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天才剣士は異世界でも人見知り。  作者: 五輪 亮惟
第二章 第一節、学園生活編
44/81

44話 人見知り、長に会う。

少し早めに教室についた僕たち4人。隣にいるシルヴィとクレアとご飯中に合った。シルヴィが少しだけ寝坊したらしい。


「あれっ?ねぇクレア………」


「………どうかしたの?」


「今日って……………算術の授業あったっけ?」


算術?今日は水曜日なのだが、昨日配られた時間割表の水曜日の欄には算術があった筈だ。


「算術?………確か4時間目だったかし―――」


「――やばっ!?ちょっと取ってくるね!」


どうやらシルヴィは算術の用意を忘れたらしく、教室を出て下に降りる階段の方へ走って行った。


ただ忘れ物をするのはいただけないな。なんやかんや言っても高等部なんだし。って言ってもシルヴィは中等部の授業を受けてないみたいだし仕方がないのかもね。


「………私忘れ物無い?って聞いたんだけど……」


クレアがポツリと呟いた。


「あ、あはははは…………でもこれでシルヴィア殿も懲りたんじゃないですかね?」


イヴがしっかりフォローした。やっぱりコミュ力高いなぁ…………正直羨ましい。


そんなクレアとイヴの会話をボーッとしながら聞いていると教室のドアが開いた。…………ん?シルヴィじゃない?


「1年3組の………あ!いました」


と言ってその女子生徒はこちらに近づいて来た。


「貴方が、イネス・シルフィードさん………で間違いありませんか?」


おぉっと?どうやら僕に用事があるみたいだ。え、なんで?なんか僕したっけ?何かの過誤を起こしたっけ?


「あ、えっと…………はい」


ん?この人見たことあるな。確か入学式か…………


「そうですか!私はアストリア・リルシャール。この学園の生徒会長を務めている者です」


そうそう生徒会長だ!生徒会長挨拶の時に壇上へ登るその一瞬だけ、とっても嫌そうな顔をしてたから印象に残ってた。確かに名乗ってたなぁ………


「……………えっと」


何を言えばいいのか迷った。だって向こうは既に僕の名前を知っている。だから名乗る必要はない。かと言って無言は不味いだろう。クレアとイヴのことを紹介するのもおかしいし………………


っと、そんな事を考えているとイヴが僕の耳元で小さい声でそう言った。


「イネス殿、相手が知ってる知らないではなく、社交辞令として名乗り挨拶するべきですよ?」


「ほ、ほんと?じゃあ……………イネス・シルフィードです……?」


「はい、シルフィードさん。よろしくお願いしますね?」


「あ、はい………よろしく、です」


この人も会話が上手い人だなぁ…………交渉が得意とかかな?見たところ………………………


(髪型からした良いとこ生まれ。服に汚れやシミ、皺がない……几帳面か。顔に残る僅かな化粧の跡、ピアスの穴、ネイルの跡………オシャレか。ってことは…………)


「………好きな人がいる?」


あ、つい言葉が出てしまった。まあ多分間違ってはいないが……………


「………えぇ!?」


するとその女子生徒は淑女らしからぬ声を上げた。図星の様だね。


「………好きな人?どういうことイネス?」


クレアが顔を近づけて聞いてきた。近いってそれもかなりさぁ…………なんかいい匂いするし。


クレアが顔をグイグイ近づけて来ていると、会長さんは我に返った様で、小さく咳払いをする。


「ま、まぁ?それはいいとしてですね……………」


会長が言ってる中、またクレアが耳に口を近づけて小さく言った。………だれ?イネスじゃないよね?と。僕関係ないよね?


(だれって…………知らないんだけどそんなの……)


「……………蒲原淮里?」


「なっ!?」


昨日あったリア充少年の名前を言うと会長は顔を真っ赤にして狼狽した。当たったってことかな?


「な、なんで淮里の名前が!?」


しかも名前呼びだし。ってことは昨日彼の隣にいた高敷榧雅のライバル?ってやつなんだろうな。


「か、彼のことは今は良いんですよ!」


ここで今は?って聞けば揚げ足を取れるんだろうけど、僕はそんな事しない。性格いいからね僕は。まぁ多分だけど。


「えぇ…………まず、貴方にお詫びしないといけません」


「…………?」


お詫び?迷惑なんか被ったっけ?正直あんまり覚えがない。


「その…………入学試験の時に、うちの学園の教師が貴方に土下座を強要してしまったみたいで…………。私はこの学園の生徒代表として、ここに謝罪します」


と言って頭をキレイに下げた。だか、正直あの土下座事件はあんまり気にしてない。だって僕が土下座をしてしまったのが原因だし、従わなくても良かったと今になって思う。僕は保身の気持ちが大き過ぎたのだろう。


「………土下座を強要された覚えはありません。僕がディオス・モルドールに屈しただけ………です」


「で、ですがこちらに非がありますし…………なにかお詫びすることを約束します」


「い、いえ…………大丈夫ですし、怪我はツェルス先生?に治してもらいましたから……………」


「で、ですが……………」


この会長はどうやらどうしても埋め合わせがしたいようだ。恐らく僕に借りを残したくないのだろう。


「な、なら………今日の昼食を生徒会室で食べるというのはどうでしょうか………?」


「…………それくらい、なら………お願いします」


まぁこれくらいなら別に問題もないだろう。というかこれ以上引きずると逆にめんどくさい。


「いえいえ!こちらが悪いのですから…………。では昼食は生徒会室で食べると言う事で、なにか食べるものを用意してきて下さいますか?」


「わ、分かりました…………」


「ありがとうございます!ではまた生徒会室でお待ちしておますね」


と言って教室を後にしていった。実際のところ食堂で朝食を摂りたかったのだが…………まぁ購買で何か買っていくとするかな。



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