C4-14 槌矛《ボズワース》
ーー捉えた!
後退りし、壁際へと追い詰められたフリーダ。 彼女は危機的なはずの状況で、まるで日常の一場面であるかのように優雅に笑った。
「!?」
次の瞬間、壁の一部が音もなく回転し、フリーダの姿が裏側へと吸い込まれていく。 咄嗟に剣を叩きつけるが、扉は分厚く重い。力任せに破壊しようにも時間がかかりすぎる。
「さっきも言ったでしょう? 私の巣に入った時点で、あなたの負けよ』」
壁の向こうから響く声。それと同時に、暗がりから吐き出された粘着性の糸が腕に絡みついた。 周囲を見渡せば、何体もの蜘蛛が迫っている。この群れを相手にしながら壁を壊すなど、どう考えても現実的ではなかった。
「――一旦引く!」
仲間たちとの合流を最善手と判断し、身を翻すラハム。 だが、元いた部屋へと続く階段を駆け下りようとした瞬間、足元がヌルりと嫌な滑りを見せた。
「なっ……!?」
為す術もなく、階段を転げ落ちるようにして下の部屋へとドォンと叩きつけられる。
「これは……やられた」
階段には、一面に油がぶちまけられていた。古典的な罠ではあるが、致命的。 見渡せば、先ほどフリーダと話していた部屋も、びっしりと強靭な糸で埋め尽くされている。
ーー本当にもう手遅れなのか? ……いや。
「槌矛」
手にしていた両刃剣から、新たな武器へと構築を切り替える。 掌に新たに生成されたのは、白く輝く菱形のメイス。
――あるはずだ。まだ、何かが。
更新遅れました。全体を見直しているので時間がかかってしまっています。加えて、訳あって他の作品を優先することになりました。
もしご興味あれば、作者ページからご覧いただければと思います。




