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異界英雄物語  作者: mania
Chapter1 英雄
3/73

C1-3 はじめての尋問 (フォラン 挿絵あり)

挿絵(By みてみん)

赤髪の少女 イメージ図

 

「起きたわよ、姉さん」 


 冷たい視線の赤い短髪の少女と、謎の金髪の女性が立っていた。前者は齢十五、六歳ほど。後者は二十歳ほどで、身長が高く、男性の平均くらいある。


 綿でできた、異国の服装。胸や膝、肘など要所要所に金属の装甲。


 顔の形状は無駄のない流線型で、大きなつり目の赤い瞳、薄く小さい唇が目に映る。足腰は逞しく綺麗で、両性的な印象を受ける。女子校で後輩に告白されているようなタイプだろう。


 二人とも綺麗な顔をしている、赤髪の子は、大きなつり目の赤い瞳、薄く小さい唇が目に映る。なんか足腰太い。


 金髪の人は、吸い込まれるような丸く大きな瞳、高い鼻、整った形状の厚めの唇で、海外の雑誌モデルだと思った。

 

「寝起きのところ悪いんだけどさあ、ちょっと色々聞かせてもらおうか」 


「だ、誰だあんたたち!? 」 


 進の言葉を聞いて二人は沈黙した。考えている、というよりも驚いている。目を見開き、二人で顔を合わせる。聞き間違いではないと確認するために。 


「何言ってるのこいつ?」 

 

「え?」 

 

「さっきから何言ってるかわかんないんだけど、何の言語を話しているの?」  

 

「!?」 


 少し間を置いて理解。目の前の二人の言葉を進は理解できるが、相手は理解できていない。意思の一方通行という、奇妙な現象が発生している。


 いや、そもそも明らかに二人は外国人の顔立ちだ。それなのに何故言葉が通じる? 相手がこちらの母国語を習得しているとしか考えられないが、それならなぜこちらの言葉を聞き取ることができないのか。 

 


「もしかして」  


 

 金髪の女性は腰に構えていたホルダーから札を取り出し、何かの文字を紙に書き出した。そして、進の胸に向かってトランプのカードのように投げつけた。


 札は胸元に着地し、不可解な行為に進は戸惑う。が、縛りつけられ、ただ見ることしかできない。 

 

「さて、これでどうだい」 

 

 硬質の紙に見たこともない文字が書かれている。ペンライトのように、文字からほんのりと緑色の光が発せられる。


「何だこれ、札? これに何の意味が?」 


「お、何を言ってるか分かるようになったね」 

 

「え……姉さん、まさか?」 

 

「意志伝達の魔法が使えないみたいだね。だからそれで補った」 


「嘘でしょ? そんなことありえるの?」 

 

「私も初めて見たよ」 


 ーー意志伝達……魔法? 


 言葉は聞き取れてる。意味はまったく理解できない。魔法とは何だ? なにかの隠語か? 馬鹿にされているのは言葉や表情から理解できる。

 

「さて、話が通じるようになったところで……」 


「っ!」 


 つい数秒までの柔和な表情とは一変、金髪の女性の黒い瞳が楕円型に鋭く縦長くなっている。ちょうど獲物を狩る猫のように。返答を誤ると死ぬ。そんな緊張感が狭い小屋の中に張り詰めていた。 


「あんた、さっき一緒にいた男との関係は?」 

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