第百十九話 希望は希望じゃない
ブックマークや感想をありがとうございます。
うーむ、嫌がらせは、一時中断ですなっ。
それでは、どうぞ！
「さて、もう目は覚めているのでしょう？ あなたは、どう考えているんでしょうね？」
そう問えば、鳥の巣頭の聖を司る神は、ビクッと震えます。
「ゲームは終わりです。あなた方は破滅の未来しかない。ですが、一つだけ、面白いことを教えてあげましょうか？」
「……面白い、こと？」
酷い怯えの宿った瞳をそっと開けて、こちらを見る鳥の巣頭に、私は微笑んでみせます。
……余計に怯えられたのは、どういうわけでしょうね？
まぁ、それはともかくとして……。
「えぇ、破滅以外にはあり得ないあなた方の唯一の希望、かもしれませんよ？」
そう言えば、鳥の巣頭は警戒しながらもこちらから視線を外すことなくジッと見つめてきます。
「聞かせて……」
「あら、ピンク頭さんも興味がおありで？」
「リエラよ。それより、聞かせなさい。私達にまだ希望があるなら、私はっ」
鳥の巣頭と違って、ピンク頭はどうやら、まだ、自分の立場を理解していないようです。なので……。
「少し、口のきき方を考えましょうか？」
「ひっ！」
その場に拘束して差し上げますと、ピンク頭はガタガタブルブルと震えます。それはもう、面白いくらいに。
「さて、どうして差し上げましょうか？ 虫はまだまだたくさんいるので、今度は全身埋まってみます？ それとも、別のものが良いでしょうか？ 例えば、ハバネロの濃縮液に浸かってみるとか？ ふふふ、そんなにブルブル震えて、この程度のことで神たるあなたが命を落とすことはないでしょう？」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
壊れたレコードのように謝り続ける彼女を前に、とりあえずは解放してあげることにします。このままでは、話が進みませんからね。
「さて、では、話を戻しましょうか。あなた方が唯一できること。それは、私や私のお母様の実験台になって、世界そのものの破滅を食い止めることですよ」
話を聞いて思ったことは、モルモットが必要だ、ということです。未知の侵略に対抗するためには、様々な実験や検証が必要なので、ここに、しぶとさには定評がありそうな神が居るというのは、とても幸運なことなのです。
「……要するに、俺達、助からないん、だね……」
絶望に彩られた鳥の巣頭の瞳に気づきはしましたが、私は、それ以上のことは告げる気はありませんでした。そして……二人を完全に捕らえた私は、ひとまず、ラルフに会おうと、彼らを引きずってその場を後にしました。
……中断と言いつつ、ポッキリと心を折ってみました☆
さぁ、そろそろ、ユレイラちゃんと合流したいですねぇ。
ローランとかを楽しみにしている人も居ることですし？
それでは、また！
