27話 人見知り、説明を受ける。
「さぁみんな!1年3組にようこそ!!このクラスの担任、霜崎水脈です!」
シモサキミオ?日本人みたいな名前だなぁ。もしかして僕と同じ転生者とか転移者みたいな?んな訳ないか。
「それではみんな!1年間、明るく元気なクラスにして行きましょうね!」
性格は見るからに明るくて、元気な感じがある。容姿もその性格を受けた様に、活気があってイキイキとした様子が見られる。ふわふわした空色の髪の毛に青色の目をしている。可愛い部類に入るだろう。
「じゃあ自己紹介…………と行きたいところだど、時間が押してるから放課中にやってね」
それで………とその霜崎教諭は続ける。
「改めてこの王立第五学園への入学おめでとうございます。校長先生が仰った通りこの学園は完全実力主義。故に決闘を推奨しています。そこが第一、第二との違いです」
ここまでは校長が言っていたことと同じだ。そして次からが大切なところだそう。
「この学園は序列制をとっています。そして、生徒同士の決闘によって序列を決めてきます」
「決闘かぁ〜………」
となりのシルヴィが呟いた。そして………と霜崎教諭が続けた。
「決闘によって各自が持っているポイントの50%が行き来します。ポイントは定期テストや実技試験などで加点、減点されます」
つまり決闘に勝つと持っているポイントの半分が貰えて、負けると半分持って行かれる訳だ。
「そして、決闘ではポイントの奪取以外に、何か1つのことを賭ける事が出来るんです」
賭ける?それは魅力的だな……………
「賭ける内容は完全自由です。ただしその結果や損害などこちら側は一切責任を負いません。その辺りは理解して下さいね?」
完全自由とな…………それは素晴らしいな。まぁ賭けによって個人の士気を高めてるんだと思う。
「この学園の在学権を賭けるも良し。所持金や家の財産を賭けるも良し。ポイントを全て賭けるも良し。但し双方の同意のもとでね」
一方的な押し付けは出来ない様だ。
「そして!その試合の判定や記録、証拠などはこの端末に保存されます!」
と言って教壇の隣に置いてあった箱から端末を取り出した。あの形は前世で見たことがある。スマートフォンってやつだ!持ってなかったけどね。
「この端末に正式な名称はないんだけど、これだけで色んな事が出来るんですよこれ!」
さっきまでの真剣さが嘘のように無くなった。これではまるでただの無邪気な少女そのものだ。
「えっと、この端末を通して会話が出来る通信という機能が1つ!さっき言った試合の合図や判定、その内容の送信や賭けの内容の記録とかが1つ!」
そしてさらに!と言って続けた。話すの好きなんだね。
「魔法式の入力と魔法陣の再現、その為の空中ディスプレイがあるの!」
空中ディスプレイ?前世ではまだARすら実用化されてなかった筈なのに…………あんま社会の事とか知らないけどさ。情勢とかも。
「それらの機能の説明をしますね!」
それから霜崎教諭はスラスラと説明を並べた。分かりやすい解説と実際にやってみるやり方で、他の生徒も理解出来たようだ。あの人優秀だね!
「と、大体それくらいですかね。では手元にある端末を開いて下さーい!」
生徒全員に端末が渡ると全員が実際に弄ったりしてみていた。僕も開いたのだが、アプリはさっきの電話と設定と魔法式入力のアプリだけだった。それとこの学園の情報と決闘などのルールなどが書かれたメモ帳アプリとか。
(それにしても超科学技術か………古代遺跡から無数に発掘されたらしいけど違和感あるよね)
超科学技術と書いて《オーバーテクノロジー》と読むらしいがまぁ普通に読めば良いだろう。でも古代遺跡から発掘されたとね…………古代凄えな。
「では、次は決闘のルールを説明しますよ!」
決闘のルール…………殺さない!とか?……………ちょっと今のはつまらんな。撤回して謝罪しよ。
「まず、生徒同士の決闘には原則として三重の防御膜が肌の上に展開されます。一層目と二層目が破壊された時点で勝敗が決定します」
二層分かぁ………多いのか少ないのか分かんないな。
「まぁまずは実際に決闘の旨を相手に伝えて下さい。そしたら後は端末の魔法音声が教えてくれると思いますよ」
つまり2度攻撃が当たったら勝ちと言う事だ。三層目はあくまで体を守るということが前提なのだろう。と、ここで霜崎教諭が真剣な顔になった。
「そして、残念ながらこの学園は、在学中に命を落とす………ということがあります。決闘の事故や故意の傷害、殺害などによって」
この学園は…………いや、この世界は前世の世界と違って人命をあまり大切にしないのだ。無視………という訳ではないが、不慮の事故の場合は納得をせざるを得ないというのがこの世界だ。
「在学中に命を落としたとしても、自分や家族になんの得もありません。くれぐれも、自分の命を大切にして下さいね」
その発言を聞いていると、教諭の過去に何かがあったのかと思った。だが同情心があまりない僕には、どうでも良い…………なんて思ってしまった。




