年越し新スタイル
新年早々こんなことを書くのはどうかと思うのだが、
私は正月(特に大晦日から元旦にかけて)の雰囲気が苦手だ。
今年も1年が終わるねぇなんてぼーっとしているかと思ったら、突然ハッピーニューイヤーだなんだのと騒ぎ出すからだ。慌ただしくて心が乱されるし、正直年が変わったから何なのだと思う。私という人間は何も変わっていないのに。
そんな周囲から見れば冷めた気持ちを抱えながら、とりあえずは浮かないようにと、紅白を見ながら年越しそばを食べ、カウントダウンをし、あけましておめでとうの挨拶を交わすという正月の儀式を26年間こなしてきたのだが、今年とうとう離脱した。
夜ごはんを早めに済ませ、部屋で布団にくるまりながらHuluでアイドル番組を見ながら過ごす、自分本位の年越し新スタイル。足元には、これまた正月に興味のない我が家の愛猫が丸くなって寝ている。相変わらず気が合う猫である。
可愛いアイドルと愛しい猫の寝顔、あたたかい布団。「最高…」と思わずつぶやき、にやけた。至福の時間を過ごしているうちに、気づいたら年が明けていた。
傍から見れば可哀想に映るかもしれない私の年越し。でも、年を越しの瞬間、静かで地味だけど、きっと私は幸せだったと思う。サーモグラフィーで測ったら、カウントダウンをしてはしゃぐ人たちと同じくらいの心のあったかさだっただろう。
世の中みんなと同じである必要はないのだ。それよりも、自分が幸せでいられる方が大事である。そんなことを教えてくれた年越しであった。