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天才剣士は異世界でも人見知り。  作者: 五輪 亮惟
第一章 異世界の生活を楽しむ編
6/81

6話 人見知り、注意される。

「あのさイネス………………」


「………?」


話しかけられたので顔を伺う。


「君の人見知りは直したほうが良いよ」


「んっ!?」


それはこの人生の永遠の課題になる筈だ。

というかそれが原因で前世では嫌われまくった。


「なんというかさ…………無言じゃなくて、何でも良いから言葉を言えばどうかしら?」


「こ、言葉を…………?」


「そう言葉。意味を成すものなら勿論良いし、意味を成さないものでも良いから、必死に言葉を紡ぐのが大事、相手に伝えるのが大事よ」


と、言われましても……………意味を成さない言葉ってなに?活用しない自立語のこと?


「わ、分かった…!」


「えぇ、なんだが喋りづらいのよね………」


と言ってアイさんは苦笑した。だがそこで、僕はこの人の違和感に気付く。何かを隠しながら話している……というような感じで。


「あの…………アイさん?えっと、その………無理、してる?」


何をとは敢えて言わない。わざわざ範囲を狭める必要はないし。というか気になっただけでめっちゃ聞きたいわけではない。


「っ!?な、なんのことかな?」


と言った後、また「あ…」と言った。そういえば口調が優しくなった………かな?


「えっと、喋り方に違和感が………あ、あってさ……」


「そ、そんなこと無いわよ………勘違いだわ……」


……………今なんかこれまでのアイさんのイメージがガチャーン!と崩れた気がした。


「えっと………無理させると対応に困る……から、普通に喋って…………くれ、ない……かな?」


「私はこれで普通よ……………?」


と言っているアイさんだが、肩がワナワナと震えている。まるで『私は隠し事をしています。気付いて下さい』と言っているみたいに。


「そ、そう…………まぁいいけと」


と言ってまた歩き出すと……………………


「だって……………」


「…………?」


だって?やっぱり隠してたのか。別に言いたく無ければ言わなくても良いんだけどね。


「目の前に可愛い男の娘が居たら…………つい胸を張りたくなっちゃうじゃん…………」


聞いた割には意外な返しだった。可愛い子が居たら?じゃあ僕が悪いってこと?


「えぇ…………と、ゴメン?」


「え?いやいやイネスは悪く無いけど…………」


うん?そりゃそうだよ?


「じゃあアイっていうのは…………」


恐らく彼女の名前か苗字の頭文字か何かだと思うが…………


「その…………イネスのI」


イネスの…………つまり僕か。それじゃあアイというのはこの人とはなんの関係も無いという事だ。何で人の名前の頭文字を使うかな?


「なんでそこまで?」


「だって…………少しでもカッコよくいたいし…………クールっぽさを出せたらな〜って………」


つまりかっこつけたいわけだな。何でそんなことをするのか…………顔だけで十分に可愛いのだが、見てほしいのは内側なんだろうな…………


「でも……こうしてバレちゃったわけだし改めて自己紹介するね。私の名前はシルヴィア。シルヴィア・インフォルトだよ、よろしく」


と言って右手を差し出してきたので……………


「僕はイネス・シルフォール。ここには来たばっかだから全く知らない。よろしくね」


と言いながらその手を掴み握手した。そして自分でも驚くくらいスラスラと言葉が出て来た。


「なんだイネス、ちゃんと喋れるじゃん。

 あ、私はシルヴィで良いよ」


「ん……分かった、シルヴィ」


「うんっ、よろしく♪」




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