表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/43

ご対面。

「あらあら。そんなことがあったの。会ってもらえるのね?ところで、怜羅さん、お母さんにも会わせてくれない?こないだはチラッと見ただけじゃない?キレイなよね。」

智也は智也で、家に帰ってすぐに話したのだ。


つい数日前に、出張帰りに送ってもらった時に、家族には姿を見られているので、付き合っていることは、知られていたが、いきなりの結婚がらみの話に智也の家族全員が驚いていた。それでも誤解を解くチャンスを得られたことに安心したようだ。


そう。二人は、つい数日前に付き合いだしたばかり。そしてもう結婚について考えている。それにまだ、そういう関係になっていないのに、迷わなかった。それまでの傾向を思えば不思議なのだが、すんなり受け入れられている。


ついに迎えた日曜日。

怜羅は母と二人、車に乗る。ピエールに向かっているのだ。理子と怜羅のお気に入りの店。母を案内するのは初めてだが、母の口にも合うだろう。

智也は、自信たっぷりな様子を怜羅に見せたものの、ドキドキしながらピエールに向かっていた。怜羅の母親がどんな人なんだろうということも興味深い。姑になる予定なのだから。

ほぼ同時に到着して、3人で店に入る。すでに仲の良い3人のような雰囲気だ。


席に座って、まずオーダーする。もちろんケーキセットだ。

「お母さん、何がいい?」

「怜羅と一緒の。」

「飲み物はコーヒー?」

「智也は?」

「コーヒーと…ケーキは、おすすめは?」

「今日の品揃えなら、プリンタルト!」

「じゃあ、それ!」

怜羅の母と智也が同時に声を上げ、思わず顔を見合わせて笑う。


「今日は、ありがとうございます。山下智也です。」

オーダーを済ませてから、智也があらたまる。母も頭を下げる。

「僕の家はクリスチャンですが、僕の母も、もともと仏教だし、仏教の方とのお付き合いもしていますので数珠も持っています。両親にも話しましたが、我が家としては、宗教が違っても、ご実家とのご縁を離すようなことは決してありません。」

母は静かに聴いている。

「…そう、ですか。」

「はい。大丈夫です。そしていずれ、僕の仕事の都合で海外に行く日が来ると思います。その時は怜羅さんを、連れて行きたいです。」

智也がまっすぐに向き合う。未来の姑に向き合う。

「…そう。怜羅、英語、忘れちゃったんじゃない?勉強しときなさいよ。」

母が微笑む。

「お待たせいたしました。」

ちょうど良いタイミングで運ばれてきたケーキに母が思わず微笑む。

怜羅は、母がかなり柔和な対応をしたことに拍子抜けした。この対応は無抵抗に近い。なので喜びを実感したのは、数秒後だった。


…智也。ありがとう。お母さん、ありがとう。


嬉々としてフォークを持つ母に、二人はホッとする。

大好きなプリンタルトは、今までで一番おいしいケーキとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ