第百七話 嫌がらせの日々7(ピンク頭視点)
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……うぅむ、眠気が酷い。
それでは、どうそ!
「残念ながら、あの道具の言葉は事実ですよ」
そう告げたのは、先程まで姿を消していたクゥガ。一応インテリ枠な攻略対象者だが、その攻略対象者がなぜか、私を批判する立場に回る。
「ど、どういうこと?」
攻略対象者は、よほど好感度が下がらなければ敵に回ることはない。そういう設定で、私達はゲームを行っているのだ。それなのに……。
「今の魔法は、かつて、拷問が好きだった神が開発したものです。かの女神は、どんなに拷問が好きでも、日常的に拷問できないことに痺れを切らして、道具を拷問するという魔法を開発し……すぐに飽きてその魔法を公開しました」
『待って、その女神、頭おかしい』とか、『何で飽きるの!? それで満足していれば良いじゃないっ』とかいう思いはあれど、何となく嫌な予感がする私は、口を挟むことなく話を聞く。
「公開された当初、面白半分にその魔法を用いる神は居ました。ですが、そんな神々もすぐに、その魔法に手を出さなくなりました。……あまりにも、道具達の悲鳴がリアル過ぎて。そして、暴露される情報がくだらないものであることが大半であるために」
道具を拷問する魔法は、つい先程、目の前で見たばかりだ。だから、その魔法が存在することは認めるし、道具達の悲鳴がリアルなのも認める。ただ……。
(くだらないわけがない……)
私が暴露されたのは、全ての計画を破綻させるような情報。だから、くだらないと切って捨てることはできなかった。
「そして、もう一つ、この道具への拷問魔法には特徴がありまして……道具は、主に関する情報だけは嘘を吐けないというものです」
「え……?」
どういうことなのか、私は少しの間呆けて、直後、その意味を理解する。
『主はっ、自分さえ良ければ問題ないと考える神ですっ』
『あ、主は、男達からチヤホヤされたいビッチですっ』
『主はっ、実年齢は〇〇〇〇歳ですっ』
背後で立て続けに響く私の暴露話。そして、それが嘘のつけないはずの道具から発せられているという事実に、頭の中が真っ白になる。
「……どうやら、私はあなたを見誤っていたようです。もう、友人としても接することはないかと思いますので、さようなら」
「っ、ま、待って! クゥガ!!」
「……なぁ、リエラ、俺達を弄ぶのは楽しかったか?」
そんなの、楽しかったに決まっている。しかし、それを言うわけにはいかない。
「そ、そんな、私は、そんなつもりじゃ……」
『あ、主はっ、男を弄ぶことがとても大好きな悪女ですっ』
ただ、狙ったかのように告げられた、道具達からの声で、脳筋枠の攻略対象者は悲しげな表情になる。
「そっか……なぁ、しばらく、俺、一人で考えるわ」
「そんなっ、私は、本当にこんなことっ……」
どんなに引き止めようとしても、彼らが私を見る目には軽蔑と拒絶が含まれている。私は、それを正すことはできなかった。教室からどんどん人が居なくなって、最後には、私一人が取り残されていた。
眠すぎて、もうダメっぽいです、
残りの更新は、また明日以降で。
それでは、また!




