表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

プロローグ

静かな夜空に、一匹の獣が憤怒の咆哮をあげた。


………それは、一方的な殲滅の舞台の始まりを告げるものとなる――



漂う生々しい血の臭いにむせかえる。時間はどれくらい過ぎただろう。からだの震えは収まらず、脳が危険だと逃げろと警告し続けている。

教え込まれたことのひとつ、隠凝の文言を唱える背中は小さい――



外には自制心を失った荒れ狂う家族だった犬や猫が……、空は紅に染まり家や建物の燃える様子を象徴しているようだ。

泣き叫ぶもの、子供だけでもと敵に懇願するもの、生きることを諦めたもの、逃げ惑うもの―――諦めきれないものとさまざまである。


どんなに足掻いたとしても、圧倒的な力の差が全てを物語っている。


一国の終わりがすぐそこに迫っていた。



そんななか―――


幼い少女は懸命に走る。手には花の簪を固く握りしめ、何度地面に転んでも、悲しみを押し殺すように瞳に溜まる涙を流してたまるかと堪えながら―――彼の最後の“お願い”を守り抜くために―――



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ