第7話◎仲間
二人は夢中で走った。
ブラッドはアースを抱え、
夏木は必死に足を動かし…
途中で魔物に遭遇して、威嚇をされたが…夏木は
夏木
「貴方を相手する暇がないの!フリーズホンリー」
夏木は走りながら呪文を唱え、光魔法で魔物の動きを封じた。
ブラッド
「ハァハァ…魔法にも大分慣れたようだな」
ブラッドは安心した顔でこちらを見て、また走り出した。
アースはずっとブラッドの腕の中で苦しそうな表情を浮かべている。
アース
「うぅ…」
かすれた声でうなる。
夏木
「もう少しよ!頑張ってアース」
ブラッド
「ちっ…このままでは間に合わない。風の精霊よ…幼き仲間を救うべく…雲を動かしたまえ。ホワイトロード!」
ブラッドが必死に呪文を唱えると、突然、台風のように強力な風が発生し、雲を急激に動かした。すると…雲が少しずつちぎれ…雲のカケラが一ヵ所に集まり、人が5人ほどが入る大きさになった。
ブラッド
「この雲に乗れ!夏木」
夏木
「え…すご…。」
夏木は驚きながらもブラッドの手を取り…雲に乗った。するとゆっくりだが雲は上空に上がり前へ進んだ。それでも走って大地を駆け抜けるよりは相当早いスピードだ。
夏木とブラッドは冷たい風を受けながら…雲しか見えない空の道をずっと突き抜けていった。すると…しばらくして、広い海が見え、真ん中に島を発見した。
夏木
「ブラッド!あれ…」
ブラッド
「…命の島だ。この海に見えるものは大きな湖だ。ここでは必ず薬があるはず。行こう」
ブラッドはそう言って、雲を急下降させた。一瞬で島につき、砂浜に足をつけた二人。辺りはシンっとしてたが1人の住人がこちらに向かってきた。
80歳前後のおばあさんだろうか…腰を曲げ、手には杖を持ち、しわしわの顔でこちらを見てニッコリしていた。おばあさんの片目には傷があり、なぜか異様な魔力を夏木は感じた。
するとかすれた声で
?
「ようこそ命の島へおいでくださった。わしはこの島の住人、ソフィでございます。是非ゆっくりしておくんなはれ。…おや?その子供は?」
ブラッド
「俺はブラッド。アースは俺達の仲間です。旅の途中で魔物に襲われ、酷い怪我をしました」
夏木
「…私は夏木です。お願いします。アースを助けてください!早くしないと命を落としてしまう…」
夏木は目に涙を浮かべ、ソフィに訴えかけた。
ソフィ
「おやおや…それは大変じゃねぇ。とりあえずわしの家にきなはれ。わしの家がこの島唯一の薬屋じゃけぇの」
そう言って微笑み、二人を案内してくれた。林に入り、ズンズンと奥へ進んでいく。すると、小さな小屋が見えてきた。それがソフィの家だったのだ。
ソフィがドアを開け、中へ二人を入れて、ベッドを手際よく用意した。
ソフィ
「アースをここに寝かしんさい」
ソフィがベッドを指差し、ブラッドはアースをベッドにゆっくり寝かせてやった。
ソフィは茶色の
少し薄汚れた棚から袋を取り
薬を袋から出して、
アースの体に丁寧に
優しく塗り始めた。
ソフィ
「…これは…特別な魔力を込めて作った薬なのだよ。アースのような酷い傷も…流れる血を止め、痛みを取り、膜のように包み…自然状態に回復させてくれる。あとは1日休めば大丈夫じゃ。腕で良かったの~。急所じゃとこの子はもう救えなかったであろう。」
ソフィはそう言って
薬を塗り終えたあと、
椅子に腰をかけ、
フゥっと一つため息をついた
ブラッドはすかさず、
薬代と治療代を
ポケットから取り出したが、
ソフィはブラッドの手を止め
話し始めた。
ソフィ
「金はいらぬ。お前達の仲間を想う気持ちを治療代としてもらっておく。純粋な心が、わしにも伝わってきたよ。わしも若い頃はお前達のように旅をしていたものだ。」
ソフィは昔
雷魔法を武器に
旅をしていたという。
ソフィには
仲間がいなかったが、
行く先々で色々な
出会いが重なり、最後には
一流の魔法使いとなり
この島の住人達の
守り神として過ごしてきた
と語った。
ソフィの目の傷は、
それまでに魔物に
襲われた跡なのだ。
ソフィ
「夏木…お前には偉大なる力が潜んでいる。わしには見える。歳をとると嫌でも人の心が見えるようになるのでな。」
フッと笑い席を立った。
ソフィは1日は
ここに泊まっていっていいと
言ってくれた。
明日の朝に、島で
武器を購入することにして
二人は早くに
就寝することにした。
第7話は
短めに終わらせました。
時間の都合で急いで
少しずつ書いたため
文章も短いし
誤字があるかと思います。
8話は9月17日には
完成させて、
投稿したいと思っています
良かったら優しい気持ちで
読んでいただけると
ありがたいです∀`