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第13話◎奇跡のブローチ



新たな目標を持ち、


すがすがしい気持ちで

三人は歩いていた。


ランカは夏木のことがとても気に入った様子で、ずっと手を握ったままでいた。


ランカ

「うふふ…。お姉ちゃん優しいからランカのお姉ちゃんにしてあげるよ」


ランカはクスッと笑い

夏木をジッと甘えた目で

見つめていた。




夏木

「ふふ。喜んでお姉ちゃんになるよ」


夏木も微笑み、返事を返した






しばらく4人が歩いていると、背の高い草がズラリと並んでいた。アースと同じぐらいの背丈で、ランカのような小さな体は簡単に隠れた。


ブラッド

「これでは前へ進みにくい。だがこのルートしか存在しないから無理矢理行くしかない」





夏木

「うん!前に進もう」



そうして4人は強行突破をはかった。すると…低い声が夏木達を怒鳴った。


???

「誰だ!?」


4人はふと立ち止まる。誰だって…こっちの台詞だ。。



アース

「そっちこそ誰だ!いきなり怒鳴ってんじゃねぇよ!」


???

「おや?魔物ではないのか」



男はそう言って姿を現した。

紺色の服を着ており、人間でいえば30代後半ぐらいの人だった。狼のような耳と尻尾が生えており、こちらを見てニッと笑っている。



???

「ははは。いやいやすまない。てっきり魔物だと感じてしまったのだよ」


男はおおらかに笑って、夏木達の肩を叩いた。



???

「俺の名前はマイク。宛も目標もないが、ただ刺激を求めて旅をしているんだ」



アース

「オイラはアース。この小さい女の子はランカだ」


ランカ

「うふふ」


ブラッド

「俺はブラッド。同じ旅人に出会えて嬉しいよ」


夏木

「あ…私は夏木です。別世界からやってきて、家族や世界中の人を救うために旅をしています」



それぞれ自己紹介が終わり

マイクは首をかしげた。



マイク

「ふむ…夏木…といったかな。家族を救うためとは…そちらの世界にも魔物がいるのか?」


夏木

「いいえ。私の妹はひどい重度の病気にかかっているのです。今はどういう状態かわからないのが不安ですが…。」



夏木は少しうつむきながら話した。ランカもそれを聞いて、少しも笑わなくなった。



マイク

「ほぉ…なんと残酷な…。あっ、お嬢ちゃん、いいものをあげよう」



マイクはそう言って、持ち物バッグの中をあさり始めた。




マイク

「あった!これだよこれ」


マイクは1つの大きなブローチを夏木に差し出した。


夏木

「なんですか…?これ」


夏木は不思議そうに首をかしげて、ブローチを手にしてマイクに尋ねた。



マイク

「旅の途中で見つけたんだ。妹さんのことを思う気持ちをブローチにぶつけてごらん?」



夏木は不可解に感じながらも

妹の顔を浮かべ、

救いたいという気持ちを

強く強く心の中で叫んだ。

すると…

ブローチは七色に光り、

何かを映し始めた。

それはなんと・・・



夏木

「皐月!?」



そう・・夏木の妹や家族の

現在の様子をこのブローチは

映し出してくれていた。



皐月は苦しそうだったが

まだ元気はありそうだった。

周りの家族も元気に笑っている。


夏木は涙が出た・・・。

嬉しくて、安心して…

涙が止まらなかったのだ。

ブローチを強く握りしめ


夏木

「…良かった。みんな…元気そう…。大和も蓮も麻美もひよこも凛も…みんなみんな…」




ブラッド

「夏木にはこんなにたくさんの家族がいたんだな。」


アース

「へへっ、なんだかオイラも涙がうつりそうだ」



マイク

「ふふ、それは頭の中で浮かべた者の状況を映し出してくれるブローチだ。ここで出会えたのも何かの縁。それを夏木ちゃんにプレゼントしよう」


マイクは夏木に笑いかけ、

また旅を続けると言って

広い草むらを歩いていった。




夏木

「これ…大事にする。あの子達の顔が見れる唯一の物だもの」


夏木はブローチを服につけ、

涙を溢しながら笑った。



世界にはこのように、

不思議なアイテムが

たくさん存在するのだろうか。

一体このブローチは

誰の物だったのだろうか。

どこで見つけたのか。



疑問はたくさんあるが

夏木はただただブローチの

(いただき)を単純に喜んだ





4人は再び歩き出し、

北の方向へと向かった。



ブローチは夏木の服で微かに光っており、少しだが魔力を感じた。



草むらを抜け、

景色が全て荒野に変わった。

敵がくればすぐに分かるので

前へは進みやすいが、

水も食料もないため、

今持っている食料が無くなれば

危険な道のりになるに違いない。


だが4人はひるむことなく前へ進んだ。いや…進むしかないのだ。


ランカには恐怖というものが無いらしく、ただずっとニヤニヤと怪しい笑いをたてていた。



荒野に足を踏み入れ、

警戒をしながらも

4人は進んでいく・・・。


荒野は魔物が

生息できる場所ではないが、

水も必要のない魔物が

この世界には存在するため、

100%いないとは限らないのだ。

その為、油断は禁物。




食料と水…

2日持つか持たないかぐらいしか

所有していなかった。


なんとしてでも2日以内に

荒野を抜けなければならない



広い広い広野。

東西南北…全て荒野で

埋め尽くされていた。


草一本生えていない道を

ひたすら歩き…

次の街を探し始める。



ブローチが危険を

察しているかのように

ギラギラと光っている。




そろそろ

スランプに入ります。

1日1話更新してましたが

不定期になりそうです。


読んでくださってる皆様。

ゆっくりでも確実に

書いていきますので

よろしくお願いします。



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