ブライダルフェア。
「お料理は、せっかくだから、このコースでどうかしら?」
「そうですね。これなら皆さんにご満足いただけそうですね。怜羅、どう思う?」
「知らな~い。どうせ花嫁は食べられないんだもん。」
「またそんなこと言って。」
お互いの母親を引き連れてブライダルフェアに来ているのだ。
料理に関しては、新郎はともかく、新婦は食べていられないので、怜羅は無関心だ。
料理は母親コンビに任せて、怜羅たちは引き出物のコーナーに行く。
「こういう可愛い食器がいいな。」
「俺の友達にこんなの渡せねえよ。」
ピンクの食器を見て、智也が困った顔をする。
「これは?」
ブルーを基調にしたキレイめな皿のセットを指さす。
「お。これ、いいな。」
「ちょっと!あんた達。親戚の人、若い人ばかりじゃないのよ。」
母親コンビが乱入してきた。
「こういう、ずっと使えるものにしましょうよ。」
渋すぎる和食器を手にうなずく母親コンビ。
…そんな年寄り臭いの、友達に渡したくない!
「あの。親戚と友人で引き出物の種類を変えませんか?」
怜羅が提案するが、あっさりとスルーされる。助けを求めようとしたら、隣にいたはずの智也がいない!慌てて探す。早くしないと、決定されてしまいそうな勢いだ。
小走りに会場を探すと、シャンパンタワーに見とれている智也を発見。
「ちょっと!すぐ来て。」
びっくりしている智也を引き出物コーナーに連れ戻しながら手短に説明すると、智也がみるみるうちに怖い表情になる。
「お袋に文句言ってやる!」
「ちょっと、そんな…。」
「おい!そんな年寄り臭いの、友達の手前、渡せねえよ。親戚と友達は別々のものでいいだろ!俺たちの立場も考えてくれ!」
智也の一言であっさりと形勢逆転。怜羅の意見が採用された。
次は智也が怜羅を、シャンパンタワーやウエディングケーキのコーナーに引っ張って行く。
「どれも綺麗だよな。」
「そうだね。あ!鏡開きがある!」
「シャンパンタワーもいいけど、これもいいな。」
「でも、洋装で鏡開きってピンと来ないな。」
「和装も着るか?」
智也がニヤリと笑い、母親コンビを呼ぶ。
「鏡開きやりたいから、和装も着たいんだけど、衣裳、追加していい?」
「面白そうね。いいわよ。」
「怜羅の和装は見たいけど、ケーキカットして欲しいなあ。」
一同がシーンとすると、智也が笑顔で切り出した。
「多数決で決めませんか?お父さん方も巻き込んで。」
一同が頷いたので、二人がそれぞれの父に電話してみる。
「酒かあ。智也の好きにしていいよ。」
「そんなのがあるのか。面白そうだな。鏡開きに一票。」
結果、鏡開きが3票。ケーキカットが1票。どちらでも良い(智也の母もこちらにカウント)が2票。
和装をプラスして、鏡開きに決定!




