匙加減を悩んだ末に、ある程度ソフトな着地にした次第です。




