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天才剣士は異世界でも人見知り。  作者: 五輪 亮惟
第二章 第二節、五稜局編
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76話 影星、修行しまくる。

5月に入ったのだが、この5月は行事がなにもない。アニメあるあるの突発イベントも起こるわけではないし、やると言ったら鍛錬くらいだ。


「よ……っ!」


「ほいっ!!」


左薙の【一閃】を放つ。それを氷冴は冷静に受け太刀技の【止水】で受け止める。刀の動きが止まってしまったがこれの対処法は学んだ。間合いを確保することが第一だ。


「【加速魔法】」


加速を僕と師匠の両方に発動させた。それぞれは反対方向に吹き飛ばされる。


「うわっ!…………っと」


完全に体勢を崩された師匠だが、空中で姿勢を整えて完璧に着地した。あの身のこなしや体の柔らかさが欲しいんだよね。


(僕も体を柔らかく使えば良いのかな?)


今までは比較的力を入れて『忍冬』を振っていた。時と場合によるのだが、対人戦では力を入れないと押し負けてしまうからだ。水也さんにぶっ飛ばされたのはよき思い出。


「魔法展開の速さは流石だねぇ」


「ありがとう」


力を抜くのは簡単ではない。今までの師匠の動きを見るとステータスの器用値を最大限利用したやり方をしている。見て盗むのは僕の十八番だ。


「ふぅー………………」


大きく息を吐いて次の斬撃に備える。師匠の攻撃はとても速いが、集中すれば見切ることはできる。自分の出来ることと出来ないことを分けて戦わなければならない。無理やり刀を押し返すなんて真似はとても出来ない。


「やぁぁあ!」


だからこそ、僕に出来る最高のパフォーマンスをしよう。師匠の技を盗むのではなく、それを利用し超えられるような何かを。


「………ッ!!」


目の前には迫りくる師匠の刀。『忍冬』に当たるその時まで出来る限り脱力する。そしてガキンッと衝突しその衝撃が両腕に伝わる瞬間………………


「えっ……!?」


瞬間的に力を爆発させ、『忍冬』や腕に伝わっている衝撃やエネルギーを全て師匠の刀に返した。つまり、衝撃を師匠へ反射させたのだ。


「【鏡月(きょうげつ)】」


それは止水を師匠から教えて貰った時に思い付いたカウンター技だ。頭の片隅に置いておいたのだが、もう使わないだろうと思い忘れる寸前だった。


その刹那左手で鞘を掴み左腰に引き寄せる。そして『忍冬』を納刀し抜刀術の構えを取る。


「【一天(いってん)】」


【一天】を放った。【一天】は既存の抜刀術を更に進化させた抜刀術だ。腕の使い方から足の位置。力の込め方や抜刀時の重心移動に至るまで全て最速で決めるられる様に改良されている。まぁあんまり僕の知ってる抜刀術と変わらなかったけど。


「っ………ぐぅぅ!」


なんとか体を捻って避けようとする氷冴。だが、僕が出せる中でトップクラスの速さである【一天】を避けることは出来ず、右腹に命中した。


「………はぁ。ボクの負けかぁ」


まだ師匠と模擬戦をすると、勝率は三割か四割だ。最低でも五割程は勝てるようになりたいね。



◆二週間後



「でやぁぁ!!」


「はぁぁあ!」


氷冴の提案で僕vs氷冴&綾桐の模擬戦が実現してしまった。いきなり「綾桐!一緒にイネスを倒そ!」というのはやめて欲しいです。


「よっ…………ッ!!」


綾桐には魔法陣を改良した魔刃を教えてあげた。それは刃の耐久力を上げてなお且つ鋭さはそのままである様なものだ。今になって思うとあれは間違いだったのかも知れない。それはないか。


「くっ…………そこ!」


綾桐の両剣は連続攻撃が得意な武器だ。扱いの難しさから使う剣士は少ないが、熟練になると恐るべき力を発揮する。綾桐はその歳にして既にベテラン、熟練者の域だった。


「あぶなっ…………!」


頭を狙った斬撃をしゃがんで回避する。距離をとれば氷冴に詰められ、踏み込むと綾桐に絡まれる。厄介なコンビである。


「氷冴!」


「分かってるよ!」


短く交わした会話は、全く成立していないが本人たちには通じている様だ。後ろから猪のように氷冴が突っ込んできた。【鏡月】で刀を弾くが綾桐がフォローし決定打を与えられない。


『模擬戦終了!時間切れにより引き分けとする!』


そのまま時間切れで引き分けとなった。氷冴と綾桐は悔しそうだが、僕としては二人相手に引き分けは良くやった方だと思った。


「イネス!もっかい模擬戦しよっ!」


「………五戦連続なんだけど。まだやるの?」


最初に四回氷冴と模擬戦をしたのだ。戦績はニ勝ニ敗。ようやく安定してきた頃だ。


「まだ勝ち越してないでしょ?あぁ三回戦目で止めとけば良かったなぁ」


あの時に氷冴が調子に乗ってもう一回してくれなかったら勝ち逃げされていたと思う。


「弟子の調子はどう?氷冴」


疲れから回復した綾桐が氷冴に聞いた。氷冴は少しだけ考えてからこう言った。


「………なんだか強くなってる感じかな。勝率も五分五分になっちゃったし。こう…………体が柔らかくなった感じ?」


正解です師匠。あなたから学んだんですよ。


「じゃあ次は水也にでも吹っ掛けてみれば?あいつに勝つのは難しいから」


水也さんに?なんかあの人この五稜局で最強らしいよ。次がベスタ・ドーンで次がエクザ・バーラル。サイスさんと氷冴、綾桐は同率らしい。



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