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高山駅

 しばらく山深い中を進み、車窓も緑ばかりだった。腹も減ったし時間もあるので、買っておいたます寿司を食べた。しばらくすると線路沿いには住宅が見え始めた。坂が折れ曲がって、上の方に神社が・・・これ、どっかで見たな。そうだ、アニメ映画の舞台。

 止まる駅から人が乗ってくるようになってきた。旅行気分だったのが、だんだんと日常生活の匂いがしてくる。通学中の高校生も見かけた。そして、かの有名な飛騨古川駅に到着した。ここは、「君の名は。」の聖地である。アニメの中にこの駅が出てくるのだ。


 そうこうしているうちに、高山駅に着いた。電車を降りると、そこは新しい駅舎。外もモダンな雰囲気になっていた。旅行客も多い。飛騨高山と言えば、日本の名所の一つである。

「さて、まずは高山ラーメンを食べなくちゃな。」

駅舎を出たところで、俺は伸びをしながら言った。

 あらかじめ調べておいた店に向かう。碁盤の目のように道がまっすぐ伸びていて、この先には古い町並みがあるのだ。その途中で、高山ラーメンの店を見つけ、入った。時刻は12時45分。並んではいなかったが、中は一杯だったので、少し座って待ち、5分ほどで座席に案内された。

「中華そば二つ。」

そう注文し、待つ事10分。ラーメンが二つ運ばれてきた。出汁のいい香り。まずは写真をパチリ。俺は取材だから当然だが、綾瀬も写真を撮っていた。

「インスタにでも載せるのか?」

俺がそう聞くと、

「あ、いえ。記念に。あと、念のために・・・。」

なるほど、一応取材の補助をしようとしているわけだ。

「まあ、食え。」

そう言っておいて、まずは俺が箸をつける。

「お、これはあっさり系だな。」

「そうですね。高山ラーメンって、こういう感じなんだ。」

「美味いけど、物足りなさもあるかな。」

「僕は好きですよ、こういうの。でも、こってりが好きな人には物足りないでしょうね。」

とか何とかいいながらぺろりと平らげた俺たちは、10分も経たぬうちに店を出たのだった。


 橋を渡ると、徐々に風情のある家並みが現れ始めた。この辺りは「古い町並み」と言われていて、江戸時代にでもタイムスリップしたかのようだ。が、道路はアスファルトだし、時々自動車が停めてあったり、当然ながら電線があったり、何と言うか・・・アンバランス。だが、それもまたいい。

「おい、牛まんが売ってるぞ。」

「ほんとだ。」

「一つください。辛い方で。」

俺はとっさに一つ買った。500円もするが、中には飛騨牛が入っているのだ。俺は手で半分に割って、袋に入っている方を綾瀬に渡した。

「いいんですか?ありがとうございます。」

綾瀬は少年のように、嬉しそうに受け取った。甘辛いあんの味。そして、牛肉の贅沢な味わい。

「美味いな!」

「美味いっすね。」

ラーメン一杯では少し物足りなかったので、これでちょうどいい。この牛まんも小説に登場させよう。


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