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天才剣士は異世界でも人見知り。  作者: 五輪 亮惟
第二章 第二節、五稜局編
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77話 影星、虐め?られる。

◆二週間後



僕の前にはシルヴィ、クレア、イヴェリア、氷冴、綾桐がそれぞれの得物をもっている。こっち側には誰もいない。僕だけだ。


『模擬戦開始!』


つまり五人たい一人な訳だ。意味が分からない。もう練習ではなく虐めに近い。まぁ簡単には負けないけどね。


相手の五人の中でクレアだけは『明月』を構えず背負っている。そして、右手を腰の位置で下に向け魔力を流し込む。


(あれは………【分割弾】か)


予想通り、彼女が翳した先に水色のボールが出現した。あれこそが【分割弾】だ。現れたのち、それは八等分に別れそれぞれこちらに向かって飛来した。


(クレア、もう【分割弾】を使えたんだね………)


そういえばクレアはサイスさんに弟子入りしたそうだ。本人は魔法を学びたかったらしいが、結局【分割弾】に取り憑かれたらしい。


「よっ……………ほいっ!」


【分割弾】は銃から撃たれるわけではなく、その弾丸を一発ずつ制御しなければならない。大きい状態で予めルートを設定しておくか、撃ったあとにリアルタイムで制御するかの二種類がある。クレアは両方余裕で出来るらしい。


だがそれは一発が大きいし弾速も速くない。遅くはないのだが、跳躍して躱すことや斬り落とすのは簡単だ。


「はぁぁあ!」


「やぁぁあ!」


着地すると氷冴と綾桐が突進して来た。二人は僕たちが入局する以前からコンビを組んでいたらしいが、まさにふたりの攻撃は圧巻だった。


「よっ……………そいっ」


同時攻撃や時間差攻撃、フェイントなどを絡められ、まったく反撃することが出来ない。攻撃の機会を与えない連撃は流石の一言だった。


けど……………


「………ッ!!」


僅かにできた二人のズレを利用し、間を加速魔法で抜ける。二人が振り向くが遅い。がら空きである背中に一太刀。防御膜が割れた音が響き、彼女らの負けが宣告される。


「スキだらけだよ!」


ここまでで一回も参加してない人、シルヴィが背中から斬りかかる。だがそんなこと見なくても分かっていた。スキだらけではない。わざとスキを開けたのだ。


「ハッ!」


高速で剣を回し受け止める。


「ウソっ!?」


残念ながら嘘ではない。攻撃手である氷冴ち綾桐を仕留められたのは大きい。あとは遊撃手と魔法手を倒すだけだ。だが………………


「でやぁぁあ!」


「ッ!くそっ………」


シルヴィと僕は、剣の実力だけで言ったらほぼ互角。少しだけ僕が強いくらいだ。それは彼女の片手剣を活かした攻撃にある。片手なので連撃の速度は部隊トップだ。その強さも申し分ない。


でも、一対一ならば負けることはない。


「っ…………そこだっ!」


【鏡月】で片手剣を弾き飛ばす。シルヴィは驚いた様子だが無視し左手を翳す。加速魔法だ。


「うわっ!?」


体が少し浮いていたシルヴィは少しだけ斜め上に飛ばされる。僕は地面を蹴り飛ばしシルヴィへ追い付くとそのまま腹へ刺突攻撃。動けないシルヴィはその攻撃を喰らい防御膜が割れた。


視線をクレアに向けると目があった。するとその刹那彼女は『明月』を構えるととある魔法の魔法陣を出現させた。


(上位雷属性魔法【稻妻(いなずま)】………)


その【稻妻】に対応出来るのは同じ魔法の【稻妻】か魔法陣破壊魔法だけだ。だがその破壊魔法は知らない。幸いなことに【稻妻】は覚えたばかりだ。ありがとう図書室と教えてくれた霜崎教諭。


「【稻妻】」


お互いの稻妻魔法が交錯し衝突する。魔法力だけならクレアが圧倒的なので長くは持たない。何かをする必要があった。


「………はぁっ!」


魔法を解除したと同時に飛び上がりクレアの後ろに着地する。おどろいた彼女は槍状にした『明月』で攻撃するが【止水】で完全停止させそのまま逆袈裟斬り。防御膜が割れクレアはご退場だ。


(………あれ?誰か忘れてる……?)


思った瞬間、腹を水でできた蛇ちゃんに掴まれて持ち上げられた。あれ?これ二週間前にもあったよね?っていうかイヴェリアのこと完全に忘れてた。


「喰らえ!」


あぁクソ。と思ったらすぐ壁に向かって蛇ちゃんが動いた。これはまた終わったな。


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