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天才剣士は異世界でも人見知り。  作者: 五輪 亮惟
第二章 第一節、学園生活編
32/81

32話 人見知り、腹ごしらえする。

決闘はその日の放課後にやることになった。というかあの後一方的に「決闘は今日の放課後に決まった様だ。首を洗って待ってるんだな」って言われた。そして今はお昼休み。つまり昼ご飯の時間だ。


「いやぁ、いきなり凄いことになったね」


「あぁ………全くその通りだよ」


凄いことっていうか、ただ喧嘩を吹っ掛けられただけなんだけど。喧嘩あんまり好きじゃないし。


「………それでイネス、勝算はあるの?」


クレアがそう聞いてきた。


「どうだろう…………正攻法じゃ対応出来ないかも知れないし、変なことしたらね………」


変なことをしたら簡単に負けるかも知れない。

でもここで正面から挑んだら……………


「でも、これまでのイネスの戦いを見てたら負ける気なんてしないけどね………?」


「あれは相手が魔物だからだよ」


それは嘘だ。どっちかって言うと対人戦の方がやりやすい。もちろん前世で対魔物戦などもちろんやったことがないので、対人戦の時の駆け引きの方がやりやすい。魔物は大きいから当てやすいだけだ。


「まぁ取り敢えず今は一旦置いといて、ご飯食べよっか?」


「そうだね」


シルヴィの提案に乗りご飯を食べる。記念すべき第五学園初の食事は、食堂でキノコスープだ。キノコスープ大好きです。前世でも良くインスタントのやつを食べてたかな。一箱買ったら4種類くらいの粉スープが入っててね。その中でもキノコスープが一番美味しかった。次にコーンスープ。そしてポテトスープかな。


(これうめー。普通にめっちゃ美味いやん。普通にめっちゃ美味いって意味分からんけど)


「んーこれ美味しー!シルバーベルと同じかそれ以上かも………」


シルバーベルの食事はどちらかというと庶民的な料理だった。だがこの食堂、高級で高いものから質素で安いものまで沢山ある。この食堂ならば三年間飽きないだろう。そしてなんと……………タダ!


「イネスのそれも美味しい?」


「うん、懐かしい味がするかなぁ………」


「懐かしい?それってこの国に来る前のこと?」


あ〜………ちょっと不味い。転生したことをシルヴィに告げても良いが混乱するかも知れない。そしてこの世界に来て約一ヶ月。わざわざ違う世界のことを言う必要もないだろつ。


「まぁ、そんなところかな」


「ふぅーん………………」



少し後……………



「やぁシルフィード君、逃げずに来たみたいだね。そのことは褒めてあげるよ」


あの後無事午後の授業も終わり、とうとう放課後になった。ビルマイクは既に第一アリーナ(一番大きいアリーナ。第二アリーナが二番目に大きくて、第三第四第五が同じ大きさで三番目に大きい)の真ん中におり、その周りを沢山の人が囲んでいた。


その人達をを掻き分けて進む中で、悪意などの目を向けられたり、足をかけられて転びそうになった。ちょっとビビりましたよまったく。そしてその人混みを超えた先にビルマイクがおり、話しかけられた次第です。


「君は可憐な少女二人を騙し従えさせている。今この場で土下座して謝り、あの二人を解放するならば、これから行われる悲惨な決闘をしなくても良いんだぞ?」


つまりビルマイクが言ってるのはお前はシルヴィとクレアを騙してるから謝罪して解放しろということだな。それなら答えは……………


「僕は貴方が言う少女二人を騙した覚えはない。それに従えさせたという事実もない」


「なんだと?ならなんでシルヴィアさんとクレアさんはオレの方へ来ることはなく、お前の方にいるんだ?」


「それは僕ではなくシルヴィアさんとクレアさんが知っている筈」


凄い…………僕がちゃんと話せてる!これは革命だ!世界(僕)が変わるぞー!!


「ふっ、あの二人はお前に騙されていることに気付いていないんだぞ?そんな悲惨な道を辿っている少女にそんなこと聞けないだろう?」


えっと………何が言いたいか分からないな…………こういう時は確か……………


「…………つまり何が言いたいんですか?」


「チッ、今説明しただろうが。彼女らを解放しろって言ってるんだ。もう彼女を縛るのはやめろ」


あぁ……………なら!あぁ奈良県じゃないよ?ところで奈良県っていいよね。東大寺とか法隆寺とか行ってみたかったなぁ。他には春日大社とか興福寺とかね。絶対楽しいよね?奈良県に住んでる人ラッキーだよね…………羨ましいです奈良県民さん。あぁ僕は愛の知の県に住んでましたよはい。


「僕は既に彼女らを解放している。今の彼女は正真正銘の自由を持っている」


自由を持っている………って良くない?厨二心としてさ。こう、なんというか……………フリーダムっていうのかな?のびのびとしてる感じ。


だが僕がそう言ってもビルマイクは溜息をついて言った。


「またそんなつまらない嘘を…………もう君とは話にならないみたいだ。お前、名は何という?」


「い、イネス・シルフィード………」


僕がそう言うとビルマイクはニヤッと笑って言った。


「レーベル・ビルマイクは、イネス・シルフィードに決闘を申し込む」


するとズボンのポケットに入れていた僕の端末が振動した。バイブレーションもあるんだね。


「イネス・シルフィードはレーベル・ビルマイクからの決闘を受諾する。賭ける内容は、僕が勝った場合は相手の全ポイントを貰う。負けたらシルヴィア・インフォルトとクレア・リーゼルトを解放する」


「同意した」


ビルマイクがそう言うと、彼と僕の端末両方から同じ言葉が魔法音声として流れた。


『賭けの内容と双方の同意を確認。全身に防御膜を展開…………完了。準備はよろしいですか?』


「とっくに出来てる」


といって背中から大きな大剣を抜いた。さっきから気になってたけど………大きいね。


「……準備、完了」


『決闘開始20秒前』


魔法音声はそう告げると一時的に黙った。恐らく精神統一の時間なんだろう。だがビルマイクは僕を睨んだままなにもしていない。何故睨むのかは分からないが辞めさせる事は出来ないので放置することにした。そして僕は抜刀術の構えを取る。


『開始10秒前』


相手は大剣を両手で構えている。まずは弾く………俗に言うパリィをしてバランスを崩すのか良いだろう。それからは………と考えていると、5秒前と告げられた。5秒からは毎秒数字を言っていくスタイルらしく、緊張感が高まっている。そしてとうとう………………




 


『決闘、開始!』


決闘が、始まった。



奈良は好きです。

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