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第5話◎人は過去に生きるべからず


「命の島」を目指し、再び旅を続ける三人。


命の島では大量に武器が生産されており、実力を試す為の大会も年に5回、開催されており、別名"戦いの死地"とも呼ばれる。強力な武器を手に入れるために、三人は歩み、島へ向かいます。


数時間歩き続け…日も落ち、

辺りは暗くなってしまった。

その為、暗闇の中を

さまようのはあまりにも

危険を伴うため、その場で

野宿をすることにしました。


アースと夏木は疲れが出たのかすぐにその場に倒れ込みます。ブラッドは落ち着いて小枝を集めて火をつけています。


ふと、火を眺めてアースが静かにつぶやきました。


アース

「…父ちゃん…。

 父ちゃんに会いたい」


悲しそうに…寂しそうに…ジリジリと燃える火を目をそらすことなくジッと見ていました。


アース

「オイラ…ちぃせぇ時にも…こうやって父ちゃんと野宿したことあんだ」


アースがそう言い、夏木の服をギュッと掴みます。


夏木

「アース…」


夏木も涙を滲ませ

アースの話を

静かに聞いています。

夏木の両親も小さい頃に

他界している為、

アースの気持ちが痛いほど

伝わってくるのです。


アース

「…父ちゃん。いつもオイラの味方してくれた。母ちゃんはちっせぇ頃に死んじまったけど、母ちゃんはオイラの事を嫌ってたから…毎日毎日、オイラに暴力振っていた。」


ブラッド

「嫌ってた…?」


咄嗟にブラッドは反応し、

夏木と並びアースの話を

ジッと聞きました。



アース

「母ちゃんは…父ちゃんと結婚するずっと前から女を産むって夢があったんだ。でも…産まれてきたのがオイラだったから、母ちゃんは悔しかったのかも。」


アースのお母さんは、

アースが小さい小さい

赤ちゃんの時から

ずっと暴力を

振るい続けたのだという


お父さんはそんな

暴力ばかりの母を止めるため

何度も体を張って

アースを助けていました。

その後、母は

ストレスによる病気で他界。

大好きな父親と

二人の静かな生活が始まり

愛され、幸せに

暮らしていた所を

悪党の集団が押し寄せてきて

邪魔者になるアースの父親を

闇系魔法で苦しめ

命を奪っていったのです。


必死に父親を取り戻そうと

戦いましたが、まだ

魔法は使用できなくて

父親を救うことが

出来なかったのです。



それから数年、心を閉ざし村を守り続け、1人孤独に過ごしていたと言います。


アースは普通の人間で言えば

まだ8歳ぐらいの子供です。

この幼い目は多くの地獄を

見てきたことでしょう。

父親に整えられてたというサラサラの赤髪をいつまでも触っていました。


夏木は自分の事のように

胸にしみ、アースを優しくギュッと抱き締めます。アースは少し恥ずかしがりながら夏木の顔を見つめました。


アース

「な…なんだよ?夏木」



夏木

「辛かったよね。本当に…私は両親を殺された訳じゃない。不慮の事故にあって私が5歳の頃に死んじゃったの。それからはおばあちゃんと二人と妹達と一緒よ。お母さん達が居なくても…必ず誰かあなたを愛してくれる人がいるわ。」


夏木は綺麗に光る涙を流し、

アースを強く抱き締めました

それを静かに眺めるブラッド。


アースは号泣し抱きしめる夏木の腕を強く握り声を上げてしばらく涙を流していました。


数十分後…


ブラッド

「二人とも落ち着いたか?」


ブラッドが確認の声をかけます。二人は泣きつかれたのか寄り添ったまま眠りについていました。


ブラッドはフッと静かに笑い

小枝を探しに

森のはずれに向かい

木と木の間から

ソッと顔を出す月を眺め

目をつむります

ブラッド

「愛してくれる人…か」


低い声で微かにつぶやき、小枝を持って夏木達の元へ戻って行きました。




二人はまだ静かに寄り添い、眠っていました。"命の島"までは大人の足でも2日以上はかかります。その2日にも危険に遭遇する可能性は十分にあります。

それまでの間は休ませてやろうと、ブラッドは夏木とアースを起こさず、草むらに寝転がりブラッドも休息をとることにしました。


次の日……


夏木が朝一番に目が覚め、先に起きて朝ごはんを作っていました。


いい匂いに誘われ、アースは目が覚めてそれはなんだと夏木に不思議な顔でたずねます。


夏木

「これは目玉焼きだよ。私の世界から卵だけ持参してきたの」

ブラッドも目を覚まし、不思議そうに目玉焼きを見つめます。二人とも目玉焼きを見るのが初めての様子です。

出来上がった目玉焼きを恐る恐る口にする二人。


するとアースは目を輝かせ、

ブラッドは笑みをこぼし声を揃えて美味いとうなずきました。


調味料がないため、夏木は光魔法の「リプライ」という呪文で特別な味付けをしたのです。




それは美味しいはずです。

二人は夢中で目玉焼きを食べ

すぐに皿だけを残しました。


夏木も自分の分の目玉焼きを食べ、空腹も満たされたところで三人はまた歩き出しました。


するとアースは突然

夏木の前に飛び出し…


アース

「夏木!昨日はありがとうな」


夏木

「ん?何が?」


アース

「オイラの話…真剣に聞いてくれて、さ。オイラ、あんなに優しく抱き締められたの久しぶりなんだ。父ちゃんの温もりに少し似てて…すっげぇ落ち着いた。いっぱい泣いてスッキリしたぜ!」



ブラッド

「…お前らはどこが似ている。性格もそうだがな。お前らを見ていると飽きないよ」


とブラッドは微笑ましそうに笑い、アースの頭を撫で、夏木の手を握ります。


アースの過去

ブラッドの過去

夏木の過去


人は誰もが

過去を持って生きている。

良い想い出、悪い想い出…

たくさんの想い出が心に

刻まれているのでしょう。

時にはアクシデントが起こり

頭が混乱してしまう事も

あるかもしれません。

でも…どんな時も必ず

1人ではありません。

家族がいる。

仲間がいる。

出会いがある。

支えがある。


世界のどこかに貴方を必要としてくれている人がいる

これを…決して

忘れてはいけません



夏木のお母さんが、

夏木の小さい頃に

教えてくれた言葉です。


どんな強い魔物にも立ち向かわなければなりません。それも自らの試練なのですから。



"命の島"まであと2日。

より前に進むためには

その島には必ず

向かわねばなりません。


仲間がいるから大丈夫。夏木は胸を張って見知らぬ大地に足を踏み入れます。アースも少し異様な空気にビクつきながらもしっかりとブラッドにしがみつきついてきます。


魔法の使い方は記憶しました。あとは使いこなせるかの問題です。いつ魔物が飛び出すかわかりません。警戒して進まねばならないのです。


すると…空から

鳥のようなものが

舞い降りてきました。


名:バーチャル

魔種:風

説:大きな翼の持ち主。害を与えなければ滅多な事では人間には襲ってこない。


バーチャルが

夏木達の前に降り

一通の手紙を渡します。


この一通の手紙から…

これから壮大な戦いが始まることを…彼等はまだ知らない。






ゆったりまったりと

読んでいただけたら

幸いです(っω`)


誤字が多いですが

ごめんなさいorz


これからも

1日1話更新出来るように

頑張りたいと思っています



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