第一話「『外』からの来訪者」
魔界、誄豆市。
魔界東部の中心都市にして、魔界第2の年の座を舞雪特別区と争い続ける大都会である。
幻想郷・博麗神社と神綺魔界城市・魔界城を結ぶ神綺街道と、最近開通した誄豆市・誄豆JCTと夢幻世界・来見JCTを結ぶ幻夢魔界自動車道の分岐点として、最近は中心部だけでなく西部の再開発も進む。
そんな誄豆市から、神綺街道を東方、博麗神社方面に向かう女性の姿が。
「んーっ、久々に人間界に行くわね…楽しみっ♪」
彼女こそ、ルイズ・マーガトロイドその人である。
ルイズは旅好きの魔界人。同じ魔界人のマイユキやサラ、アリスなどには「ルイ姉」と呼ばれ慕われている。
そんな彼女が神綺街道を歩いていると、何かを見つけた。
「あら?…旧型の…バス?幻想郷から来たのかしら…?
──いや、違うわね。サラちゃんが通すとは思えないし、ナンバーが『諏訪』…
それに、中にいる人、魔界人じゃなさそうだけど幻想郷の人間にしては服が変ね…
……まさか、『外』から魔界に迷い込んだっていうの…!?」
ルイズはそれに近づく。手馴れた感じで車内に入り、声を掛ける。
「貴方、大丈夫?話せる?」
「んぅ… はっ!? お、お客様、どうされましたか!?」
「…私は客じゃないわ。それより、貴方、魔界の人?」
「まかい…?」
「じゃあ…幻想郷?」
「…げんそーきょー?」
「あぁ…分かったわ。……これから私の話すことは、ちょっと衝撃的かもしれないけど…一旦落ち着いて聞いてね?
──ここは、魔界。貴方の住む世界とは違う、言わば【異世界】ね。貴方はこの魔界に迷い込んでしまったみたいなの。
…私はルイズ。通りすがりの魔界人よ。…貴方の、名前は?…って書いてあるわね。優斗さん…でいいのよね?」
「は、はい…」
「ふふ、混乱してるわね…。そりゃあ誰だって突然『貴方は異世界に迷い込んだ』なんて言われても困惑しかしないもの、無理もないわ。
とりあえずここじゃ何だし、私の家に来なさい?ゆっくり休んでいくといいわ。
あぁ、運転なら慣れてるから大丈夫よ。優斗さんはちょっと休んでなさい?
…ん?家?ここからすぐよ。1kmくらい先、誄豆市の東細目って所にあるから。どうせ私の他に誰も居ないし、私に任せなさい♪」
5分ほどで、ルイズの自宅に到着する。かなり大きな一軒家で、本当にルイズ1人で住んでいるのか疑問に思えるほどである。
「入っていいわよ。…緊張してるの?」
「ええ…まぁ。」
「緊張しなくていいのよ♪もっとリラックスしなさい?」
「は、はい…」
「もう、硬っ苦しいわね…ほら、タメ口でいいから。どうせ住むところもないだろうし、正直この家1人じゃ広すぎるし…暫くここに住むといいわ。ね?」
「…わ、分かった…ありがとう…!」
「どういたしまして♪
じゃあ、とりあえず状況の整理をしましょう。
…でもまだ落ち着かないでしょう?落ち着くまで、そこのベットで横になってなさい♪」
案内されたベットに体を預ける。
寺島は深い眠りに落ちていった…
これも次回はまだ未定です。
…夢幻少女日記シリーズ共々かなり気まぐれな更新になりそうです。しばしお待ちを。