第百十四話 嫌がらせの日々11(ピンク頭視点)
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……最近、本当に忙しいので、しばらく更新が不定期状態になりそうですが、できるだけ毎日更新を心がけますね。
それでは、どうぞ!
嫌な予感は当たるとはいうものの、これは、当たりしかあり得ない嫌な予感だ。だから、当然、それは実現することとなる。
ポトリ、ポトリと、様々な虫の死骸が落ち始めたところで、私達は、不安を覚える。
(これ、いつまで続くの……?)
この場から一歩も動けない上に、虫が降る場所。当然、虫けらごときは燃やしてしまえば何ともないとは思うものの、これがいつまで続くのか分からない。それに、何より、気持ち悪い。
「っ、こんなの、燃やしちゃえば問題ないしっ」
目の前にポトリと落ちてきた黒い虫の死骸にビクッと肩を跳ね上げた聖の神は、魔法でさっさと焼き払うつもりで手を翳して……ピタリと止まってしまう。
「な、何? 燃やすんじゃないの?」
嫌な予感再び。しかし、私はどうしようもない。
「……魔法が、使えない」
それは、この虫が降り続ける空間に居続けなければならないということを、そして、それに手も足も出せないことを示していた。
ポトリ、ポトリ、と落ち続ける虫の死骸。別に、虫の死骸ごときが周りにあったところで死ぬわけではない。死ぬわけではない、が……恐ろしく精神を削られる。
「うあぁっ、もう、もうやめてっ……」
特に、聖の神は私以上に潔癖なため、もはや心が折れる寸前だ。ただ、私も聖の神ほどではなくとも、ゴリゴリと精神を削られていた。
「いやっ、いやぁっ! 何なのよ! 何で、こんな目にっ!!」
現在、虫は床一面を埋め尽くしている。秒間に五、六匹、くらいのペースで落ち続けてきた虫達。まんべんなく部屋に落ちる虫達は、当然、私達の頭にも降ってきて、お互い叫びながら必死に振り払うのを何度か繰り返した。
「そもそも、リエラがこの世界を標的にさえしなければ良かったんだ!!」
「何よっ! あんたも賛成したでしょっ!!」
お互い半泣きで、必死に相手を罵り合う。しかし、だからといって、どこからともなく降り続ける虫が止まってくれることはない。
「ひいぃっ!! もう、やだぁっ!!」
聖の神は、その鳥の巣のような頭に虫が引っかかり、慌てて振り払うが、その瞬間、虫の足が千切れて、とうとう泣き叫ぶ。ただ、悲劇はそれで終わりではなかった。
ドサッという音とともに、一山としか数えられない量の虫が、少し離れた場所に落ちる。その瞬間、私達は、これから起きる地獄に、発狂した。
これぞ、正しい嫌がらせ(笑)
ほら、閉じ込めるのも、虫の死骸を送るのも、よくある嫌がらせですもんね?
ただ、その二つがコラボしちゃって、わりと悪質になってるだけですもんね?
それでは、また!




