6/7
サドンリブ 3
「実際、俺は、やるべきことをやって、様々なシーンで助けたり助けられたりして、今の俺があると思っている。
で、満ち足りていると思うだろ?
口説いようだが、実際、そうなんだよ。
だけどな、今日、お前とシャ場に繰り出せば、(欲しい…!)と思う物は、やっぱりあって、スレ違うスタイルの良い女性を自然と見ちまう自分がいるわけさ。
お前にだから、こんなことを言う。
そして、自分に言い聞かせるように今、言うが人間なんて欲には切りがなくてさ…
でもな、俺は、腕時計も、欲しいと言えや、欲しいが家族の幸せが何よりで、やり過ごせそうなんだよ。
俺は、お前という人間は、ホントに、あと一歩なんだと思う。
ほら、お前、恋人が欲しい、家族を持ちたいみたいなことをいつも盛んに言うだろ?
本当に欲しいものがあるなら、血に飢えた狼にでもなった気分で手を伸ばして、そして、掴んでみろよ!!
お前は、手を伸ばしてはいるが掴みきれていないんだ。
俺は、今の自分のアラユルことを守るために多少、我を通すことには揺るぎない部分があってさ……その報いとして、それが、いつか自分にバーッって降りかかってくるんじゃないか?!?って
内心、ハラハラしてるぐらいだよ…。」
そう言い終えると彼は、自分の視線を車窓の外に向けた。




