28話 人見知り、喧嘩を売られる。
1年3組担任霜崎水脈の話が終わると、鐘の音がなって授業の終了が告げられた。というか本物の鐘の音なんだね。手動で鳴らしてるのかな?
「決闘かぁ〜…………序列が上がったらなんかいい事でもあるのかな?」
シルヴィがそう言った。そしてその質問に、クレアが答える。
「………次の授業で説明するんじゃないかしら?」
「うん。全学年生徒が参加可能だったらさ、どうせなら少しでも高いところを目指したいよね!」
「そうね。それは同感だわ」
と二人が僕をまたいで会話をしていた。すると、知らない人の声が聞こえてきた。
「おいおい君達、何でそんな男を囲んでお話しているんだ?そいつを知らないのか?」
後ろから声をかけられ指を差された、当然僕にだ。というか僕を侮辱したいのか二人をナンパしたいのかどっちなんだろう。
「そんな土下座男なんかよりもオレらのところで沢山話しようぜ。そんな雑魚放っておいてよ」
後ろを振り向くと、体が中くらいだけど僕より大きい赤髪の男がニタァと笑ってこっちを見下ろしてきた。客観的に見ると顔が整っていて、好青年と言った感じだろう。
「雑魚…………?」
シルヴィが少し怒りながらそう言うと……………
「あぁそうだぜ、知らないのなら教えるよ。この男は近接戦闘実技の試験官に対して卑怯でイカサマな手を使って嵌めたんだ。そんでそれがバレて土下座して合格を貰ったんだよ」
あらら…………卑怯やらイカサマやらよく分からないことをおっしゃるものだ。心当たりあるけど。そしてさらにその男は言葉を続けた。
「そんな雑魚と一緒じゃ上を目指すなんて無理に決まってんだろ?オレらと一緒きやろうぜ?こんなカス放っておいてさ」
と言って唇を舌で舐めた。唇乾燥してたのかな?でないとそんな不愉快な行為女子の前じゃ出来ない筈だ。嫌われたく無ければね。ってかその顔でそういう事するとキャラが分からなくなって接し辛くなると思うけど………?
「……………………」
「……………………」
だがシルヴィとクレアは言い返すほど子供じゃなかった。ただ何も言わず、ずっとその男を睨んでいた。まるで先程の主張を否定するかのように。
「ん?あんだいその目は?オレは親切心から誘ってやってんだぜ?感謝しないのか?」
かなり上からの発見だった。
「…………………」
「…………いい加減黙りなさい」
そしてそれをクレアが耐えることが出来なかった。そしてその目はいつもの悲しそうな目と違って怒りに満ちているようだった。正直めっちゃ怖いっす。
「あ?」
はい出た難聴主人公!!お決まりですねー!
「貴方にこの人を悪く言う資格は無いわよ。分かったらさっさと席に戻りなさい」
クレアはかなり高圧的に言った。伝えたいことは簡潔に!これは基本ですねシルヴィアさん。
「……………ちっ。覚えてろ、クソが」
あ、またお決まりだ。というか覚えてろって言うか忘れられないと思う。印象的過ぎて。
「…………ごめんなさい。ついカッとなってしまったわ………ごめんなさい」
すると本気で悲しそうにしているクレアが言った。その目も何時もの悲しそうな目に戻っており、今にも泣きそうだ。
「いや、気にしてない。それよりも僕の為に怒ってくれてありがとうね」
クレアにそう伝える。するとクレアは悲しそうな顔から雰囲気がちょっと明るくなった。
「そ、そうかしら……………」
「でも、僕を庇って自分が嫌われる様な態度を取ってたら………その………………」
あんまり言葉が出て来なかった。だが…………
「…………そう、ありがとう」
と言って僅かに微笑んだ。その顔は、とっても美しかった……………………
またまためっちゃ短くてすいません………!!




