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噂その⑦『観覧車から聞こえる声』

タクヤ達の今日昨日


【8時00分】集合・弁当を買う


↓バイクで移動中


【11時55分】裏野ドリームランドに到着


↓写真撮影・作戦会議


【12時45分】ジェットコースターへ


↓ソウスケを外に出す


【19時10分】ソウスケと合流


↓食事・ジェットコースターの破壊


【20時20分】アクアツアーへ


↓里村と出会う・休憩


【20時50分】ミラーハウスへ


↓里村再起不能・ソウスケ食事


【22時15時】ドリームキャッスルへ


↓アオツメグサで傷を癒す


【1時50分】治癒完了・メリーゴーランドへ


↓木村夢再起不能


【3時00分】2人はついに最後のアトラクションへ




ありえない頭脳とーーー


ありえない筋力とーーー


その2人は、『大人に出来ないことが出来る』





最終アトラクション:記憶を失う観覧車



ポンッ


ソウスケ「メリーゴーランドのスタンプゲット」


タクヤ「さて…行くか!」






“出して…出してよ…”



“ここから…出してよ…”









ソウスケ「なあタクヤ」


タクヤ「何だ?」


ソウスケ「俺らが攻略した『鉄の処女』だがよ」


「もしかしてあんな感じで観覧車も…」


「さあなぁ…だが、」


「今回ばかりは『何を解いていいのかわからない』」


ソウスケ「何ってそりゃ…声の正体じゃねえのか?」


タクヤ「…誰もいるはずのない所に何故いるのか」

「という線もある」


ソウスケ「…うーん…」


タクヤ「どちらにしろ、『誰かと出会う事になる』」


「…というか、観覧車はまだなのか?」


ソウスケ「まただな」


「ここは開園してた時、『シングロート』と呼ばれていたらしい。アトラクションとアトラクションの間には今までは『出店』があったが…」


「この道は、それに加えて『パレード』の道でもあったそうだ」


タクヤ「だから長いんだな」


「まあアオツメグサの力で体力はあるけど…」


「変に疲れたくないかな」


ソウスケ「全くだぜ」


「だがまあ、次で最後だしよ」


「走ってこうぜ!」


タクヤ「ええ…やだな…」


タツタタタタタッタタタタ


ソウスケ「おらータクヤん!」


タクヤ「たくあんみたいだな」


ソウスケ「早く来いよー!」


「先に謎解いちまうぞー!」


タクヤ「おいちゃんと前を…」


ドンッ

なんの音か説明するまでもない


ソウスケ「『俺が何かにぶつかった音』だぜ〜」


ガクッ


タクヤ「いやガクッじゃねえ」


ソウスケ「一体何にぶつかって…」


2人「…⁉︎」


タクヤ「まさか…!」


そう。

2人の考えは一致していた。

そして『正解』していた。


ソウスケ「ここが『観覧車』‼︎」


タクヤ「…と、いうことは…」






謎の少年「出して…出してよ…」





『ここから』



『出して』






『出して‼︎』




タクヤ「…⁇⁉︎⁈⁉︎‼︎‼︎!??????!!?!!!?!???!!!!!!!???!!??」


ソウスケ「まさか…本当に『居た』のか!」


タクヤ「そんなことはもうどうでもいい‼︎」


「この少年は‼︎」


「こいつは夢ちゃんと同じくらいの歳か…⁉︎」


「『銃を使えるんだよなあ⁉︎』」


ソウスケ「え…?」


「タクヤ、何も決まったことじゃ」


タクヤ「違う!こいつは!」


「既に俺に銃口を向けてるんだ!」


バギュン‼︎


「くそっ‼︎」


ババッ


ドスッ‼︎


「ぐあああああああああああああああああ‼︎」


アオツメグサはもう無いのに‼︎


「このクソガキいいいいい‼︎」


ソウスケ「待てタクヤ!」


タクヤ「…」


ソウスケ「撃つのは待て」


「そいつの狙いはそこだ」


「お前は今、銃弾が観覧車の壁を貫通したのを見て、銃で反撃しようとしただろう!」


タクヤ「…」


ソウスケ「それは得策じゃない」


「扉をよく見ろ!」


「ベコベコに凹んでいるだろう!」


「お前が撃とうとしたのは防弾の壁だ!」


タクヤ「なに…?」


「そうやって『ちゃんと留めをさす』ために開けて貰おうって算段だったんだ!こいつは!」


「外側から開ける方法を知らないようだからな!」


謎の少年「チッ…」


タクヤ「…アオツメグサは、空腹を解消することはできないが、空腹による体への悪影響は打ち消せる」


「それでこいつは生き延びたのか…」


ソウスケ「こいつをどうするかは置いといて、この中にアオツメグサがあるならそれを使おう!」


タクヤ「⁉︎待て!矛盾していないか⁉︎」

「銃弾は確かに貫通したのに、扉に穴が一つも開いていないのはどういうことだ⁉︎」


「いやそもそも、なんで防弾の壁を貫通するんだ⁉︎」


ソウスケ「痛みで気づかないか!タクヤ!」


タクヤ「…!」


「里村さん…!」


「…の、死体?」


ソウスケ「さっき俺が足を撃った!」


「あの人はもう動かない!」


タクヤ「里村さんが俺たちより先回りして…」


「部屋の影から撃ったのか!」


ソウスケ「さあ…この部屋を開ければ!」


「チェックメイトだ!」


長かった2日も、これで終わる!


…勝負は一瞬!


ソウスケ「でやあああああああああ‼︎」


タクヤ〔この観覧車の謎は‼︎〕


〔空腹にある‼︎アオツメグサによって無視されてきたであろう空腹に‼︎〕


〔人間は、『我慢出来てしまう状態』にあるとき、それらのことより重要なことに目を向けてしまう〕


〔今の裏野ドリームランドは、アトラクションのどれかで必ずアオツメグサの存在を知ることが出来る。つまり、『持久戦』が可能、と頭に刷り込まれてしまう。だが、『健康に無理矢理なっている』状態は、そう長く耐えられるものではない〕


〔言うなれば、ご飯を点滴で済ましてるようなこと〕


〔そんな状態で、内側からでは絶対脱出出来ない部屋に閉じ込められたら…〕


〔普通は発狂する〕


〔だが、この少年もまた、裏世界の人間だ。〕


〔『そこをついたんだな、この観覧車は!』〕


〔発狂することに慣れている裏世界の住人は、食料問題を完全無視して脱出方法を探す。〕


〔だが、この観覧車の部屋からは、脱出不可能だ〕


〔防弾の壁に、防弾のガラス〕


〔取っ手の無い引き戸(刑務所でよく使われる)〕


〔脱出方法はない〕


〔ただひとつだけあるなら…〕


〔銃弾でへこんだ場所をボーリングのようにして持って、取っ手の代わりにする〕


〔だが、防弾の壁を片手で動かすには、相当な筋力がいる。並大抵のものじゃダメだ。〕


〔…夢ちゃんはほぼ3年間、筋力トレーニングをし、それでも『13歳女子』の『狭い空間で』したトレーニングでは扉は動かなかったので、最後の1発で自分の頭を撃ち、火事場の馬鹿力で突破した…〕


〔脳細胞が破壊され…アオツメグサの効果が出てきた時には記憶喪失になっていることがわかっていた夢ちゃんは…〕


“私は木村夢”


“殺人鬼にして、青いクローバーを守るもの”


“この紙を鳩に託して園外に飛ばす事”




裏野ドリームランド


警告:子供は消える


ジェットコースターで起きた事は個人で違う。


アクアツアーにはそこにいることが謎の生物がいる。


ミラーハウスに入ると、別人になってしまう。


ドリームキャッスルの地下拷問部屋に入るな。


メリーゴーラウンドは時々回る。

明かりはまるで血のように綺麗だ。


廃園になった遊園地、

人なんか誰もいない筈なのに…


私は期待してしまう。


誰かが観覧車の前を通ることを。


もしそんな時が来たら、

もし誰かが通るなら、


私は全ての恥と欲望を捨てる。


その時、私の声がするだろう。


私は小さな声で、


「助けて……」と、呟くだろう。




〔何も…してやれなかった〕


〔あのかわいそうな女の子に〕


〔当然の報いかもしれない〕


〔でも、これからは…〕


〔命の尊さを知ってしまったこれからは〕


〔彼女は正義となるだろう〕


タクヤ「行っけえええええええ‼︎」


「ソウスケええええええええええええええええ‼︎」


バギュンッ‼︎


バギュンッ‼︎



……





舞台は、静寂と血に包まれていた。









謎の少年の血に!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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