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天才剣士は異世界でも人見知り。  作者: 五輪 亮惟
第二章 第二節、五稜局編
81/81

81話 影星、参加することになる。

◆六月上旬



今日は六月五日、ここ王都では毎年六月の八日から中央区で武闘大会が開催されます。それは王都からはもちろん周辺の小国や集落、村などからも参加する人がいます。当然犯罪行為が起こってしまうので、僕たち独立特殊戦闘研究局と、秩序維持管理局、通称『十花(じゅっか)』と警備をすることになっています。


「この武闘大会、わたしとイネスが初めて会った時に見たやつだよね」


それは転生初日にクエストボードの前でアイさん(シルヴィ)と話したときのことだろう。あの後のシルヴィの素とのギャップには驚かされた。


「うん。ありがとうアイさん」


「ちょ、ちょっともう!やめてよそれは!」


顔を赤くして言うシルヴィ。確かにあれは恥ずかしい過去だろう。何せ年下だと思ってた僕にカッコつけようとしていたのだから。


「………でも、あれが無かったらイネスと関わって無かったかも知れないから、少しはその時のわたしを褒めてもいいかもね」


微笑みながら言うシルヴィは、それはもうとっても魅力的だった。一言で言うと可愛い。





「なぁイネス」


学園の授業後に蒲原淮里が話しかけてきた。ていうか話すの何気に久しぶりだよね。一ヶ月くらい?最後に話したのは勉強教えてくれと言われた時以来だ。


「なに?」


「お前って八日からの武闘大会、出るか?」


何かと思えば武闘大会のことだった。だが残念ながらそれには出ることが出来ない。色々とあるからね。


「僕は出ない。蒲原は出るの?」


一応は話せるようになりました。その勉強を教えるときにかなり話したからです。本人によると、剣術や魔法をしっかり練習しているらしい。


「おう!榧雅と出るつもりだぜ。てっきりお前はシルヴィアさんかクレアさんと出ると思ったんだが……………」


「予定が入っててね。それより用はなに?」


もう今日の授業はないので早く帰りたい。それに何故か水也さんに呼び出されているので五稜館に行かねばならない。


「いや、知りたかったのはそれだけ。また時間があったら模擬戦しようぜ。今度は勝つからな」


そういえば模擬戦もしました。結果は圧勝。ちょっと前に言ってた高速移動魔法の劣化版のテスト運用をしてみた。


「僕も負けたくはないよ」


「それは俺もだぜ。つってもあの加速魔法?は反則だろ?何だよあの俊敏性は」


「勝つための魔法だからね」


「くっそ!しかもそれ榧雅が言ってるのだろ?」


苦笑いしながら蒲原は言った。そしてそれは昼食中に高敷榧雅が蒲原に言っていたものだ。いい言葉だと思う。思えば僕もそれを意識しているし。


「んじゃ、俺は練習してくる。榧雅たちが待ってるからな。また明日なイネス」


「ん、また明日」


そう返事をすると彼は急ぎ足で教室を出て言った。ってか榧雅たちが待ってるって何?え、まさか付き合ってるとか?ハーレム主人公は鈍感が鉄板だろ?は!まさか新手のプレイボーイか!?





「と、おおよそはこれくらいだが何か質問はあるか?」


五稜局員の殆どが集まっている大ホールにて、作戦責任者の影村さんが今回の作戦を説明していた。作戦と言っても、闘技場の何処をそれぞれ警備するかを伝えただけだ。


「影村さん。どうして人通りの一番多い正面玄関が水也じゃないんすか?普通なら単体最強の水也がそこのはずなのに」


神代さんが影村さんに質問した。神代さんが言うことは最もだが、最強はもう一人いる。


「正面玄関は私が警備する。水也は暇を持て余してサボりを決め込むからな。観客席で大人しくしてもらうことにした」


影村貴文………第一学園卒業であり、歴代で最強の剣士と言われている。と言っても、影村さんが卒業した翌年に水也さんが入学したため、どちらが強いかはもう分からないんだけど。



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