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異世界冒険者生活  作者: ノリ塩味
第三章
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39話 女傭兵の心の闇

ギンジ「知らない天井だ」


同じ発言を以前もしたような気がするが起き上がり周囲を見渡す。どうやらダンジョン前の捨てられた住居をキャンプ地として二人が整備したんだろう。朧げな記憶からあのハイミノタウロスを斬ったはずだけどあの時の自分はなにも考えれずに思うがまま暴れていた気がする、たしかルーチェさんの支援が飛んできてから記憶がないんだよなあの人がなにかしたとしか思えないがまぁあの時の俺は完全に怖気ついてたから反論もできないな。


ルーチェ「目が覚めましたか」


黒ポニテが手に持っていたスープを手渡し椅子に座って話をしてくれた。あれから一日程たったらしくあの後二人でキャンプを整備してくれたらしい。そして俺が理性なく暴れた原因は闇魔法であるエンハンスバーサーカーを俺に付与したと自白してくれた。深く謝罪してくれたがあの時はああしないと俺はハイミノタウロスを斬ることができなかったかもしれないので責めることはしなかった。


ルーチェ「体動きますか?後遺症とかなければいいんですが」

ギンジ「大丈夫そうです。体は思うように動きますし明日からダンジョン再開も問題なくできます」

ルーチェ「それはよかったです。正直今回のダンジョン私自身少し舐めていました一応私もダンさんもランクにばらつきはありますが4~5か所のダンジョンを制覇しているんです。その中にAランクのダンジョンもありましたが此処ほど危険ではありませんでしたので・・・・」

ギンジ「今回も余裕だと思ったと?」

ルーチェ「ええ」


今回俺が倒れている間にルーチェさんはこの領にいるエルフの制覇者の元に尋ね話を聞いて来たらしいのだがその時は何パーティもの大人数でダンジョンを潜り最後のボスを生え抜きのメンバーで討伐し制覇したと言うらしい。当然ながら規模も人数も違うため同じことはできない必然としてダンジョン探索には時間が掛かるだろうという結論になったらしい。


ギンジ「今からでもノリシオさんとかハクリュウさんを呼べたりできないですかね?」

ルーチェ「・・・無理でしょうね。恐らく領に入れて貰えないです王都に行って人員を補充するという手もありますが恐らく無理でしょう」

ギンジ「一応理由を聞いてもいいでしょうか?」

ルーチェ「そうですねこうなってしまったのも私の不手際でもありますし話しましょうか。以前この領は問題を抱えているという話聞きましたよね?」

ギンジ「聞きましたね」

ルーチェ「その話をします長くなりますが」


そういうとルーチェさんは重苦しい表情をしながら語ってくれた。このエルフ領の西は未開地といわれ様々なモンスターが独自の生態系を作っているらしい。なんとなくここのダンジョンと内容は似ているが問題はその未開地からオーク等のモンスターがエルフを攫っているそうだ。当然この事実は各領の王族貴族は知っている、もしエルフ領がそのモンスター達に占領されたら次は自分達の領ということもあり支援をすると返答をだしているのだがエルフ達はそれをずっと突っぱねているらしい。


ギンジ「え?なんで?」

ルーチェ「他種族の奴らと未開地のモンスターは深い同盟関係だと思ってるらしいですが真相はちがいますよ」


話続けているルーチェさんの表情は暗くそして殺気が漏れ出しているのが感じる。


ルーチェ「我らエルフは神が作り出した最強の種族だ他種族の力なぞ借りなくても我らでモンスター共なぞ撃退できる・・・とね」

ギンジ「いやでもそれは」

ルーチェ「この国の王族が笑いながら話したんですまちがいないですよ」


この国の王族がそんなこと言ったのか?自分の国の人間が攫われてどうなってるのかもわからないのにかよいくら何でも最低だぞそれ・・・・と俺が顔に出しているのを感じたのかルーチェさんは怒りを露わにし抑えきれなくなったのか途端に立ち上がり怒気を含み大声を出し始めた。


ルーチェ「私は自分の種族が嫌いだ!傲慢で!他人を見下し!あまつさえ自分達は最強の種族!?笑わせるな!最強なら私の親友は未開地のモンスターなんかにさらわれることはなかった!なぜ他種族の力を借りない?なにが深い同盟関係だ!録に領からでもしないくせに偉そうなこと言うな!傲慢な種族なんか信用できない頼れるのは自分だけだ!だから私は親友を助ける力を付ける為日々研鑽している!悪魔と契約だってした!必ず助け出すために!」


恐らく心の内にあったことを我慢できず声を荒げて話したのかハッと気が付きすいませんギンジさん声を荒げてと謝罪し座りなおした。


ギンジ「あーえっと話を戻しますねじゃあハクリュウさん達が応援にこれないのって」

ルーチェ「ええさっき話した通りです未開地のモンスターと連絡を取り合う為の伝令兵かなにかを疑ってるらしいですよバカらしいですが」

ギンジ「なるほど」

ルーチェ「人員補充はできませんしこれからの話をしましょうかギンジ君は動けるようですし明日とりあえず中央の扉に行ってみましょう。たぶん一匹はハイミノタウロスだと思いますが」

ギンジ「わかりました」


そういいじゃあ私は少し水浴びにと扉を開け出て行った。俺はひとりの人間の過去と闇を見て自分にはあんな闇は抱えれないと思った。ルーチェさんと入れ替わりでダンリックさんがおはようと言いながら体の容態を聞かれ大丈夫と堪えたらダンリックさんが頭を下げた。


ダンリック「すまん俺もあのダンジョンを舐めてた」

ギンジ「いやっいやいいですよルーチェさんからも謝罪はいただきましたし」

ダンリック「あーさっきの大声外まで聞こえた俺も王都の孤児院出身だがあんなもん抱えてる奴もいるんだな」

ギンジ「正直こわかったですよ殺気漏れてましたし」

ダンリック「俺が言えた事じゃないけどあいつ表面上の関係を持ってるやつは多そうだけど心から信頼してるやつ少ないと思う。このダンジョンはかなり危険だしPT内でギスギスしたくはないからしっかり話していこう」

ギンジ「わかりました俺はルーチェさん好きですよ。ああもちろん異性としてって意味じゃなくてですね、あの人からはいろいろ教わりましたし・・・・」


好きというところでダンリックさんがニヤニヤし始めたがすぐ言い直し明日また再突入するという話をし空になったスープの器をダンリックさんが持って行ってくれて出て行った。俺は明日の為にも体を休める為もう一度目を瞑り寝ることにした。




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