理子とピエール。
『ケーキ食べたくない?ピエールのケーキ食べたくない?』
翌日、月曜日の昼休みに理子からLINEが入った。
『食べたい!オーダーバイキングにする?』
怜羅も返事をして、夕方にピエールで待ち合わせることになった。
「最近どうよ、後輩くん?」
理子は興味津津だ。オーダーを済ませるが早いか、質問してくる。
「…えと、その…プロポーズされた。昨日、ここで、お母さんとご対面したの。」
「え〜〜〜???」
理子は驚きで、声を潜めようとしても大きくなってしまう。
「ちょっと!どういうこと?順番に話して。」
言われるまま、順番に話す間、理子はケーキを食べ忘れて、聞き入っていた。
「もう、結婚の話が?お互いの親に紹介まで?!すごーい!」
言い終わると理子は、やっとケーキを口に入れる。
「なんだかビックリしてるの。見えない流れがやってきてる気がするの。」
「流れかあ…。」
「理子は、俊介くんと、どう?仲良くやってる?」
怜羅はちょっと心配そうに聞く。
「もう、すごいラブラブ!昨日もホテルに…。やだ、ナニ言わせるのよ!」
…いやいや。言わせてませんから。
「もう結婚の話が出てるんだ。私は、まだいいやって思ってるんだけど、それでもそういうの聞くと、うらやましい。」
「なんか、少し前まであんなに竜夫のことで悩んでいたのが、こんな展開になって、ビックリしてるんだよね。夢みたいだし、でもこの流れは逃しちゃいけない!って気がする。」
「そっかー。私にも、そういう流れ、来るのかなあ。」
いつの間にか、ケーキをたくさん乗せていた二人の皿はそれぞれ空になっていた。色気より食い気の二人は、恋バナをしていてもしっかり食べるのだ。
「結婚は、怜羅の方が早いかもしれないね。」
「そうかな。まだわかんないよ〜。」
などと話しながら、ケーキをまたオーダーする。バイキングは、しっかり食べておかないとね。
「ねえ、怜羅。」
「ん?」
理子の問いかけに、ケーキを口いっぱいに頬張って怜羅は返事をする。
「いろんなことがあったけど、私たち、幸せになっても、いいよね。」
「ん!」
怜羅は慌てて飲み込んで続ける。
「もちろんよね。…私、今も幸せよ。理子とピエールで、ケーキ食べて恋バナしてるなんて、最高に贅沢だもん!」
…そう。今も幸せ。そしてオバサンになっても、おばあさんになっても、こうして理子と過ごす時間がありますように。




