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噂その⑥『廻るメリーゴーラウンド』

ソウスケ「タクヤ〜何してんだー?」


「早く来いよー」


タクヤ「…ああ!」






ソウスケ「…そういえばよ」


「動く」


「…って噂にあったよな」


「メリーゴーランド」


タクヤ「明かりがついてある、とも書いてあった」


ソウスケ「でもよ…おかしいよな」


「メリーゴーランドだけ動いてるなんて」


タクヤ「確かに…」



『…なぜメリーゴーランドだけに電気がある?』



2人→噂のメリーゴーランドへ


シーン……



ソウスケ「…なんだ」


「光ってないじゃないか」


「怖がらせやがってよ」


タクヤ「…?」


ソウスケ「?どうしたタクヤ?」


「なんかあったのか?」


タクヤ「これは…」


「なんだ?」


ソウスケ「…んん…」


「『貯水タンク』じゃねえのか?」


「なんでこんなとこにあんだろうな」


タクヤ「本当に貯水タンクなのか?」


「暗くて中身がよく見えないな…」


ソウスケ「そりゃそうだぜ」


「もう深夜2時…ウシミツドキだぜウシミツドキ」


「『明かり』が無ければ見えねえっての」


「メリーゴーランドも光ってないしな」


タクヤ「…そういえば2時か…夜食を食べてなかったな。このハードな謎解き…いや、サバイバルは忙し過ぎだ全く」


ソウスケ「もう今食べようぜ〜」


「腹ペコだ腹ペコ」


タクヤ「だな」


ガサガサガサ




…おいタクヤ


なんだ?ソウスケ?


俺のツナマヨはどっちだよ


あ…わからん


どうするよ


一口食べればわかる


男と関節キスなんてごめんだぜ


それはこちらのセリフだ


…どーするよ




『松明』作ろうか


ちくしょう




ソウスケ「うおおおおあおおおあお」


「お待たせー!」


タクヤ「誰が丸太を引き抜いて来いと言った」




…できたー!


松明ー!


タクヤ「良し!」


〔ヤニが全く無いことはソウスケには黙っとこう!〕


ソウスケ「なあ見ろよタクヤ」


じゃん


自由の女神!


タクヤ「ふっ…」


ソウスケ「な、なんだよ…したかったんだよ!」


タクヤ「俺の辞典を貸してやる」


ソウスケ「タクヤああああああ(歓喜)‼︎」





ピカ…



ピカ…



ピカ…



タクヤ「…?」


ソウスケ「どしたん?」


タクヤ「今なんか…光ったような…」


ソウスケ「⁉︎メリーゴーランドか‼︎」


タクヤ「…行こう」


ソウスケ「ああ!」




グサ…!


ソウスケ「…え…?」


タクヤ「?どうしたんだ!何か異常か⁉︎」


ソウスケ「や…ヤバイぜ!」


「かなりヤバイ!」


「『格が違う‼︎』」


「お前さ…点滴うったことあるか⁉︎」


タクヤ「あるが…それがどうしたんだ⁉︎」


ソウスケ「その逆なんだぜ!」


タクヤ「何ッ⁉︎」


ソウスケ「『俺の足に刺さったチューブから』‼︎」


「『吸血』されている‼︎」


タクヤ「ちっ…『スフィンクス』か‼︎」


「ちょっと待ってろ!」


〔確かハサミを…あった‼︎〕


『辞典と文房具を持って来て良かった‼︎』


タクヤ「ハサミで切れるか…⁉︎」


ジャキッ


「…良し!」


「大丈夫か?」


ソウスケ「ぜんっぜん…!」


「『大丈夫じゃないんだぜ‼︎タクヤああああああ‼︎』」


「俺の体中に刺さって吸血してやがるー‼︎」


タクヤ「なんだってー⁉︎」


〔や…やばい!〕


タクヤは焦っていた。

かつてない試練に。

思えば今までのアトラクションは、簡単だった。


難しかったのは、1時間前のドリームキャッスルくらい…


だが、『これは格が違う』

『今までのアトラクションは罠だった』


『これもどうせ簡単だ』と心のどこかで思わせて、


引き込んで殺す


この裏野ドリームランド自体が

『そういう殺戮兵器』


…ということはまさか⁉︎









『俺たちは第1の謎すら解けていなかった‼︎』


『子供は消える』この言葉の裏の裏の意味を…


そうだ…よく考えれば…


『子供を消すことが出来る力』があるのに、

俺たちが簡単に攻略できるはずがなかったんだ!


そして…この裏野ドリームランドの正体は…



殺戮兵器の正体を知ること


薬物を吸引すること


捕鯨という犯罪を見ること


裏世界の人間と遭遇すること


死を身近に感じること


この中のどれか一つでもいい、

それを体験させることで、



『裏世界の人間にする』計画だったんだ…


アオツメグサを守る為に…!


なんて身勝手なんだ‼︎


タクヤ「そんなことは…」


「お前が死ぬ理由になんて、ならねえよな‼︎」


…考えろ!


このアトラクションの意図を!



『急にレベルアップする危機』

『吸血針』

『唯一の光』


これらから考えられることは…!









夢「貴方が終わるってことだよ」


ドガッ


赤い液体が、タクヤの頭部を染めていた。

そして、『彼女が持っている石』も…



は…



何…だと…




木村夢…




こんなに…早く…






復活する…なんて…






ソウスケ「タクヤああああああああああ‼︎」


夢「あひゃははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」


「あーあ…」


「死んだね」


ソウスケ「うわあああああああああああああああああああああああ‼︎」


「殺してやるうああああああああああああああああああああああああああ‼︎」


ブチッ‼︎ブチッ‼︎


夢「あれえ?よかったねえ!」


「メリーゴーランド攻略できちゃったジャーン!」


ソウスケ「こおおおおろおおおとすうああああああああああああああああ‼︎」


夢「やってみろや‼︎」


「お前みたいな喧嘩小僧に負ける暗殺者じゃ…」




これが、『暗殺者木村夢』との最後の会話だった。




…ドガッ‼︎


夢「…え?」


「は…⁉︎」



⁇「悪いな…」


タクヤ「背後から『暗殺』だなんて…な?」


夢「たぁ…」


「タクヤああああああああああああああああああああああああああああああ‼︎」


タクヤ「ありがとう。今まで。」

「出会った時みたいにずっと仲良くできたら…」


「どれだけ幸せだろうな」


「これが最後のアオツメグサだ」


「もし夢ちゃん…君がこれで生き延びられたら…」



「その時は友達として…」






「叱ってやろうと思う」


ドガッ

また、鈍い音がした


夢「な…何故!」


タクヤ「ああ、簡単だ」

「俺の背後はソウスケの真正面だ」


「真っ暗だからいけるとふんだんだろうが…」


「やはりまだ中学生…いや、義務教育を受けてないが」


「今は風も吹いて無いのに…『松明』の炎が急に揺らいだら?ソウスケだって気づく」


「そんで俺に『後ろに危機が来てます』と無言の主張」


「俺はソウスケに『解いた謎』を目線でレクチャー」


夢「解いた…謎…?」


タクヤ「圧倒的な諦めを経験させること」


「それが意図だ」


「一度諦めた人間はそうそう立ち上がれない」


「そうしてるうちに裏世界へ…と」


「そういうわけだ」


「『一切の疑心なく全力を出す』」


「どうやらお前は前にそれができなかったようだな」


「残念」


「じゃあな」


2人は、たいまつを持って、夢を放って置いたまま

そこを離れようとした。


夢「貴方達は…」


2人「…?」


夢「何かが違うかも…しれない」


「貴方達は一体なんなの…?」



2人「親友」


タクヤ「俺たちも、最初は殺し合いをしたかな…」


ソウスケ「…夢ちゃん、お前とは、気が合いそうだ」




2人「生きろ」



「友達になろう」



これが

不良道を通り越した

2人なりの、


絆の作り方だったのである。



夢「…うん…」




これが、『親友木村夢』との、最初の会話だった。

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