んんん??
ブックマークなど、ありがとうございます!
なぜ、私が自分の態度を改めようと思ったのかと言うと、あの『フラワーロマンス』というシナリオ通りに進む訳にはいかないからですわ。最終的に国外追放なんて、嫌ですもの。無理なものは無理、という事です。それならば、私自身が変わる他ないでしょう?これまでの私とは考え方を分かつべき、そう思いましたわ。
態度を改めてみるとあら不思議、使用人達の顔が面白いほどに驚いてくださいます。まあ、『あのララリア様がお優しいなんて、逆にコワイ!』みたいな視線をひしひしと感じておりますが、良いですわ。これから慣れていただきます。もう過去の私ではなくってよ。
それにしても・・国外追放など本当に起こるものなのでしょうか?
あの流れ込んでくる叫びがあまりにもリアルで、前世に関しても信じてしまってはいますが、将来の事など誰も預かり知らぬが常。乙女ゲームなるものも含めて全てが高熱に浮かされて出来上がった虚像のようなものなのではなくて?そんな風に考えてしまうと9歳児の私にとってはそれが正解のように思えて、考え方や態度を改める~なんていうのも馬鹿馬鹿しい茶番のように感じてしまいましたわ。
「そうよ。所詮は夢。シナリオなんてこの世には存在しませんわ。あの時は必死になってしまったけれど、私はララリア様よ。なにも恐れる事などないわ」
そんな風に考えてしまえば使用人への態度も元通り。傍に控える侍女は態度は変えないものの『なんだ、お嬢様の気まぐれか』と言うような雰囲気を醸し出しておりましたわ。
「それにしても1日中ベッドの上というのも暇ね。さっきまでお医者様に検査という検査をされてはいたけれど私自身は何もしていないし。まあいいわ、もう寝る事にするから、あなた達はさがりなさい」
侍女達にそう言うと、形だけの礼をとって彼女達は部屋から出ていきましたわ。
特別疲れたという訳でもない1日を終え、ララリアは眠りについた・・。けれども、眠りについたはずのララリアの頭の中に、昨日と同じような映像が流れていた。そしてその映像はララリアの前世であり、乙女ゲームなるものも真実であると、ララリアに訴えているようであった。昨日ふーーん、なるほど。なんて半分聞き逃していた部分までじっくりと、特に乙女ゲームなるもののいくつもあるストーリーは最後、所謂エンディングまで、それはもうじっくりと頭の中を巡った。まるで『信じるまで逃がさない』とでも言うように。夢の中であるはずなのにずいぶん疲れたとララリアが思っている時、あるエンディングが頭の中を巡った。そしてその内容にララリアは驚愕した。昨日の叫びで、信じ切る事はできなかったものの、余命宣告と国外追放は分かっていた。ただ、ソレは知らない・・私がアレになるというの・・・?意味が分からない内容が頭の中を駆け巡っていたが、道理というべきかアレへの経緯は理解できた。いや、ソレは無理でしょう。無理というかダメでしょう・・。これこそ本当に起きてしまえばタダじゃすまないはずですわ、これはどうにかしないといけませんわ・・。そんな気持ちにならざるを得なかった。そしてそんなララリアに対して1つの光が差し込んできた。アレに対抗するための方法も、ストーリーが導いてくれたのだ。もう・・分かったわ・・・今度こそ信用する・・アレは絶対に嫌・・・。そんな風に思った時、すでに朝を迎えていた。
今度こそ、私は夢の中であるはずのシナリオを信じなければいけないようですわ。
だって・・・
「アレは、無理よ。私の人生が物理的に終了してしまうって事でしょう?」