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第17話◎7歳の少女アゲハ


食料を買い集め、三人はすぐに街を出た。


街人は夏木達に深く頭を下げ、何度も何度もお礼を言っていた。



そんな街人に向かって手を降り、再び北の方向へと進んだ。



すると空から魔物が舞い降りてきた。

バーチャルだ。

一度ダッドウィンダー軍からの警告手紙を届けてくれた魔物だ。


バーチャルのクチバシには以前と同じように手紙が挟まっていた。


再びダッドウィンダー軍からの夏木達に対しての手紙だった。



“二度目の警告だ。

 三人の若者達に告げる。

 これ以上私達の計画を

 潰すことは許さない。

 ミッケンとウォッカは

 私の下部の中でも

 最低ランクの者達だ。

 その者達に

 (しょう)したらしいが

 調子に乗らないことだ。

 我々は監視している。

 お前達の行動を……


   ダッドウィンダー軍”




夏木

「あんなに魔力を持っていたのに最低ランクなの…?」


ブラッド

「らしいな…。もっともっと魔力が上の奴がダッドウィンダー軍にはウジャウジャいるらしい」


アース

「また敵が来るかもしれないのか?」


ブラッド

「恐らくはな」



手紙を読み終えたが三人はまた前へ進み始めた。


ひるむわけにはいかない。

諦めるわけにはいかない。

命を投げ捨てる覚悟で

挑まなければならないのだ



バーチャルは再び飛び立ち、空の彼方へと消えていく。



夏木達はとりあえずレインボー村へ行って、幻の薬屋について話を聞くことに決めた。


北の方向としか話を聞いていないので、あまりにも情報不足なのだ。


レインボー村には、

情報がたくさん入ってくるという噂がある。



レインボー村は

海を渡ってすぐのところに

存在していた。



陸におりて、夏木達は

住人を探し始めた。

小さく…静かな村だった。




???

「ようこそ、レインボー村へ」


後ろで綺麗な声がした。

振り向くと、とても若そうなお姉さんがそこに立っていた。



???

「私の名前はメルト。旅人さんでしょう?良かったら家でお茶でも飲んでいってください。」


メルトと名乗る女の人は優しく笑って、家まで案内してくれた。


夏木達も自己紹介をしてメルトの家で、たくさん目標や旅をしている理由(わけ)などを話した。



メルト

「そう…夏木ちゃんは妹さんのために…?」


夏木

「はい。今はこの世界の人達も救いたいなとも思っています。」


ブラッド

「幻の薬屋について何か知っていることはありませんか?」


メルト

「そうねぇ…」



しばらくメルトは黙り込み、思い付いたように顔を上げた。


メルト

「あることにはあるわ」


アース

「え!?教えてくれよメルトさん!」


メルト

「ふふっメルトでいいわ。教えてあげてもいいけど…条件があるの。これは貴重な情報なの。簡単に教えるわけにはいかない」



メルトは真っ直ぐな瞳で夏木達を見た。


夏木

「条件ってなんですか?」


夏木がたずねると

メルトは指を上に向けてさし


メルト

「2階にいる女の子…アゲハの心を開き、アゲハから人形を貰うことが出来たら教えてあげてもいいわ」


アース

「人形?」


メルト

「アゲハは心から信用した人に人形をプレゼントするらしいの。まだ心を開いたことがないから詳しくはわからないんだけどね」


ブラッド

「なぜ心を閉ざしてしまったのですか?」


メルト

「…目の前で両親を殺されたからよ」



メルトはアゲハの過去を語った。


アゲハがまだ4歳という幼い頃、何者かに親を連れていかれ、アゲハも連れていかれたが


両親がアゲハを救おうと抵抗した結果…


アゲハの目の前で

首を切られて両親は死んだ。



アゲハはその時…

悲しみと絶望と恐怖と驚きで

涙も出なかったという。


アゲハはその後、村人に助けられてメルトに引き取られることになったが…


それから3年・・・

ほとんど部屋から出ず

ろくにご飯も食べずに

ずっと部屋にこもりきりらしい。


誰が話しかけても…

3年も面倒を見てくれたメルトにさえも…口を聞いてくれなくて、完全に心を閉ざしてしまったのだ。



メルト

「そんな彼女の心を救ってくれたら…私の知っている情報を全て教えて、お礼もたくさんするわ。…お願いできるかしら?」


難しいことだった。

メルトにさえも口を聞かない女の子が…夏木達に心を開いてくれるのか…。


相当な時間が必要だろう。

だが確実に幻の薬屋に向かうためにはこの依頼を受けなければならない。



夏木

「私達やります。女の子を救うためにも」


ブラッド

「あぁ…時間はかかるかもしれないがな」


アース

「オイラは何かできるかなぁ?」


アースは不安そうだったが

三人は快く受けることにした



メルト

「ありがとう!2階にアゲハはいるわ。まずは自己紹介をしてきたらどうかしら」



夏木

「わかりました!」



そう言って、三人は

階段をゆっくり上がった。

すると目の前に

ドアが立ちふさがっていた。




    コン コン




軽くドアをノックして

ゆっくり開けた。


昼だというのに部屋は薄暗く

カーテンまでも閉めきっていた。


暗闇にベッドらしきものがあり、そこに人の影があった。きっとメルトが話していた女の子だろう。



夏木は恐る恐る電気をつけた。



するとそこには、

虐待でもされているように

ボロボロの女の子が座り込み

こちらを睨み付けていた



その目は、

もはや子供の目ではない…。

殺意と憎しみで満ちた目で

夏木達を睨み続けている。


一歩でも近付けば何かを起こしそうな雰囲気を漂わせていた。




腕には熊のぬいぐるみが抱かれており…そのぬいぐるみもまた継ぎはぎだらけのボロボロのものだった。



夏木

「初めましてアゲハちゃん。私は夏木っていう………」


夏木は自己紹介をしようと試みたが…突然、アゲハは物を投げ始めた。



アース

「いってぇ!何すんだよぉ!?」



アゲハ

「出ていけ。アゲハを殺しにきたの?どれだけ人を殺せば気が済む。それ以上アゲハに近付くな」


まるで大人が話しているようだった。

7歳の子供が…大人が発する言葉と同じ話し方で夏木達に訴えた。





三連休終わりました。

結局寝て過ごしてしまったorz


学校行ってる方が

楽しいと思ってしまいます

憧れの人がいますので←ぁ



1日1話更新続いてます



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