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天才剣士は異世界でも人見知り。  作者: 五輪 亮惟
第一章 異世界の生活を楽しむ編
3/81

3話 人見知り、出会う。

僕、イネス・シルフォールは転生した。

いや、イネス・シルフォールというのはここでの名前なのでそれは語弊があるかも知れない。まぁ前世の名前はどうでも良いので伏せることにしよう。


「どうしよう…………家無い…………」


転生した途端にもう終わりかけている。今の季節が春先なのが救いだろう。2月なら終わってた。


取り敢えず、お金を稼いで宿を取らないといけないだろう。だろうというかやらないといけない。まぁ1番大切なのは情報だ。それが無くては知るものも知れない。


適当にぶらぶら歩いていると、掲示板的な物を見付けた。だがこの掲示板、上縁にクエストボードと書かれていた。クエスト?聞いたことあるな。


『・ヴェルウルフ×20討伐

 ・ディルブァファロー×20討伐

 ・エッジバード×15討伐

 ・クロースネーク×15討伐』


などの討伐クエストとか、素材や資源を集める回収クエストなどがある。


そして、1番下の紙には興味深いことが書かれていた。それは…………………


『第76回、中心区武闘大会開催!!

 戦いに自信がある者は中央役場にて随時

 エントリー募集中!※各支部でも可能』


他の紙よりも少し上質な紙に書かれた文字は、

これまた他の文字より綺麗にかかれている。


頭を働かせて考えれば考えるほど、どんどんその意図が読めてくる。下に貼ってあるのは皆の目に止まりやすいようにする為だろう。76回と開催されていることや、中央役場でも対応可能という事から国が主導でやっていると言う事だと思う。そして1番大切なことが…………………


『 優勝賞金、5000,000LI

第二位賞金、1000,000LI

第三位賞金、500,000LI』


500万も貰えるのだ!だが勿論、優勝出来るとは思っていない。ただ良いところまでは行きたいと思っている。でないてやっている意味がない。前世で剣道や柔道、空手やテコンドーなどを沢山、それこそビックリするくらい沢山やって来たので、それらを合わせると戦闘術位は出来る筈だ。なんせ前世の師範に、お前の戦い方は只の暴力に他ならないと言われた程だから。その時の師範の言葉を信じることにする。


「参加条件は…………武器を持っている事、参加費10,000り?ら?単位読めないな…………」


LIと書いてなんて読むのか分からない。"ラ"?それとも"リゥ"?読み方何なのかな?


「LとIでリルと読むのよ」


と、後ろから声をかけられた。誰か分からないので振り向くと、そこには薄い紫色?色をしたした肩甲骨のちょいの下まで届く程の長髪をした少女だった。顔はキレイに整っており、目もクリクリして睫毛も長い。そしてやはりロングストレートは一番好きな髪型と言っても過言ではない!


「失礼。困っている様子だったから、うっかり声を掛けてしまったわ」


言葉ではそう言っていても、顔は笑っていた。その微笑みに不快感は覚えられず、寧ろ好感さえも持てるようになる。


「リル?…………ありがとう」


「えぇ、どういたしまして」


するとその少女は、あ…と何かを気付いた様な声を上げてこちらを向いた。


「そういえば名前を聞いていないわね」


「………イネス、イネス・シルフォール……です」


初めてしゃべる相手にはこうなってしまうのだ。初めてとか2回目とか関係なくこれだが。


「イネス……でもごめんなさい、貴方に名前を聞いておいてなんだけど、私の私の名前は言えないの。ごめんなさい…………」


「い、いや………えっと……その…………」


言葉を紡ごうにもしどろもどろになってしまう。我ながら語彙力はある方だと思うのだ。会話時の言葉や文法、使い方などは知っているから。だがそれを口に出せない。コミュ障故に。


「でも、そうね……………アイとでも名乗っておこうかしら。そうすれば呼べるでしょ?」


「……アイ……さん。よろしく…………」


アイと名乗った少女は僕の隣に並んで掲示板を見る。どうやらクエスト?を探してるようだ。


「貴方も何か探しているの?」


「は、はい…………お金がないので………」


お金がないというか………何も無いだろう。あると言えばこの刀と服と命くらいだ。まぁ刀だけはなにがなんでも売るつもりはないけど。


「そう…………普通に考えれば一番儲かるのはこの武闘大会だけど、まぁ無理でしょうからね…」


「………出場しないんですか…?」


つい聞いてしまった。この人ほどの実力者ならば優勝とまでは行かないながらも良いところまでは行くだろう。それは少し勿体無い気がする。


「私?私は…………………」


アイさんは黙ってしまった。まぁ当然だろう。そんなに踏み込まれては困るだけだし、そこまではこの少女に興味は無い。


「まぁ、気が乗ったらかしらね。それに今年はタッグ戦になるみたいだし。良いパートナーがいれば良いんだけどね」


あはは…と冗談っぽく言った。まぁひとまず武闘大会の話は終わり。お金を稼がなければいけないので手頃なクエストを選ぶことにする。


「ん〜……………」


まぁ、討伐系のクエストにした方が良いだろう。いきなり素材回収をしても、少々つまらないしかかる時間の割に報酬が悪い。なので…………


ぴとっ


ヴァルウルフを討伐するクエストの紙を取ろうとすると、同じく手を伸ばしたアイさんの手とぶつかった。

良ければ感想やその他諸々よろしくお願いします。

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