【金髪碧眼の美形君とゲーマー】
HPを全損してしまったシオンの視界にはGAMEOVERの文字が浮かび、するとシオンの体が光り光の粒子の様な物になってその場から消える。
そしてシオンの視界が十数秒ブラックアウトすると町の外に転送されていた。
「まさか死んで初めて最初の町に着くとはね」
とシオンの言った様にシオンは今ビギナーエリアにある始めの町である【アルカ】に着いていた、恐らく仕様的に死んでしまったプレイヤーは最後に立ち寄った町に自動転送される仕組みになっており初めの町にすら到着していなかったシオンも内部的に始まりの町である【アルカ】に転送されたのだった。
そしてこのゲームには死んでしまったプレイヤーへのペナルティで通称デスペナルティが存在しておりその内容は死んでから3時間全ステータス50%ダウンである。
その為そもそも低レベルで低いステータスがさらに半分になってしまいまともに冒険が出来なくなってしまった事と初めての町に着いた事もありシオンは町を探索する事に決めたのだった。
すると
「君もデスペナ受けたの?」
とシオンの横にいた男性アバターのプレイヤーから声をかけられシオンが声の主の方を向くとウェーブのかかった金髪に碧眼のイケメンアバターだった。
リアルで美形かその真逆で顔にコンプレックス持ってる反動でアバターいじりまくったのかなぁ
などと考えていると
「僕もさっきデスペナでこの町に転送されて日向ぼっこしてたんだ」
「そっか、俺も今しがた転送されたばっかだよ」
そしてシオンは立ち上がって町へ入ろうとすると
「今はやめておいた方がいいよ、プレイヤーで溢れかえってるから」
その言葉を聞いた瞬間シオンは足を止めて
「まじ?」
「うん!まじ!」
と聞き返したシオンに美形君は満面の笑みで返していた。
「実は君がここに転送されたのを見てから話してみたいと思ってたんだよ」
「俺と君は今ここで初めて会ったと思うんだけど?」
とリアルでもゲームでも会った事のない美形君に知り合い等いなかったからだ。
「そうだね、確かに君とは初めましてだ。けど君の発言とここに転送された時の装備を見た時に興味が湧いたんだよ」
「そうか、けど話したいんならまずは名乗るべきじゃないか?リアルだろうとゲームだろうと人のマナーは変わんないだろ?」
とシオンはいつの間にか美形君の隣に再度胡坐をかいて座っていた。
「たしかに、これは大変失礼しました僕はリューです。よろしくお願いします」
「こちらこそ、俺はシオン」
とリューと名乗った美形君の握手にシオンは自分の名前を名乗って応じた。
「で、俺に話したい事ってなんなんだ?」
「本気でやってるって僕が判断したプレイヤーに出会ったら聞いてみたいと思ってた事があって何人かのプレイヤーにも聞いてみたんだ。君にも聞いてみたいんだけどいいかな?」
「周りくどいな、早くいってみろよ」
「ありがとう、じゃあ聞くけど君は何の為にこのゲームをしてるの?やっぱり賞金のため?」
とあまりにも突拍子のない質問にシオンは目を見開いて一瞬固まってしまっていたがすぐに
「そんなのこんな神ゲー候補筆頭のゲームをプレイしない選択肢なんてないだろ、確かに賞金が出るって聞いた時は驚いたけど俺達みたいなゲーマーはゲームのクリアが最優先なんだよ」
とニカッと笑ていった。