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事故現場
「どうです隊長。」
「報告のないように嘘はないな、すまなかったな。自分の目で見るまで信じられなくてな。」
「いえ、それよりどうしますか?これだけの惨事が起きながら、一切の痕跡はないようですが、」
「とりあえずは解析班の報告を待つしかないな。俺たちが何を言おうが所詮は正解のない推論。
脅威という事が確認できただけでも良しとする」
「確かに、そういえば確か隊長はこの国の出身だとか。どうです久しぶりにゆっくりされては、」
「そういう訳にはいかん、これだけの脅威を前に。とは言えうどんくらいは食っていくか。」
「兄者!」
「何か見つかったか?」
「隠れてた魔道協会の奴をとっちめたら、これをやった本人は神託委員会の管轄で、収容施設にだと」
「……嘘だな。末端にまでこの情報が来るものか、見え透いた真似を、とりあえずそちらの線も当たるが、俺たちは俺の勘に従ってもらう。
感じるんだよ、俺の本能が俺と同じ次元の存在を。
あそこから、いよいよ、島に行く時が来たようだな。」